宮城県にお住いの59歳男性が2022年11月頃に「映画館」で見た映画『グリーン・ナイト』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
映画『グリーン・ナイト』を見ようと思ったきっかけ
「セインツ -約束の果て-」、「A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー」、「さらば愛しきアウトロー」とアメリカの地方色の強い物語を作ってきたデヴィッド・ロウリー監督が、イギリスのアーサー王の円卓の騎士の話を映画にしたということにちょっと驚いたからです。
でもドラゴンがアメリカの森に住んでいる「ピートと秘密の友達」の監督でもありますから、中世的なものやファンタジーには愛着があるのでしょうか。
アメリカでの公開からやや待たされましたが、とうとう観ることができました。
映画『グリーン・ナイト』の内容
原作は14世紀に中世の英語で書かれた叙事詩「ガウェイン卿と緑の騎士」。
円卓の騎士たちが集うアーサー王のクリスマスの祝宴に謎の大男、緑の騎士がやってきます。
彼の提案するゲームに向う見ずにも応じたのはアーサー王の甥ガウェインです。
ガウェインは緑の騎士の首を斬り落としますが、緑の騎士は自分の生首を手にもって宮殿を去りました。
ゲームの取り決めで、ガウェインは1年後、緑の礼拝堂に緑の騎士を訪れなければなりません。
そして、その時は緑の騎士によって、1年前と反対にガウェインの方の首が斬り落とされなければなりません。
約束の1年が近づき、ガウェインは名誉のために、緑の礼拝堂をさがす冒険の旅に出ます。
映画『グリーン・ナイト』の作品情報
作品情報
- 監督:デヴィッド・ロウリー
- 脚本:デヴィッド・ロウリー
- 原作:『ガウェイン卿と緑の騎士』
- キャスト/出演者:
- デーヴ・パテール
- アリシア・ヴィキャンデル
- ジョエル・エドガートン
- サリタ・チョウドリー
- ショーン・ハリス
- ラルフ・アイネソン
- 主題歌:‐
- 日本公開日:2022年11月25日
- 上映時間:130分
- 公式サイト:https://transformer.co.jp/m/greenknight/
映画『グリーン・ナイト』のあらすじ
アーサー王の甥でありながら、正式な騎士にもなれずにいるサー・ガウェイン。ある時、異形の緑の騎士が現れ、ガウェインに首切りゲームを提案。この挑発に乗った彼は、名声を得るため、緑の騎士のもとに旅立つ。
映画『グリーン・ナイト』の予告編
映画『グリーン・ナイト』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『グリーン・ナイト』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 原作では英雄だけど、この映画ではただの調子のいい若者のガウェイン
- 黒幕はガウェインの母
- アリシア・ヴィキャンデルの二役
原作では英雄だけど、この映画ではただの調子のいい若者のガウェイン
ガウェインは原作ではれっきとした英雄ですが、この映画のガウェインはまだ騎士にもなっていません。アーサー王の甥というだけの若者です。
王からお前の物語を聴かせろと言われても、語るほどのことはまだ何にも成し遂げていません。
そればかりか、映画の最初ではクリスマスの朝、娼婦の恋人エセルに水をかけられて起こされるだらしない人です。
家に朝帰りすると、教会に行っていましたと母親に嘘をつくいい加減さ。
そういうテキトーな若者が旅を通じて成長する物語かと言うとそうでもなく、1年後に緑の騎士と再会しても、首を斬られる覚悟ができないガウェインは逃げ出してしまいます。
いつガウェインは本当の騎士になるのでしょうか。
黒幕はガウェインの母
ガウェインの母親は魔術を使う女。緑の騎士もどうやら彼女の魔術が生み出したものであることが私たち観客には最初からばれています。
ひょっとするとガウェインの冒険は、だらしない息子を鍛えるために母親が仕組んだものだったのでしょうか。
でも旅の果てでガウェインは緑の騎士に首を斬り落とされるはず。
それでは息子がかわいそうということで母親は、これを身に着けていれば殺されないという魔法の緑の腰帯を旅立つ息子に与えますが、それは盗賊に奪われてしまいます。
果たして本当にこの腰帯は息子を守れるのでしょうか。
アリシア・ヴィキャンデルの二役
アリシア・ヴィキャンデルがガウェインの恋人の娼婦エセルを演じています。
ところが映画の後半では旅を続けるガウェインの前に現れた城の主の奥方としてアリシア・ヴィキャンデルが登場してガウェインを誘惑します。
でもエセルと奥方がそっくりといったことは、ストーリー上問題になっていません。
メイクが変わっているので二人を同じ人が演じていると気づかないくらいです。
二人の女性のうちエセルは、ガウェインの身を心配し、彼が緑の騎士によって首を斬られるための旅に出るのをやめさせようとします。
一方奥方はガウェインを不倫に導きます。でも二人ともガウェインが本当の騎士、本当の英雄になるための妨げなのです。
映画『グリーン・ナイト』を見終わった感想
映画の冒頭で暗い王宮の、頭上からの光が差している玉座に座るガウェインの頭に火が付きます。
予告等ではそのような重々しい建物の中のシーンが目立って感じられるのですが、アイルランドでロケーション撮影を行ったという屋外シーンもふんだんに使われています。
そうした屋外の開放的な風景は、同じ監督のこれまでの映画の舞台だったアメリカと地続きのように感じました。
とりわけ森の中で馬を奪われた後は、首のない少女が住む小屋や行進する巨人たちが現れ、「ピートと秘密の友達」のドラゴンが住む土地のようです。
映画『グリーン・ナイト』で印象に残った名言
私が映画『グリーン・ナイト』を見て特に印象に残った名言です。
「緑の騎士」のセリフ
首と共に去れ
映画『グリーン・ナイト』の評価や口コミ
他の方が映画『グリーン・ナイト』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
#グリーン・ナイト を見ました
アーサー王の甥サー·ガウェイン。名誉を得るため異形の緑の騎士のゲームにのる。アーサー王の話は詳しくないが綺麗な映像に惹かれ現実と夢との狭間を彷徨うダークファンタジー調の雰囲気に魅入ってしまう。キツネは可愛かった😊 pic.twitter.com/bMRXHQRqvD
— ぼっちぼっちでぼっち (@vGCl8rsv1MhZaB2) December 15, 2022
グリーン・ナイト
映像美に圧巻
主人公の心情に合わせた
陽が差す向き、引きの映像の色彩字幕も直訳部分と
同じセリフなのに
心情を読み取る訳に!!
伏線回収とも言える訳も。字幕の限界を超えてた!!
全てに圧巻最高!!
#グリーン・ナイト
#クリスマス pic.twitter.com/Rnlj02ykHV— MAKI💋 (@maki0405honey) December 15, 2022
#グリーン・ナイト 観てきました。
原作未読なので理解しきれないところもありましたが
あれ?どうなってるの?と混乱しつつもとんでもないクリスマスを楽しみました。
ダークな世界観が良かったので、原作読んでみようと思います。#グリーン・ナイト感想 pic.twitter.com/4PgmaBpWB5
— あおい@読書垢 (@aoi00055) December 17, 2022
おわりに
私が映画『グリーン・ナイト』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』です。
「ブラックパンサー」の続編で、前作のヒーローである国王ティ・チャラを病気で突然失ったワガンダ国が、海底の王国との戦争に追い込まれる話で、いまからワクワクしています!