大阪府にお住いの47歳男性(運輸業:事業開発)が2022年4月頃に「映画館」で見た映画『ベルファスト』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『ベルファスト』を見ようと思ったきっかけ
普通二輪の合宿免許取得中に午後から自由時間ができ、少し窮屈な時間の流れから解放されたいと思いました。
また、ケネスブラナーは俳優としても監督としても尊敬するアーティストである点と、高校卒業後に単身で渡英して、英国で4年間学生時分を過ごしたことがありました。
当時、現代史を専攻して居たこともあり、アイルランド紛争やシン・フェイン党の活動軌跡といった歴史的、政治的観点から、現地の一般庶民はどのような生活体験をしたのか映画を通じて知りたかったからです。
映画『ベルファスト』の内容
北アイルランドの首都ベルファスト、監督であるケネスブラナー自身の幼少期の実体験に基づき、映画化されました。
民族紛争(カソリックとプロテスタント)から当時、英国政府と陸軍も干渉となり、現地での紛争どころではなく、追って、ロンドンでのテロにも発展した歴史の1事実を、現地に住んでいた一般市民の生活と社会の観点から、本当の家族の在り方、本当の幸せ、地元敬愛、当時の風習、当時にしかなかった生活スタイルなどを盛り込んだ傑作映画です。
映画『ベルファスト』の作品情報
作品情報
- 監督:ケネス・ブラナー
- 脚本:ケネス・ブラナー
- 原作:-
- キャスト/出演者:
- カトリーナ・バルフ:母さん
- ジュディ・デンチ:ばあちゃん
- ジェイミー・ドーナン:父さん
- キアラン・ハインズ:じいちゃん
- コリン・モーガン:ビリー・クラントン
- ジュード・ヒル:バディ
- 主題歌:ヴァン・モリソン「Down to Joy」
- 日本公開日:2022年3月25日
- 上映時間:98分
- 公式サイト:https://belfast-movie.com/
映画『ベルファスト』のあらすじ
ベルファストで生まれ育ったバディは家族と友達に囲まれ、映画や音楽を楽しみ、充実した毎日を過ごす9歳の少年。笑顔にあふれ、たくさんの愛に包まれる日常は彼にとって完璧な世界だった。しかし、1969年8月15日、バディの穏やかな世界は突然の暴動により悪夢へと変わってしまう。プロテスタントの武装集団が、街のカトリック住民への攻撃を始めたのだ。住民すべてが顔なじみで、まるで一つの家族のようだったベルファストは、この日を境に分断されていく。暴力と隣り合わせの日々のなか、バディと家族たちは故郷を離れるか否かの決断に迫られる----。
映画『ベルファスト』の予告編
映画『ベルファスト』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『ベルファスト』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 全編モノトーンでケネスブラナーの幼少期を歴史的、社会的、政治的観点で描き通した素晴らしい作品です。
- 英国が好きな人には一度観て頂きたい、本当の北アイルランド紛争時の一般市民の生活を描いた傑作です。
- 1960年代の労働者階級の家族のリアルな当時の生活を鋭く描写した作品です。
全編モノトーンでケネスブラナーの幼少期を歴史的、社会的、政治的観点で描き通した素晴らしい作品です。
モノトーンの世界、それは白と黒で統一された描写のみが要求される撮影と表現となります。
言い換えると、「光」をどのように捉えて、登場人物一人一人の表情や、仕草や行動を描写するかが問われます。
撮影技術もさる事ながら、俳優陣においても表情の豊かさ、セリフの言い回し、そして、人の描写のみならず、その街、風景、景色全てが織りなす一つ一つの瞬間がうまくブレンドされて一つの作品へと繋がると思います。
待ちに待った調光がなされる日までの苦労など、たくさんの努力あって成し得た映像技術なのだなと痛感しました。
英国が好きな人には一度観て頂きたい、本当の北アイルランド紛争時の一般市民の生活を描いた傑作です。
グレートブリテン島で1年ないしは、数年住んでいた方々にとって、北アイルランドは特に1990年代から2000年初頭においては、近いようで非常に通い場所であったと思います。
