京都府にお住いの33歳女性(無職:クラウドワーカー)が2022年6月頃に「映画館」で見た映画『犬王』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『犬王』を見ようと思ったきっかけ
能の成立や平家物語を主題とし、野木亜希子さん脚本だと知り、古典芸能ファンかつドラマ「アンナチュラル」ファンの私にはたまらない作品かもしれないと思ったからです。
また、森山未來さんのファンでもあるので、必ず時間を見つけて見に行こうと思っていました。
公開後、周囲の評判もよく、見に行った友達から「絶対に映画館で見た方がいい」と背中を押され、見に行きました。
結果、映画館に通うことになり、無発声応援上映にも参加しました。
映画『犬王』の内容
能というひとつの芸能の成立過程、時の権力者と芸能の関係性、平家への鎮魂が非常にコンパクトにまとめられています。
また、芸を極めたいという欲望や、若者の生み出す新たな芸の隆盛もよく描かれています。
犬王と友有の二人が深い絆で結ばれていく様が見られるので、二人の友情物語として見ることも可能です。
ミュージカル映画でもあり、犬王役の女王蜂アヴちゃんの圧巻のパフォーマンスと、琵琶の音が非常に印象深く残る映画です。
作品情報
- ジャンル:ミュージカル 時代劇
- 製作国:日本
- 製作年:2021
- 公開年月日:2022年5月28日
- 上映時間:98分
- 製作会社:「犬王」製作委員会(アスミックエース=アニプレックス=コミックス・ウェーブ・フィルム=OCE=KDDI=サイエンスSARU=MIXI=Filmarks=日本出版販売)(アニメーション制作:サイエンスSARU)
- 配給:アニプレックス=アスミック・エース
- 公式サイト:http://inuoh-anime.com/
映画『犬王』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『犬王』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 女王蜂のアヴちゃんファン必見の映画です
- 古典芸能ファンは、芸能と権力者の関係性を知らしめられる良い機会になると思います
- 森山未來ファンは冒頭の語りだけでも聞く価値があります
女王蜂のアヴちゃんファン必見の映画です
女王蜂のアヴちゃんが声優を務めた作品です。
ミュージカル映画であり歌唱シーンが多々あるので、ライブに通っている人はアヴちゃんのパフォーマンスだけでも見るといいと思います。
本職が声優ではないアヴちゃんですが、幼少期から青年期にかけ声が変わっていきます。
私はアニメ作品の声優は本職が声優の方に務めて欲しいと思っているのですが、本当に初声優作品かと思うほど上手く、アヴちゃんの起用に納得しました。
一度聞くと頭に残る音楽が多いので、見終わった後しばらくアヴちゃんの声が脳内で再生されます。
古典芸能ファンは、芸能と権力者の関係性を知らしめられる良い機会になると思います
古典芸能ファンは、時の権力者による規制に次ぐ規制によって今日の芸能が成り立っていることを、歴史の授業や古典芸能に触れるうちに知っていることと思います。
私の場合は、歌舞伎・落語・文楽のファンなのですが、江戸幕府の規制、昭和の政府の規制、GHQによる規制を知っています。
犬王では、いくつも流派のあった芸能の中から世阿弥の能が権力者に保護され愛護される様をまざまざを見ることができます。
何故、芸能が権力者と関わり、或いは利用されるのか、その一つの仮定を見ることができる貴重な作品かと思います。
森山未來ファンは冒頭の語りだけでも聞く価値があります
冒頭で、森山未來さんが琵琶にのせた語りを聞くことができます。
森山未來ファンの私にはご褒美でした。
インタビュー記事を読んで知りましたが、大変練習を積まれた語りだったそうです。
アヴちゃんの犬王同様、森山未來さんの友有も幼少期から青年期にかけての声を堪能することができます。
そして歌も聞くことができます。
森山未來さんのダンスや演技に注視していたので、こんなに歌って語れる人だったのかと更に好きになりました。
ラストの悲哀を含んだようなシーンから再会の喜びへ昇華されるシーンの演技は、涙が零れました。
映画『犬王』を見終わった感想
友達は後味が悪いと言っていました。
確かに後味の悪さもありますが、600年を超えた友情に涙する物語でもあります。
時の権力者により、正しい平家の物語とはなにかが制定され、能は観世流の世阿弥が残り、犬王は名前が残るだけで何一つ作品が現存していません。
ですが、確かにそこに在ったのです。
そのことをラストシーンで思い知ります。
何度も見ましたが、その事実に悲哀と、犬王と友有が存在したことへの愛しさを感じます。
伝承されてきた芸能に畏敬の念と愛着を感じます。
何か好きな芸能がある人にはぜひ見ていただきたい作品です。
映画『犬王』で印象に残った名言
私が映画『犬王』を見て特に印象に残った名言です。
「友有」のセリフ
「そうだ、おれたちはここにある」
映画『犬王』の評価や口コミ
他の方が映画『犬王』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
先週2日連続で日比谷。特別上映でミッドナイトスワン。ネトフリにもうあるけどどうっしても映画館で観たくて…3年越しだよ、3年も上映してるのすごいねえ、身体中の水分なくなるかと思うくらい泣いた
犬王もカラ行もだけど、1曲まるまるとパフォーマンスが観れるような作品は、やはり映画館で観たいよ pic.twitter.com/mRdrs628js— てLv.300 (@mmy_0915) January 28, 2024
犬王 という映画をみました。
能と琵琶のお話かと思いきやロックやステージに通じるお話だなと。報われないはみだし者たちの魂のうた。完全でなくとも 思うがままに舞う姿は何故こうも惹き付けられ、美しいのでしょうか。
これから演者さんになる者として本当に出会えて良かった。 pic.twitter.com/Ir2GgHA81g
— 水煙寺ナナヨ (@suienji_nanayo) January 29, 2024
犬王を見に全国あちこち行くと友有座の地方公演を見てるモブ室町民になった感が味わえる楽しさがあるんだよね 同じ映画だと音や雰囲気なんかの比較も楽しいし映画館のオタクゆえ未踏の劇場行くの楽しい〜!の気持ちもあるので一粒で何倍も楽しくてやめられん
— 侑利 (@sensitivity56) January 30, 2024
原作がよかった上にアニメ映画がより良かった作品って何かな…
ねこぢる草とか、ピンポン、犬王、1stスラムダンク、
大橋裕之「音楽」←ダントツ— 🐕ぬ宇👑東3リ03a (@bebipan_dq) January 30, 2024
犬王ってアニメ映画おととしの作品やで
去年とかちゃうねんで 時の流れ……(水になって溶けていく)— 〽︎五十川マワル (@paradise_a_55) January 29, 2024
みなさんの映画を見た感想が面白いですね!
おわりに
私が映画『犬王』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『きのう何食べた?』です。
原作は読んでいないのですが、ドラマきのう何食べた?と、スペシャルドラマきのう何食べた?を見ており、大変好ましい作品だったので、劇場版も見たいと思っております。
四十路のゲイカップルが毎日の食事を起点にどのように日常を過ごしているか、年を重ねていくのかが描かれている作品です。