愛知県にお住いの35歳女性(主婦)が2021年3月頃に「紙の本」で読んだ小説『七人の敵がいる』のレビューをご紹介します。
小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
小説『七人の敵がいる』を読もうと思ったきっかけ
子どもの進学前でPTA活動をお願されることがあるかと思うと不安で読みました。
わが子の成長は嬉しいですし、入学式を迎えることも楽しみな一方で子ども会や地域の役員、学校のPTA活動の当番が回ってくるかと思うと手放しでは喜べない自分がいました。
昨今のコロナ事情により授業参観の回数も減り、学校の様子を見ることができるのはPTA活動をしていればこそだろうなと思いますが、ママ同士の人間関係が実際どのようなものなのか、客観的に防御先や楽しむ方法はないかと小説で臨場感を味わおうと思いました。
小説『七人の敵がいる』の内容
同じ年齢を持つママたちであっても、職歴や家庭環境など異なることばかり。
PTA活動に携わることがなければ理解できなかった学校行事の裏側まで知ることができます。
当事者にしかわからない苦労や達成感があってこそ、学校行事は成り立っているのだなと実感すること間違いなしです。
役員に立候補するのは勇気がいるけれど、悪いことばかりではありません。
ママ友関係に悩んでいる人も子どもの進学前に不安に思っている人も知らない世界をこの本で見てみるのも一つの手です。
小説『七人の敵がいる』の作品情報
作品情報
- 出版社:集英社
- 著者:加納 朋子
- 定価:本体620円+税
- 発行年月:2012年03月16日
- ページ数:368ページ
- ISBN:978-4-08-746805-2
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-746805-2
小説『七人の敵がいる』のあらすじ
編集者としてバリバリ仕事をこなす山田陽子。一人息子の陽介が小学校に入学し、少しは手が離れて楽になるかと思ったら―とんでもない!PTA、学童保育所父母会、自治会役員…次々と降りかかる「お勤め」に振り回される毎日が始まった。小学生の親になるって、こんなに大変だったの!?笑って泣けて、元気が湧いてくる。ワーキングマザーの奮闘を描く、痛快子育てエンターテインメント。
小説『七人の敵がいる』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい小説『七人の敵がいる』の読みどころは大きく3つです。
この小説の読みどころ
- PTA活動のノウハウ
- PTA活動でスキルアップする人間力
- ママたちとの独特なコミュニケーション能力
PTA活動のノウハウ
私だったらこうするのになと思ったことをただ率直にぶつけては、場の雰囲気を悪くしたり、意見をぶつけられた相手によっては自分を非難されたと思う人がいるということです。
人間関係をより円滑にするためには事実を並べて、相手をいかにぎゃふんといわせるかではなく、相手にも逃げるすきを少しは与えて体裁を保たせつつ、周りからの援護もあらかじめ得た上で発言をすることが大切だということです。
特に女性同士の場合、独特な空気感や人間関係があるため、それを考慮したうえで意見をいうタイミングが必要だなと思いました。
PTA活動でスキルアップする人間力
PTA活動をする上で仕事という視点で捉えなおしてみると、活動内容や集まる頻度、仕事の割り振り方など役員一人一人のスキルを考慮してお願いしていけば、より一層円滑に進んでいくのではないかということを学びました。
家庭の事情によっては夜に活動時間を設けてくれたら参加できる人、上の子の時の経験談で学校行事の流れをあらかじめ把握している人、ママたちの人間関係に詳しい人など、本人は気づいていないかもしれないスキルをママたち一人一人が異なるものを持っています。
それを各行事で生かすことができれば、怖いものなしです。
自分には何ができるだろうか、特技は?と疑問や不安に思っていたけれど、子育てしていく上で培ったノウハウは大きなスキルだと学びました。
ママたちとの独特なコミュニケーション能力
仕事をしているママだけが偉いわけではない。
PTA活動をやっているから偉いわけでもない。
同じ年の子を持つ親なのに人間関係のしがらみや、家庭環境の違いで意見が対立してしまったり、嫉妬の対象となりうることを学びました。
相手の感情をすべて理解することはできないけれど、ママ同士だから話せばわかるとどこかで高を括っている自分がいることに気づかされました。
主人公のような失言をもしかしたら自分もしていたかもしれないと、手に汗握る場面もあり、勉強になりました。
小説『七人の敵がいる』を読み終わった感想
主人公の痛快な発言に嫌味なママにはこれぐらい言ってやらないとねと同調するような自分がいましたが、その言葉が引き金となり、起こってくる問題の数々を見ていると口は禍の元だなと実感させられました。
それでも、役員となったからにはと一生懸命に活動していく主人公にはただただ、頑張れとエールを送りたくなります。
彼女のように自分がなれるかはさておき、PTA活動の奥深さと家にいるだけでは味わえなかったやりがいを本を通して感じられてよかったです。
小説『七人の敵がいる』の評価や口コミ
他の方が小説『七人の敵がいる』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
加納朋子「七人の敵がいる」読了。
今年小学校に入学した子をもつ会社の先輩に小学校の保護者会の話を色々聞いていたので心の準備はできていたけど「やっぱりそうなのか…」と愕然とした。陽子のように立ち回るのは無理なので、読んでスカッとさせてもらいつつ数年後がちょっと憂鬱になった。#読書— きなこ (@takaha1210) July 23, 2012
「七人の敵がいる」読了。めちゃくちゃ楽しみにハードルを上げた状態で読んだけど、それを上回る面白さでした!書店員としてはあるまじき発言かもしれないけど、これから子供を持つ方は読まないほうがいいかも知れない危険な本です。(続く)
— かめちよ (@katiyosan) July 4, 2010
#読了 七人の敵がいる 加納朋子
PTA…まさに私も経験中😅
驚くことにこの本が刊行されたのが10年前なのにまだ同じことで揉めてること😂
もう令和っすよ?😂
陽子のような人はまさに救世主!遥の言葉を借りるならナイスストッパー😆意見をバンバン言えるってカッコいい🥳
— イッシー@読書垢 (@books_773) October 29, 2021
おわりに
私が小説『七人の敵がいる』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきました。
今後のママ友とのおしゃべりには気をつけようと思いました。
自分の発言がもしかしたら相手の地雷を踏むことがあるかもしれないということを肝に銘じて、どこで誰と繋がっているのかわからないので、軽率な発言をしないように心がけようと思いました。
また、何か意見する際や万が一役員を引き受けることになった際には主人公の経験したことが自分にも降りかかることを想定して、問題点を未然に防ぐことができるように対策を練りたいです。
「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。
次に読みたいと思っている小説は『マザーズ』です。
ママ友の人間関係を知り、今後自分の周りにいるママたちとの距離感を学びたいからです。