東京都にお住いの49歳女性(主婦)が2022年10月頃に「地上波」で見た映画『容疑者Xの献身』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『容疑者Xの献身』を見ようと思ったきっかけ
もともと連続ドラマでガリレオを観ており、とても好きだったので、観たいと思いました。
今回はガリレオの映画最新作が出るということで、まとめて1・2・特別編ドラマと全部を一気見していたので、その流れの締めくくりとして、本腰を入れて観ました。
ガリレオシリーズは、物理を使った謎解きだけでなく、せつない心の動きも楽しめる東野圭吾作品なので、演技派の俳優陣が出演することが多く、見ごたえがありお気に入りです。
公開当初に見たことがありましたが、もう覚えておらず、わたしの見る目も変わっていると思われたので、もう一度違った意味で楽しめそうだと思いました。
映画『容疑者Xの献身』の内容
ガリレオ作品は、天才物理学者湯川学先生が、物理の知識を使って謎を解くシリーズです。
河原で発見された身元不明の焼死体の捜査に加わった湯川先生は、身元をたどるうちに、大学時代の親友でありながら数学の天才、石神が事件に絡んでいたと気づきます。
石神は、その才能を活かすこともなく、現在高校の数学教師をしていました。
みじめで生きがいのない生活をしている石神のアパートのとなりの部屋へ、愛情にあふれた母娘が引っ越してきます。
ある日その2人が、たちの悪い全夫をあやまって殺してしまったことに気づいた石神は、天才的な頭脳を活かして2人を守ろうとするのでした。
2重3重4重とトラップをしかける石神の作戦と、湯川先生の推理をめぐる、頭脳戦です!
映画『容疑者Xの献身』の作品情報
作品情報
- 監督:西谷弘
- 脚本:福田靖
- 原作:東野圭吾
- キャスト/出演者:
- 福山雅治
- 柴咲コウ
- 北村一輝
- 渡辺いっけい
- 品川祐
- 真矢みき
- 松雪泰子
- 堤真一
- 主題歌:KOH+「最愛」
- 日本公開日:2008年10月4日
- 上映時間:128分
- 公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/b_hp/galileox-kenshin/
映画『容疑者Xの献身』のあらすじ
男性の惨殺死体が発見される。身元は無職の富樫慎二と判明。そこで貝塚北署の刑事・内海は捜査に乗り出し、被害者の元妻・花岡靖子へ聞き込みに当たる。そんな中、靖子の隣人である高校数学教師・石神哲哉が「ガリレオ」こと湯川と同じ帝都大出身だと知った内海は、さっそく湯川へ相談を持ちかける。
映画『容疑者Xの献身』の予告編
映画『容疑者Xの献身』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『容疑者Xの献身』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 何重にも裏をかく、石神のトリック
- 石神を演じる堤真一の、演技力
- 石神が2人を守ろうとした、切なすぎる理由
何重にも裏をかく、石神のトリック
東野圭吾作品は、裏をかくストーリー展開が見どころのひとつですが、ガリレオシリーズ、特に「容疑者Xの献身」では、天才と天才の頭脳戦のため、その魅力がピークとなります。
石神は、2人を守るために遺体を処分します。
ですが、ほどなく元夫の身元が割れ、母娘にも捜査の手が及びますが、なぜか警察が聞いてくるのは、事件の次の日のことばかり。
不思議に思いながらも、石神の言うとおりにアリバイを作ってある次の日の話をするのでした。
実際に、河原で見つかった遺体は、次の日に焼かれたものでした。
これは、素直な母娘には警察に対して嘘をつき続けられないだろうと読んだ石神が、嘘をつかなくてもいいように、別の日に殺された違う遺体をもう一体用意し、警察をミスリードしたものだったのです。
見事なまでに裏をかき続ける石神の頭脳に驚かされ続けます。
石神を演じる堤真一の、演技力
この作品の中で石神は、引っ越してきた母娘の母親に恋心を抱きます。
石神は、今までの人生で数学にしか興味がなく、身だしなみに気を使うこともありませんでした。
