埼玉県にお住いの55歳女性(サービス系:給仕)が2022年11月頃に「Amazon Prime Video」で見た映画『検察側の罪人』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『検察側の罪人』を見ようと思ったきっかけ
木村拓哉さんの新しい映画「THE LEGEND & BUTTERFLY」のプロモーションを見て、それ以前で一番好きなキムタクの映画を観たくなったからです。
原田眞人監督が描く検察官としてのキムタクはとてもクールでダンディでしたが、彼がその過去のトラウマをこじ開けてしまったことから闇落ちしていく様子が忘れられず、定期的に見返しています。
原田監督の男臭い作品のなかでも、特に独特な世界観で、原作からイメージをおおきく膨らめた最上検事の存在感が素晴らしいです。
映画『検察側の罪人』の内容
東京地検に勤務する最上検事(木村拓哉)のもとに若手の沖野検事(二宮和也)が転属してきました。
沖野は最上の教官時代の教え子で、実務に長けたクレバーな男だったのです。
二人はその直後に発生したとある工場を経営していた老夫婦の殺人事件を担当することになりましたが、その容疑者の名前を見て、最上は顔色を変えました。
その初老の男、松倉(酒向芳)は、かつて最上が学生時代に暮らしていた下宿の管理人の娘・由季が殺されたときに容疑者として名前が挙がった人物だったのです。
しかし、証拠不十分で釈放され、罪を問うことはできませんでした。
今回の事件の取り調べの中で、沖野がその過去の経歴を問うと、時効を迎えていたこともあり、松倉は由季の事件のことを自白します。
その会話を聞いて、最上の中に検事としては抱いてはいけないどす黒い復讐心が沸き上がるのを、彼は止めることができませんでした…。
映画『検察側の罪人』の作品情報
作品情報
- 監督:原田眞人
- 脚本:原田眞人
- 原作:雫井脩介『検察側の罪人』
- キャスト/出演者:
- 木村拓哉
- 二宮和也
- 吉高由里子
- 平岳大
- 大倉孝二
- 八嶋智人
- 音尾琢真
- 大場泰正
- 谷田歩
- 酒向芳
- 矢島健一
- キムラ緑子
- 芦名星
- 山崎紘菜
- 松重豊
- 山﨑努
- 主題歌:‐
- 日本公開日:2018年8月24日
- 上映時間:123分
- 公式サイト:-
映画『検察側の罪人』のあらすじ
東京地検刑事部のエリート検事・最上のもとに、彼に心酔する若手検事・沖野が配属されてくる。さっそく2人で都内で発生した老夫婦殺人事件を担当することに。すると最上は、被疑者の1人である松倉という男に激しく反応する。松倉はすでに時効を迎えている未解決殺人事件の重要参考人だった。最上は今回の事件も松倉の犯行と確信し、なんとしても松倉を有罪にしなければならないとの強い思いにとらわれていく。
映画『検察側の罪人』の予告編
映画『検察側の罪人』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『検察側の罪人』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 最上と沖野の関係性
- 多彩なバイプレーヤーの暗躍
- 最上の求める正義の行方
最上と沖野の関係性
物語の冒頭で登場するのは教官としての最上と、それに影響をうけている沖野の姿でした。
圧倒的に違う二人の立ち位置でしたが、その後沖野が東京地検に転勤してくることで、先輩後輩の二人は”同僚”の立場になります。
しかし、松倉を取り調べることになってから、最上はその裏側で由季が殺された私怨をどうしても振り払うことができず、彼を陥れるために暗躍することになります。
沖野はその変化をかぎ取り、最上の暴走を食い止めようとしますが、返り討ちに遭い、検察を追われてしまいました。
しかし、立場を変えて、彼は最上と対峙することになっていくのです。
多彩なバイプレーヤーの暗躍
容疑者として登場する松倉を演じていたのは酒向芳さん。
背が高く手足が長い彼がゆらりと動くだけで画面に独特の空気が流れる、まさに”怪人”とも言うべき名演技でした。
そしてまた凄まじい異彩を放っていたのは裏社会のブローカー・諏訪部を演じた松重豊さんでした。