当時は本当に血生臭い、きな臭い紛争が北アイルランドはもとより、ロンドン市内でも勃発して居たことを考えると、今回の作品では現地で、紛争の真っ只中で生活して居た労働者階級の人たちは一体どんな生活をして居たのか、非常にリアルに描写されています。
そんな歴史的な観点からも価値のある作品であると感じます。
1960年代の労働者階級の家族のリアルな当時の生活を鋭く描写した作品です。
英国、そこは行ってみないわからない世界、社会、生活が展開しています。
日本では紳士の国、スポーツ発祥の地、などと綺麗事ばかりが取り上げられている、もしくは伝えられているかと思いますが、実際は都市部でも地方都市や片田舎においては、びっくりするようなユニークな服装をした方が多いです。
そんな実際に行ってみないと垣間見れない北アイルランドの生活シーンをリアルに表現、伝えています。
当時の労働者階級の一般的な生活はどのように過ごされて居たのか、歴史を紐解いた監督に脱帽です。
映画『ベルファスト』を見終わった感想
前評判と第94回アカデミー賞にノミネートされていることぐらいしか知らずに、鑑賞をしたのですが、冒頭からの世界観、個人的には英国が好きなので港町の風景、素朴な街の描写と強いアクセントからいきなり引き込まれました。
政治的、宗教的、社会的な背景が芯にあるのはなんとなく観る前から感じて居たのですが、急に自身も60年代の北アイルランド、ベルファストに引き摺り込まれるような世界観に圧倒されたのと、主人公のバディのとても素直というか天性の演技力がこの作品に色を添えた感じがとてもしました。
映画『ベルファスト』で印象に残った名言
私が映画『ベルファスト』を見て特に印象に残った名言です。
「母さん」のセリフ
I know nothing else but Belfast.
「ばあちゃん」のセリフ
Go now, don’t look back.
映画『ベルファスト』の評価や口コミ
他の方が映画『ベルファスト』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
「ベルファスト」
映画や音楽に溢れ住民が家族のような楽しい街が宗教の違いによる暴動で街が分断されてしまう。そんな激動の時代を生きたケネスブラナー監督自身の幼少期を描いているということで感慨深いものがあった。たとえ治安が悪くてもベルファストを愛していることが強く伝わってきた。好き。 pic.twitter.com/w3TGmOS0wI— 脳内シークレット (@SecretSpacer) April 22, 2022
映画 #ベルファスト 鑑賞
紛争に巻き込まれながらも家族の愛情に恵まれた男の子。
子どもたちが遊び回り大人たちが声を掛け合う街角がとても印象的で、幸せな時間が確かに存在したことを感じさせる。
淡い恋心、年長者と悪戯、祖父母との会話。
私的でありながらあらゆる人に共通する幼き日々が輝く。 pic.twitter.com/wyDhIi9kLx— グルミット (@GenyRedWell) May 16, 2022
映画「ベルファスト」を鑑賞。心暖まるだけでなく、暴力的な場面がバランス良く整えられている。主人公が映画好きで、共感できた。#ベルファスト #ケネスブラナー pic.twitter.com/4g5KtHUp4y
— 三宅輝明 (@terrymiyake78) April 14, 2022
映画『ベルファスト』を見ようと思ったきっかけについての口コミ
ほかにも当メディアで独自に取得したアンケートから、映画『ベルファスト』を見ようと思ったきっかけをご紹介します。
英国の俳優ケネス・ブラナーが監督した、ご自身の北アイルランド・ベルファスト(英国の一部です)で過ごした幼少期をテーマにした自伝映画です。以前、アイルランドのことを勉強していて、監督・脚本・制作のケネス・ブラナー(英国の演劇学校を優秀な成績で卒業した、シェイクスピア作品からハリウッド作品まで様々な作品で活躍する俳優です)によるで作品ということで、当時のベルファストの様子に興味があり、映画館で鑑賞しました。
映画『ベルファスト』の見どころについての口コミ
ほかにも当メディアで独自に取得したアンケートから、映画『ベルファスト』の見どころをご紹介します。
故郷か新天地か、あなたならどちらを選びますか?