髪はぼさぼさ、服も数年使ったような古ぼけたものを着込み、それを気にしている風でもありません。
久しぶりに親友に会った湯川先生だけは、そのことに気づきます。
石神は、突然旧友に会いに部屋に訪れた湯川先生と、盛り上がって一晩楽しく過ごしますが、次の日、見た目のととのった湯川先生を見て、「君はいつまでも若々しいな。」とポツリとこぼします。
この作品の中で、石神はほとんど表情を変えることがありません。
湯川先生と数学の問題を解きながら少し嬉しそうにするだけで、ラストシーンまではずっと暗い顔を見せたままです。
その中で、的確に石神の気持ちを伝え、まるでのりうつったかのような存在感の堤真一さんの演技力が光ります。
石神が2人を守ろうとした、切なすぎる理由
石神にとっても、母娘の殺人を隠すことには、大きなリスクがありました。
自分も大きな罪を犯してしまい、バレれば逮捕は免れません。
最終的に2人を守りきり、自分が捕まるように計画を立てた石神ですが、作中、「石神は、なぜここまでするのだろう?」という疑問が、やんわりと残されたままとなります。
ラストでは石神の犯罪がばれ、逮捕されますが、湯川先生に対しても、石神の口からその理由が語られることはありませんでした。
作品ではラストシーンに、石神の記憶として回想シーンのように伝えられます。
その時、石神は自分の人生に希望を失い、自身の部屋で首を吊ろうとしていたのでした。
いままさにという時、引っ越しをしてきた母娘があいさつに訪れ、引き留められたのでした。
その後、彼にとって生きがいをくれるのは、その母娘2人だったのでした。
最後まで誰にも語られないその理由があまりにもせつなく、感動必須です。
映画『容疑者Xの献身』を見終わった感想
本当に面白かったです。ドラマからの映画で、こんなに満足できるものがあるだろうかと思うほどです。
この作品が素晴らしいのは、質の高いミステリーと心情のドラマを、しっかりと両方とも組み込んでいるところだと思います。
ガリレオは、もともと心情ドラマというよりは、ミステリーとエンターテイメント性の高い連続ドラマです。
その要素もしっかりと維持しながら、心の内側をえぐるようなストーリーを展開するのが、さすが東野圭吾作品だと思ってしまいます。
わたしは、東野圭吾作品は大好きですが、中でも一番秀逸と言えると思います。
映画『容疑者Xの献身』で印象に残った名言
私が映画『容疑者Xの献身』を見て特に印象に残った名言です。
「石神哲哉」のセリフ
「いやあ、美しい!今の僕の人生は充実している!この景色を見て、美しいと感じることができる。」
映画『容疑者Xの献身』の評価や口コミ
他の方が映画『容疑者Xの献身』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
容疑者Xの献身の原作の「人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある。」って言葉があまりにも美しくて刺さりすぎて何故映画にない…って思ってたけど言葉に出さないだけでちゃんと堤真一の石神の中にあるんだよね…#容疑者Xの献身
— saki (@saki_celeste) September 24, 2022
「誰にも解けない問題を作る(石神)のとその問題を解く(湯川)のとではどちらが難しいか」
つまり石神VS湯川のどちらが勝つかであり、解がある以上、必ず解ける問題だからそもそも誰にも解けないはずはないのだけど、それが最後にi(愛)でもって証明されるという美しさがある。#容疑者Xの献身 pic.twitter.com/31akTqUe2w
— Mia🐰 (@aaa88421046) September 25, 2022
疲れた脳みそで容疑者Xの献身を流し見しているんだけどそれでもガツンとくる映画だよね(なんで今観てるんだ)
— 夢鳥(ゆめと)🕊 (@hana_shi_0_) February 24, 2023
おわりに
私が映画『容疑者Xの献身』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『ガリレオ・沈黙のパレード』です。
湯川先生と仲の良い刑事・草薙がかかわった、昔の事件とつながる殺人事件が発生。
今回は、いつもクールな草薙刑事にまつわるドラマのため、期待できます。