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映画のレビュー

【ネタバレ注意】映画『八日目の蝉』のレビュー|映画を見た感想は「子を持つ親に賛否両論の問題作」

東京都にお住いの38歳男性(流通・小売系:PC修理販売)が2023年1月頃に「Amazon Prime Video」で見た映画『八日目の蝉』のレビューをご紹介します。

映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。

この映画の見どころ

  • 森口瑤子の演技
  • 成長した薫(井上真央)の心境
  • 写真屋のシーン

映画『八日目の蝉』を見ようと思ったきっかけ

八日目の蝉というタイトルが気になったのと、ネットでレビューを見るに賛否両論が激しいものの基本的な評点は高いので見ても損はないという目算があったからです。

昔テレビドラマ(NHK)を少し見た(クライマックスらしきシーンを偶然)のでそういえばそんなドラマがあったなぁと思い出し、その映画版だというので見るモチベーションは全く見たこともない作品よりはあったのが大きいです。

花より男子、キッズ・ウォーと元気で活発な役柄を演じる機会が多い井上真央がネガティブな役をやるというのも気になりました。

映画『八日目の蝉』の内容

不倫相手の子供を身ごもった女は不倫相手の誘導で流産してしまいます。

心にぽっかり穴が開いたその女・野々宮希和子(演:永作博美)は魔が差して本妻の赤子を誘拐して逃亡生活を4年間に渡り繰り広げます。

各地を転々としつつその土地の人々に助けられ、本当の親子のような逃亡生活の過程を描く過去編とその誘拐された赤子が救出され元の家族の元に戻り、成長した姿(大学生・演:井上真央)を描写した現在編を交互に描いていくという内容です。

作品情報

  • ジャンル:サスペンス・ミステリー
  • 製作国:日本
  • 製作年:2011
  • 公開年月日:2011年4月29日
  • 上映時間:147分
  • 製作会社:「八日目の蝉」製作委員会(日活=松竹=アミューズソフトエンタテインメント=博報堂DYメディアパートナーズ=ソニー・ミュージック)
  • 配給:松竹

映画『八日目の蝉』の見どころをネタバレ覚悟で解説

私がネタバレ覚悟で解説したい映画『八日目の蝉』の見どころは大きく3つです。

この映画の見どころ

  • 森口瑤子の演技
  • 成長した薫(井上真央)の心境
  • 写真屋のシーン

森口瑤子の演技

この映画で森口瑤子さんは娘を誘拐された妻、つまり直接の被害者を演じています。

冒頭、裁判シーンで被害者としての心境を述べるシーンがあるのですが、まずここが見どころです。

自分が腹を痛めて産んだ子供を夫の不倫相手の女に奪われ、4年間を失った女性の怒りの感情を表情、口調でうまく表現していて鬼気迫る感じが出ていました。

映画に撮ってつかみというのは非常に重要なファクターです。

入り口で鑑賞側の心を掴むことに成功しているのはこの森口瑤子さんの演技によるところが大きいです。

成長した薫(井上真央)の心境

この物語で最も注目されるキャラクターは娘の薫です。

彼女は誘拐された当時、赤ん坊で物心はついていません。

そのため誘拐犯として手配されている希和子を本当の母親だと思って4歳まで育てられます。

客観的に見ると誘拐犯に育てられた可愛そうな女の子なんですが、薫の主観からすれば誘拐犯である母は誘拐犯でもなんでもなく心優しいお母さんに他ならないのです。

希和子が警察に捕まり、本当の母親の元に返されてもこちらが本当の母なんですね・・・なんて受け入れられるはずがありません。

事件は無事解決、本当のお母さんと仲良くなんてわけにもいきません、被害者である本当の母も精神が壊れていて薫に辛くあたってしまうことも珍しくないです。

そもそも自分の名前が薫ではなく、本当は恵里菜で恵里菜として生きてください言われてもまだ4歳の子供には受け入れられるはずもありません。

希和子が犯した罪で被害者家族は皆不幸になってしまいました。

不倫した夫と被害者妻はまだ離婚していないのである意味加害者と被害者が同居するようなそんなあべこべな一家なので薫はふさぎ込むようになります。

その一方で優しかった希和子ママのことについても悪く言われ、彼女の心に落とした影の部分を思うとやるせない気持ちになります。

そんな彼女が昔施設で出会った親友と再会することで狂った歯車が再度動き出します。

このときの心境の変化は見どころです。

写真屋のシーン

この映画で最大の泣き所です。

冒頭で希和子が裁判を受けていることからして、過去編のいずれかの場面で逮捕されるということは目に見えています。

もちろん彼女がそのことを悟るシーン、つまり、もうすぐ自分の娘として4年間育てた薫とのおそらくは永遠の別れを意味することを悟るシーンがあります。

彼女は何を思ったか最後に娘との親子写真を撮ることにします。

ここでは写真を撮るシーンのみが描写されます。

そして現在編に移り大人になった薫がその写真屋を訪れるシーンがクライマックスにあります。

もうここで涙腺は崩壊することでしょう。

物語最大の見所です。

映画『八日目の蝉』を見終わった感想

この映画では、主に不倫相手の本妻の赤子を誘拐して自分の娘のように育てた希和子側の描写が主です。

逆に言えば、被害者側の本妻の描写は極々少量です。

また、被害者側の本妻はあんな被害に遭ってかわいそうというより、ヒステリックになってしまった哀れという印象を鑑賞側が持つように描写されているように感じました。

なので、普通に見る限りは加害者である希和子と娘として育てた薫が引き離されるシーン、写真屋のシーンで泣くのが通常だと思われます。

しかしながら、希和子の身勝手な部分に着目すると、大手を振って感動できる作品とは言えないでしょう。

誘拐した際に魔が差したとしても、後に悔い改め本当の母親のもとに誘拐した娘を返すという選択肢もあったはずです。

しかし希和子は自分の感情を優先し、自首するということはなく、結局最後は誘拐犯人として逮捕されてしまいます。

ここの別れのシーンはそういった事情抜きに見れば純粋に泣けるシーンだとは思います。

やましいとはいえ二人の仲の親子愛は本物だったという捉え方と、そんなものは偽物の愛だと考えるその両極の間で前者寄りに捉える方はいい映画で感動するベクトルに感じるだろうし、後者の捉え方をする人にとってこの映画は下手をすれば身勝手な女の胸糞悪いストーリーと映るかもしれません。

そういった意味でこの映画は鑑賞側に激しい賛否両論を起こすある種問題作と言えると思います。

映画『八日目の蝉』で印象に残った名言

私が映画『八日目の蝉』を見て特に印象に残った名言です。

「希和子」のセリフ

その子はまだご飯を食べていません

映画『八日目の蝉』の評価や口コミ

他の方が映画『八日目の蝉』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

みなさんの映画を見た感想が面白いですね!

おわりに

私が映画『八日目の蝉』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。

次に見たいと思っている映画は『花より男子ファイナル』です。

テレビドラマで高視聴率を得た花より男子、花より男子リターンズのその後を描く完結編です。







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