40歳女性
主人公・バディの両親はベルファストで生まれ育った美男美女のカップルですが、大工の父親は収入を回収の見込みのない投資に使い込み、借金を作り、その返済は母親を疲れさせてしまいます。一家の住む地区でも日常的に焼き打ちや小競り合いが起こる不安定な情勢も手伝って、二人の関係はどんどん険悪になっていきます。ある日、父親がカナダやオーストラリアへの移住話を持って帰ります。明日をも知れないベルファストの暮らしを捨て、新天地で一山当てたい父親と、彼と出会い家族を作り暮らしてきた故郷を離れたくない母親。バディは口論する両親を見ながら不穏な日々を過ごします。
優しいじいちゃんばあちゃん、友だち、両思いぽい同じクラスのコ。さようならベルファスト。
40歳女性
9歳のバディの暮らす地域はとても小さく、みんな家族のような関係です。通りに出ればすぐに友だちと会えます。小学校が終わると、近所に住むじいちゃん、ばあちゃんのところでおやつを食べながら両親の迎えを待つバディ。クラスの気になる女の子と、たぶん両思いなんだ、なんていう相談も聞いてくれます。両親の最近のケンカのタネであるベルファストからの移住を選ぶことは、家族、友だち、気になるあの子とのお別れを意味します。もしかすると二度と会えないかもしれない別離は、コロナ禍下の現代を生きる我々とも無関係ではありません。
未来を選んだ家族、ふり向かず行かなければならない
40歳女性
日に日に激化する紛争や、最期まで明るかったじいちゃんの病死をきっかけに、バディとその家族はついに、ブリテン島への移住を決断します。アイルランド(ベルファスト含む北アイルランドは英国の一部ですが、かつてアイルランドの一部でした)では戦乱と食糧難のため、多くの人々が北米などへ移民してきた長い歴史があります。一家もこの流れに乗るわけですが、一度祖国を離れると二度と戻れない、といった伝統的な価値観があります。家を処分して親戚とのお別れパーティーを開き、出立の準備をするバディとその家族。彼らの船出も、やはりそういった意味合いがあります。
映画『ベルファスト』を見終わった感想についての口コミ
ほかにも当メディアで独自に取得したアンケートから、映画『ベルファスト』を見終わった感想をご紹介します。
映画『ベルファスト』を見終わった感想
40歳女性
主人公バディとその一家のように、アイルランド系の人々は、個人の力ではどうしようもない事情で国を捨てる選択をしてきました。現代の日本では国を捨てて移民する、ということは起こりづらいとは思いますが、コロナ禍やウクライナでの戦争を経験した私たちにとって、この映画はある部分での共感を持たざるを得ない作品だと感じます。バディとその一家が故郷の思い出だけ持って、前向きに新天地を目指す選択をしたことは、私たちに希望を与えてくれる結末だったと思いますし、実際に監督のブラナーはブリテン島に渡り、後に俳優として大成します。生きることは選択の連続ですが、ポジティブに未来を選び取ってサバイブしていこう、と思わせてくれる作品でした。
おわりに
私が映画『ベルファスト』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『ジョーカー2』です。
内容は全く触れて居ませんが、ホアキン・フェニックスはジョーカーとカモンカモンなど好きな作品なので、見るのが楽しみです。
ほかに見たいと思っている映画は『ZAPPA』です。
伝説の音楽家フランク・ザッパの生涯と膨大な作品をまとめた伝記的映画も面白そうです。
映画『ベルファスト』を見ようと思ったきっかけ
40歳女性