埼玉県にお住いの55歳女性(サービス系:給仕)が2022年12月頃に「DVD」で見た映画『大奥』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『大奥』を見ようと思ったきっかけ
もともと原作のよしながふみさんのコミック作品「大奥」が大好きで、劇場公開時から繰り返し観ていましたが、2023年一月からNHKでドラマ化されることから、改めて復習しておこうと思ったからです。
本作は2010年公開で、松竹とTBSがタッグを組んで制作した作品ですが、原作世界を余すところなく映像化した稀有なレベルの時代劇に仕上がっています。
”男女逆転”という大前提のファンタジーをベースにしながら、江戸幕府、徳川将軍を巡る史実がふんだんに盛り込まれた緻密な作品で、同時代を描くNHK版がどんなふうに作られているのかを想像しながら観ていました。
映画『大奥』の内容
徳川幕府八代将軍吉宗(柴咲コウ)が江戸城に入ったところから物語は始まります。
通常であれば大奥は将軍の代替わりとともに一新されますが、七代将軍が幼い少女だったことからそのまま持ち越され、そこに水野(二宮和也)という男が新参者として加わることになったのです。
彼は武家の息子でしたが、家は姉が継ぐことになっているので、自分の将来を持て余して大奥に奉公に上がることになったのでした。
一見きらびやかな大奥は、しかしそこでしか生きるすべのない男たちの権力闘争で歪んでおり、水野にとっては心が荒む場所でした。
そんな日々の中で、彼は将軍吉宗の夜伽の相手に選ばれてしまったのです…。
映画『大奥』の作品情報
作品情報
- 監督:金子文紀
- 脚本:高橋ナツコ
- 原作:よしながふみ『大奥』
- キャスト/出演者:
- 二宮和也
- 柴咲コウ
- 堀北真希
- 大倉忠義
- 中村蒼
- 玉木宏(特別出演)
- 阿部サダヲ
- 和久井映見
- 佐々木蔵之介
- 主題歌:嵐「Dear Snow」
- 日本公開日:2010年10月1日
- 上映時間:116分
- 公式サイト:‐
映画『大奥』のあらすじ
謎の疫病で男子が激減し、女子が将軍職を引き継ぐ江戸時代。武士道を追い求める1人の青年が、女人禁制の大奥に足を踏み入れる。そこには3000人の見目麗しい男たちがいて、将軍の寵愛を得ようと争っていた。そんなある日、八代将軍・徳川吉宗が誕生。初の大奥へのお目見えとなる「総触れ」の日がやってくる。
映画『大奥』の予告編
映画『大奥』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『大奥』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 原作世界の緻密な再現
- 大奥の権力闘争
- ”お信”との恋
原作世界の緻密な再現
よしながふみさんがシリーズ一巻で描いた”八代将軍吉宗”は日本人なら誰もが知る名君で、時代劇「暴れん坊将軍」としても知られています。
その質素な身なりと堅実な政治を行う筋の通ったキャラクターを、柴咲コウさんが丁寧に演じていました。
さらに美しく、迫力があり、そして慈悲深い彼女の想いが、史実を交えて描かれており、男女逆転しても貫かれる人物造形が素晴らしいと思っています。
原作では後に、子供時代や老年期を交えて描かれた吉宗ですが、是非そうした姿も観てみたいな、と続編を待っています。
大奥の権力闘争
一般的なドラマや映画で描かれている「大奥」は美しい女たちが将軍の寵愛を争い、世継ぎを産むために奔走している物語が定番です。
本作はそれを女将軍に仕えてその寵愛を争う男たちの物語へと変換されています。
美しさを武器にのし上がろうとするもの、将軍ではなく上役の権力者に取り入って自分の居場所を作ろうとするもの、いわゆるBL的な展開もあり、その辺りはよしながふみさんが描いていたさまざまな描写をそのままに作りこんでいて、深い人間ドラマになっています。
”お信”との恋
水野には、大奥に入る前に淡い想いを交わした恋人がいました。
信(堀北真希)というその少女は水野によく尽くしてくれた気立ての良い娘でしたが、彼女は有名な薬種問屋の大店の跡取り娘で、水野は身分違いだと自分で身を引き、別れを告げて大奥に入ったのです。
しかし、自分の命が消えようとしている夜に呟いたその「おのぶ」と言う名前が彼の運命を変えました。
吉宗の幼名もまた「のぶ」だったのです。
水野に愛する娘がいること、そしてその名前が自分と同じだと知った吉宗は大奥の理不尽な決まりを飛び越えて水野を助け、そして奇跡が起きました。
映画『大奥』を見終わった感想
凛々しい女将軍と、洒脱な若者のビジュアルを柴咲コウさんと二宮和也さんが素敵に演じており、作品を知る人にも、そうでない人にも楽しめる美学がたっぷりつまった時代劇作品です。
近年ではなかなかここまでの豪華な衣装や調度を揃えた時代劇を作るのは難しいので、そうした世界を楽しむのも一興です。
町娘と侍の息子の淡い恋や、義務として閨を共にせざるを得ない将軍の姿など、当時の様式美をきちんと踏襲していて、今となってはそんな描写が新鮮かもしれません。
堀北真希さんのヒロインぶりがとてもチャーミングでした。
映画『大奥』で印象に残った名言
私が映画『大奥』を見て特に印象に残った名言です。
「徳川吉宗(柴咲コウ)」のセリフ
「いまわの際の人間の頼み事ひとつ聞けなんだで何が将軍ぞ!」
映画『大奥』の評価や口コミ
他の方が映画『大奥』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
ドラマ『大奥』、駆け足で物足りない部分もありつつ、原作を補完するようなオリジナルの台詞もあったり、映画『大奥』での二宮和也の演技ってすごかったんだな、という振り返りもあり、様々な方向から楽しめました。
— いま (@ima_masato) April 15, 2023
JCOMチャンネルで映画『大奥』やってる。一回劇場で観てるけど改めて観るとこっちはこっちで凄いキャスト陣だな。ニノの江戸っ子ぶりがいい。杉下役は阿部サダヲさんだったのね #大奥
— T_kaori (@Tkaori3) March 19, 2023
jCOMで放送してた映画大奥観た、めっちゃ面白かった。
首をはねられたらどうしようかと思ったけど、いい終わり方だった。
原作も面白いんだろうな~。— ねこぜ (@nekoze_0420) March 20, 2023
おわりに
私が映画『大奥』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『罪の声』です。
昔、日本を震撼させた企業テロの脅迫電話の声が、幼いころの自分のものではないか、と気づいてしまった男と、その真実を追った記者の物語で、ミステリー好き必見の映画です!