諏訪部は事件の取り調べを担当したことから最上と知り合い、なぜか彼に懐いてしまうのです。
正反対の生き方をしていた二人ですが、諏訪部は父親が最上の祖父と同じインパールの戦場にいたことを知り、そんな話をすることが楽しみになって、最上に手助けをしてくれるようになったのです。
そして、最上が犯した最大の暴走の裏で暗躍していたのも諏訪部でした。
そこにいた松重豊さんは、これまでに見たことのない凄みのある眼光とセリフ回しでしたが、オーラを抑えて「最上のためにそこにいる」という徹底ぶりだったのです。
最上の求める正義の行方
検察官として、法律で多くの人を裁いてきた最上でしたが、過去に因縁のあった松倉を見て、その心のうちに沸き上がる黒い復讐心を抑えることがどうしてもできませんでした。
そして松倉が由季を手にかけていたことがはっきりしたときに、最上の心のタガは吹き飛び、最悪の暴走を始めてしまうのです。
それは間違いなく”犯罪”でした。しかし、最上は躊躇せず、諏訪部の助けを借りてその思いを最後まで遂げてしまったのです。
しかしそんな彼が、検察官として法律の壁に弾き飛ばされそうになっていた若い女性検事の背中を励ますように叩くシーンがありました。
そこにいたのは、真っ当な検事として生きる最上でした。
その二面性を見事に演じた木村拓哉さんの表情は是非見届けていただきたいですね。
映画『検察側の罪人』を見終わった感想
アラフィフのクールな検事。しかし家庭は崩壊していて妻と娘との関係はボロボロ…。
さらに裏の顔を見せるに至っては緻密な完全犯罪をもくろむ大悪人…という凄まじい多面性をもった最上ですが、その全てが一人の人物の中に詰まっていて、第三者的視点からすると愛すべき男にすら見えてしまいます。
かつて彼の教え子であった沖野という皮肉な状況で物語はラストを迎えますが、その結末は観る側にゆだねられてしまうのです。
決定的ではなく、どちらにも転がりそうな流れがそこには残されていました。
それはちょっとズルいな、と思いながらも毎回見終わって、最上の今の心を想ってしまうのです。
映画『検察側の罪人』で印象に残った名言
私が映画『検察側の罪人』を見て特に印象に残った名言です。
「最上毅(木村拓哉)」のセリフ
「引くな引くな引くな!」
映画『検察側の罪人』の評価や口コミ
他の方が映画『検察側の罪人』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
久しぶりの映画100本チャレンジ45本目
「検察側の罪人」
今年のGWまでに残り55本見れるかな…
それはさておき二宮君演技上手いなあ~~
キレるシーン魅入ってしまった
あとキムタクも絶妙に静かに怒るシーンとかすごいなあって思う
正義とは何か、ひたすらに追い求める緊迫映画でした pic.twitter.com/XrbUlA7qsi— 大崎にあ (@Nia_Oosaki) February 3, 2022
僕の好きな邦画Part3⑥
検察側の罪人…
都内で発生した犯人不明の殺人事件を担当することになった東京地検刑事部のエリート検事・最上と、駆け出しの検事・沖野…
法を守る正義と方を破らねば達成できない正義とはなにか…
今の時代には汚れた正義もある…
誰のための正義なのか…
考えされられる映画 pic.twitter.com/TbSHknXvso— 龍生史記 (@HQ8QahGYsveLL5Z) June 12, 2021
『検察側の罪人』観た…疲れた……すごく気力と体力を使う映画だった。凄い。凄いしか言えない。
鑑賞中は作品の中で扱われている題材にしっかり感情持っていかれたけど。
最上を演じた木村先輩も沖野を演じたにのももちろんその他の演者さんも…凄い。凄い映画だな。#Netflix#木村拓哉#二宮和也— 🌿🍇🍋Lemon🐬🐞🍃🌐🎶🌈✨ (@arashi_oen) April 21, 2021
おわりに
私が映画『検察側の罪人』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『ヘルドッグス』です。
原田眞人監督の最新作で、大切なものを奪われた元警察官の兼高(岡田准一)が復讐のために関東最大のヤクザ組織に潜入する物語です。
駆け引きやアクションが半端ないそうなので、今からドキドキです!