香川県にお住いの56歳女性(医療系:看護師)が2022年9月頃に「紙の本」で読んだ小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』のレビューをご紹介します。
小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』を読もうと思ったきっかけ
作者の知念実希望人さんの作品が好きであったこと、そして特に「天久鷹央の事件カルテ」シリーズの大ファンであったことから、出版が予定されている時点でぜったいに購入して読もうと思っていました。
表紙の挿絵の可愛らしさや、文庫本として発売されており、値段が手ごろであるという点も、読もうと思ったきっかけの一つです。
またメインキャラクターの3人のやりとりが軽快で面白く、読むとパワーがもらえる、元気になれるというのも購入した理由でした。
小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』の内容
心臓を移植するために東京から新横浜へと向かっていたコーディネーターが襲われ、大切な心臓を奪われてしまいます。
同じような事件が自分たちの働く病院でも発生したため、おなじみのメンバー、天久鷹央、小鳥遊優(たかなしゆう)、鴻ノ池舞らは事件の捜査へと乗り出します。
しかし、彼らをあざわらうように、次々と新たな臓器が盗まれていき・・・・。
知念実希望人作の大人気シリーズである「天久鷹央の事件カルテ」のシリーズ最新作です。
小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』の作品情報
作品情報
- 出版社:新潮社
- 著者:知念実希人
- 定価:本体630円+税
- 発行年月:2022年09月01日
- ページ数:320ページ
- ISBN:978-4-10-180246-6
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.shinchosha.co.jp/book/180246/
小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』のあらすじ
東京から新横浜へと向かう新幹線、移植のための心臓を運んでいたコーディネーターが襲撃され、臓器が奪われた。さらに、同様の事件が天医会総合病院でも発生する。心臓、肺、肝臓、腎臓。生命のリレーの最中、踏みにじられる死者たちの遺志。いったい誰が、何の目的で? 天久鷹央は真相解明に乗り出すが、その動機は思いもよらぬものだった……。現役医師が描く本格医療ミステリ!
小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』の読みどころは大きく3つです。
この小説の読みどころ
- 天久鷹央、小鳥遊優(たかなしゆう)、鴻ノ池舞らメインキャラクターのコミカルなやりとり
- 予想の斜め上をいく、作者お得意の大どんでん返し
- 読みやすくてわかりやすい文章と緻密な構成
天久鷹央、小鳥遊優(たかなしゆう)、鴻ノ池舞らメインキャラクターのコミカルなやりとり
天久鷹央は横柄で口は悪いのですが、頭脳明晰で本当は心優しい面も持ち合わせています。
そんな鷹央にふりまわされ、あごでこきつかわれる小鳥遊優(たかなし ゆう)と、そんなふたりをちゃかしつつ面白がる鴻ノ池舞。
この3人の強烈な個性が絶妙な化学反応を起こして、読者を大笑いさせてくれます。
このキャラクターの魅力が、このシリーズの最大の魅力であると言っても過言ではありません。
毎回、お約束のこのやり取りが始まるたびにわくわくしてしまいます。
予想の斜め上をいく、作者お得意の大どんでん返し
知念実希望人さんのミステリーは、いつも予測をはるかにこえる大どんでん返しで、読者の度肝をぬくことで有名ですが、今回も例外ではありません。
いったん、解決されたかのように思えた事件にはさらに裏があるという展開で、まったくノーマークだった人物が最後に犯人としてあぶりだされる展開はさすがです。
幾重にも張りめぐらされた伏線の回収と、怒涛の解決シーンは「お見事」の一言に尽きます。
どうぞ、作者との知恵比べを思う存分楽しんでください。
読みやすくてわかりやすい文章と緻密な構成
このようにとても緻密で上質なミステリーであるにもかかわらず、とても読みやすくて理解しやすいというのも知念実希望人さんの魅力の一つだと思います。
一つ一つの説明がわかりやすく、子供に説明するかのように端的かつ明確に語られるので、難解な内容であっても、すんなりと理解することができます。
随所にメインキャラクターたちのおとぼけ発言やドタバタ喜劇を挟み込んで、小休止させてくれるのもありがたいですよね。
とても読みやすい作品だと思います。
小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』を読み終わった感想
ありきたりの感想ではありますが、やはり面白い作品です。
しかも重厚なミステリーなのに、読後感がすごくいい点も好きな理由の一つです。
私はいわゆる「イヤミス」という読後感のあまりよくないミステリーは苦手なので、読むことで元気になれるこのシリーズがお気に入りです。
最新作が出たばかりなのですが、もう次の作品が読みたくて仕方ありません。
できれば、ドラマ化や映画化などもしてほしい作品です。
私的な感想にはなりますが、主人公の天久鷹央は、私の中では橋本環奈さん主演のイメージですね。
小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』で印象に残った名言
私が小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』を読んで特に印象に残った名言です。
「天久鷹央」のセリフ
きっと何十人、もしかしたら何百人もの人間を救うことができたんだ。それもすべて、彼女の崇高な遺志のおかげだ。
小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』の評価や口コミ
他の方が小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
天久鷹央の事件カルテ
生命の略奪者
本日、読了。このシリーズとても展開が面白くて引き込まれてしまいます。
鷹央先生と小鳥遊先生と鴻ノ池先生の3人が、組むとどんな事件も解決できる!
すごいですね。 pic.twitter.com/o9Jy82m9TK— プリン (@fonkun0801) September 13, 2022
知念実希人『生命の略奪者-天久鷹央の事件カルテ‐』(
新潮文庫nex)読了。
移植用の臓器が連続して強奪される事件が発生。誰が、何のために?思いもよらぬ動機。鷹央の頭脳で解決したかと思えば、まさかの続きがあった!トリオの掛け合いとコンビネーションが最高。面白かった。 pic.twitter.com/FeJS3ZLffu— 冬鬼 (@fuyukikaede) September 6, 2022
発売日に買ったのに
読めずにいた『生命の略奪者』
読み終わったー
毎回、さすがです。もうこのコンビが大好き過ぎて
次回作も楽しみにしています。
ありがとうございます。 pic.twitter.com/k0VO9DfQLW— 木村加奈子 (@kimkana_akita) September 14, 2022
おわりに
私が小説『生命の略奪者ー天久鷹央の事件カルテー』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。