千葉県にお住いの40歳男性(流通・小売系:物流センターの検品担当)が2022年3月頃に「ザ・シネマ HD」で見た映画『グッドナイト&グッドラック』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『グッドナイト&グッドラック』を見ようと思ったきっかけ
フェイクニュースや炎上といったキーワードが飛び交う今の時代、報道の在り方が1から問われていることに前々から関心があったからです。
そんな時に出会ったのがこの映画、巨大な権力と言論コントロールに立ち向かっていったひとりの男の生きざまが描かれています。
あのジョージ・クルーニーが「子どもの頃からの僕にとってのヒーロー」だと公言しているだけに、果たしていったいどんな人物なのか。
実在するジャーナリストを主人公にしているだけに、ヒューマンドラマとしても見応えがありそうです。
映画『グッドナイト&グッドラック』の内容
1935年にCBSに入局したエドワード・R・マローは、ラジオパーソナリティーとしてそのキャリアをスタートしました。
戦後になるとメディアの中心はテレビへと移行、エドは「シー・イット・ナウ」という看板番組で報道に携わります。
アパルトヘイト、労働者からの搾取、FBI疑惑... その中でも多くのアメリカ国民の記憶に鮮明に焼き付いているのが、マッカーシー議員との対決。
あの歴史的な瞬間にカメラが捉えたものとは、そして彼が心から視聴者に訴えたかったこととは?
映画『グッドナイト&グッドラック』の作品情報
作品情報
- 監督:ジョージ・クルーニー
- 脚本:ジョージ・クルーニー/グラント・ヘスロヴ
- 製作:グラント・ヘスロヴ
- キャスト/出演者:
- デヴィッド・ストラザーン
- ジョージ・クルーニー
- ロバート・ダウニー・Jr
- パトリシア・クラークソン
- レイ・ワイズ
- 主題歌:‐
- 日本公開日:2006年5月13日
- 上映時間:93分
- 公式サイト:‐
映画『グッドナイト&グッドラック』のあらすじ
"赤狩り"の猛威が吹き荒れた1950年代を舞台に、危機に瀕した自由を守るため、時の権力に敢然と立ち向かったキャスター、エド・マローと番組スタッフたちの姿を描いたジョージ・クルーニー監督作。1953年、米ソの冷戦が激しさを増す中、アメリカ国内ではマッカーシー上院議員を旗頭に、国内の共産主義者の徹底した排除活動が行なわれていた。その標的は、いまや政府に少しでも楯突く者すべてに及んでいた。一般の市民はおろか、マスコミさえもが恐怖の前に沈黙してしまう。そんな中、CBSの人気キャスター、エド・マローとプロデューサーのフレッド・フレンドリーはある重大な決断をする。
映画『グッドナイト&グッドラック』の予告編
映画『グッドナイト&グッドラック』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『グッドナイト&グッドラック』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 自由の国に課せられた不自由
- 超高層ビル群の谷間にドラマが
- 名シーンに散りばめられた名曲の数々
自由の国に課せられた不自由
第2次世界大戦に参戦して連合国側を勝利へと導いて、名実ともに世界一の超大国となった数年後のアメリカが舞台になっています。
経済成長も著しく国民ひとりひとりの暮らしも豊かになっていく中でも、少しずつ人々が息苦しさを感じていることは否めません。
その背景にあるのはソ連との深刻な対立、軍隊による武力衝突ではなく双方の諜報機関によって繰り広げられていく冷戦です。
敵だけでなく仲間や家族までを疑い、密告が密告を呼ぶあの時代の空気感を噛みしめてください。
超高層ビル群の谷間にドラマが
映画の序盤で背景にそびえ立つのは自由の女神、まさにアメリカのシンボルでもあります。
マローの勤め先であるCBS本社があるのはニューヨーク5番街、オードリー・ヘップバーン主演の名画「ティファニーで朝食を」はここで撮影されました。
更にはエンパイア・ステート・ビルも登場、こちらは怪獣映画「キングコング」で有名です。
1970年にワールドトレードセンターに抜かれるまでは、世界でもっとも高かったというこのビル。
現代に生きる我々はツインタワーが倒壊する運命にあることを知っているだけに、複雑な心境になってしまうのではないでしょうか。
名シーンに散りばめられた名曲の数々
全編を通して1950年代のスタンダードナンバが使われていて、時に静かに時にはエモーショナルに盛り上げてくれます。
オープニングのパーティーのシーンで流れているのは「恋に落ちた時」、サックス奏者のマット・キャティングブとピアニストのピーター・マーティンとのコラボはジャズ好きには堪りません。
エンドロールとともにジャズ・ボーカルの女王、ダイアン・リーヴスが「ワン・フォー・マイ・ベイビー」を熱唱します。
「ごく短いエピソードの終わり」という歌詞からは、名残惜しさが湧いてきますよ。
映画『グッドナイト&グッドラック』を見終わった感想
本作品が日本で公開されたのは2006年、モノクロームで映し出されていくので当時にタイムスリップしたかのようなリアリティーが伝わってきました。
主人公エドを演じているデヴィッド・ストラザーンのクールで知的な横顔に魅せられつつ、相棒フレッド役のジョージ・クルーニーの存在感も流石です。
1958年から不定期で開催されているという「エド・マローをたたえる会」、いま現在でもマスコミ界に彼の想いが息づいていることは間違いありません。
映画『グッドナイト&グッドラック』で印象に残った名言
私が映画『グッドナイト&グッドラック』を見て特に印象に残った名言です。
「エドワード・マロー」のセリフ
歴史は自分の手で築くもの
映画『グッドナイト&グッドラック』の評価や口コミ
他の方が映画『グッドナイト&グッドラック』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
NHKで2度見逃した『グッドナイト・グッドラック』をやっと観れた。DVDで。ジョージ・クルーニーは制作側でも素晴らしいな。
— ヒメゴンベ (@cirrhitichthys) May 1, 2011
ジョージー・クルーニー監督『グッドナイト・グッドラック』観賞。大部分が社内のシーンに費やされ、最初はとても淡泊に映ったが、それで逆に焦点がはっきりした感があったな。
— さくりん (@Sakku_up) January 12, 2011
グッドナイト・グッドラック、いい映画だった。赤狩りと戦ったジャーナリストの話。当時の映像多用した地味で渋い作りが、主張を声高にせず、素直にみられる。クルーニーやるなあ。#映画鑑賞
— いぬずき (@yabuinu5) November 13, 2011
おわりに
私が映画『グッドナイト&グッドラック』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『スキャンダル』です。
「グッドナイト&グッドラック」とは対照的に、男社会のテレビ局で女性キャスターが反旗を翻していく展開がとても楽しみです!