宮城県にお住まいの51歳の女性(サービス系:パート)が2023年12月頃に「紙の本」で読んだ小説『いけない』のレビューをご紹介いたします。
小説に対する感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説していますので、小説を読む前に面白さを知りたい方、評価や口コミが気になる方は参考にしてください。
目次
小説『いけない』を読もうと思ったきっかけ
テレビ番組の中で、芸能人が好きな本やおすすめの本を紹介するコーナーを偶然見ていました。
その中で紹介されていた道尾秀介さんの著書「いけない」は、新しいミステリー小説の形だと絶賛されていたのを見たことから、読んでみようかなと思いました。
インターネットで調べると、この本は非常に売れている状態で、多くのまとめ記事が見られました。
さらに、「いけないⅡ」も販売されていたので、どれだけ面白いのかとても気になりました。
その結果、購入を決めました。
小説『いけない』の内容
大きくくくると、ミステリー小説です。
短編小説のように第四章まで区切られており、章ごとに主人公が変わります。
この小説の特徴として、物語の始まりと終わりに地図や挿絵が存在します。
この一枚がミステリーの謎解きのヒントとなっています。
初見では、多分意味が全く分からないでしょうが、一度読み終えてから地図やイラストを見返すと、さらっと読み過ごした自分を責めることになるでしょう。
二度読み必須と書かれた帯に嘘はありません。
私自身も二度読みしてようやく謎が解けました。
作品情報
- 著者:道尾 秀介
- ISBN:9784065334546
- 出版社:講談社
- 判型:四六判
- ページ数:312ページ
- 定価:1600円(本体)
- 発売予定日:2023年11月22日
- 公式サイト:http://bookclub.kodansha.co.jp/book?isbn=9784065334546
小説『いけない』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説しようと思う小説『いけない』の読みどころは、大きく3つあります。
この小説の読みどころ
- 重大なヒントの写真や絵をじっくり見ること
- 全ての章が繋がっていることを把握すること
- その後をイメージしないこと
重大なヒントの写真や絵をじっくり見ること
小説を読み始める際、真っ先に目につくのは地図が描かれています。
初めはその意味が分からなくても、1章の中で誰が死んだのかが分かる重大なヒントが隠されています。
どの事故が不慮の事故なのか、殺人なのか、それを解き明かしながらラストまで進めていくのです。
何人もの人が次々と死んでいきますが、犯人は必ずしも同一ではありません。
しかし彼らは一見、殺人犯の面影を持っていないのです。
その違和感を意識しながら読み進めていただきたいです。
全ての章が繋がっていることを把握すること
この物語では、1章では保育士の夫婦が主人公で、2章では拘が主人公、3章では教祖が主人公となります。
一見バラバラな事件のように感じられますが、そのどこかには誰かとのつながりが存在します。
最終章では、その繋がりが悲しみや感動となって明らかになります。
私自身も、短編小説を読んでいるかのような気分で読み進め、ラストで一瞬パニックに陥り、挿絵を見直し、再度読み直すことがありました。
拘の章は少し怖く、不気味な印象がありますが、彼の真実はラストで明かされるので、安心して読み進めてください。
その後をイメージしないこと
最終章では、自白を考えている二人が並んで座っています。
一人は、自分が犯した罪について、妻が一切関与していないことを手紙にしました。
その手紙を封筒に入れ、しっかりと厚みのあるものにしたのです。
そして、何度も犯すべきでない過ちを繰り返しながら、自白できない犯人。
彼もまた、自分が犯した罪を手紙にして、いつでも出せるように切手や宛名を記載していました。
その手紙の行方が、その後の二人の生活を大きく変えるのです。
小説『いけない』を読み終わった感想
全く、腑に落ちないラストでネタバレサイトを読み漁りました。
湊かなえさんの「イヤミス」を上回る嫌な感じの終わり方でしたが、彼らの人生があのままで良かったと考えることで、心が落ち着きました。
それと同時に、「手の込んだミステリー小説だな」と感じました。
多種多様な人物が登場し、様々な事件が起きるため、ミステリーのバラエティーパックのような印象が強いです。
非常に頭を使う必要があるので、元気な時にしか読めないです。
小説『いけない』で印象に残った名言
私が小説『いけない』を読んで特に印象に残った名言です。
「カー・コー」のセリフ
「安見先生ですか?」
小説『いけない』の評価や口コミ
他の方が小説『いけない』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
8名の書き手による「架空の神様」をテーマにした小説と漫画のアンソロジーZINE『アンソロジー 非実在神様』(1,300円/秘密結社きつね福)が入荷しました。
しばらく品切れしていた『夢でしかいけない街』(1,650円)も増刷版になり再入荷しています。ネットストアもぜひご利用ください。 pic.twitter.com/R47XdXEcEh
— 本屋ウニとスカッシュ(ウニスカ) (@unitosquash) November 17, 2023
れあたんの小説図書館で全部貸出中だったから予約したんだけど、100人以上待ちのもあったから気長に待ちます 「いけない」も追加しとこ
— 🍎 (@ccojq) November 18, 2023
個人的に、謎が難しすぎないのが良かったです。各話の最後に一枚の画像が出てきて、それを見れば真相が一目瞭然という明快さが面白かったですね。「ん?」となってもちょっと見返せば分かる塩梅です。正直道尾作品は暗いのが多くてちょっと苦手意識があるのですが、本作の暗さはマイルドなので同じように思っている方がいましたらおススメです。
Amazonの口コミ
ちょっと意味がよく分かりませんでした。曖昧な内容でつまらなかった。
Amazonの口コミ
軽いし読みやすく、内容も面白かったですが、ストレートに読んでしまった為、また始めから読み返しました。
Amazonの口コミ
「体験型小説」の名の通り、今まで無かった手ごたえを味わえる本でした。読み終わった後の爽快感が高く、何か新しく、さっと読める物を探している方におススメです。
Amazonの口コミ
大変迅速丁寧な対応で受け取った商品にも満足しています
Amazonの口コミ
みなさんの小説を読んだ感想が面白いですね!
終わりに
私が小説『いけない』について、感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してまいりました。
「面白い」と感じられた方は、ぜひ読んでみてください。
次に取り組む予定の小説は『からゆきさん』です。
朝鮮戦争時代から明治時代にかけて、日本で実際に起きた出来事です。
親が子供を売り、売られた子供はお墓にも入れないという、売られていった少女たちの話です。