千葉県にお住いの40歳男性(流通・小売系:物流センターの検品担当)が2023年7月頃に「WOWOWプラス」で見た映画『グッド・シェパード』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『グッド・シェパード』を見ようと思ったきっかけ
中世では広大な大地を舞台に馬に乗った兵士たちが剣と剣をぶつけ合う騎馬戦、近代では大空をバックに爆撃機をパイロットが操縦する空中戦。
いまやドローンによる無人攻撃が当たり前となって、国家間によるサイバー戦が現実のものとなったことに驚きを隠せません。
そんな情報戦の幕開けともいえる激動の時代をテーマにした、名作映画があると知って観てみました。
メガホンを取ったのが名優として名高い、ロバート・デ・ニーロだというのも興味深いです。
映画『グッド・シェパード』の内容
1919年生まれのエドワード・ウィルソン、父親は6歳の時に拳銃で自らの頭を撃ち抜きますが自身は生きる希望と野心に漲っていました。
名門のイェール大学に合格したのは1939年、ラッセル上院議員の娘クローバーと結婚したのがきっかけで出世街道へ。
表向きは貿易局で働いていることになっていましたが、本当の仕事は創設された情報局での諜報活動です。
愛する妻にも我が子にも本当のことを隠し続けていたエドワード、やがて迫られる究極の二者択一とは?
作品情報
- ジャンル:ドラマ
- 製作国:アメリカ
- 製作年:2006
- 公開年月日:2007年10月20日
- 上映時間:167分
- 製作会社:Universal Pictures
- 配給:東宝東和
映画『グッド・シェパード』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『グッド・シェパード』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 感受性あふれる文学青年が冷血エージェントへ
- 非常時でも甘い誘惑に勝てない
- レトロ時代における不可能ミッション
感受性あふれる文学青年が冷血エージェントへ
アメリカ東海岸の伝統的な私立大学8校、アイビーリーグの名前は1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
主人公エドワードが入学するのはこの中でも2番目に旧い創立1701年のイェール大、専攻はディキンソンやホイットマンだから卒業後の夢は詩人で間違いないはず。
そんなエドワードの将来設計は、ある指導教官との出会いをきっかけに大きく方向転換することになります。
大学内部に存在して100人以上もの政治家や軍人を輩出してきたという、秘密結社の黒幕も推理してみてください。
非常時でも甘い誘惑に勝てない
手先が器用で平日の夜には寝室で船のプラモデルを組み立て、休日になると妻子を連れてマイアミまでお出かけ。
上司に釣りに誘われたりと多趣味なエドワード、食べるものにもこだわりがあるようで特に好きなのはスイス製のチョコレートです。
冷戦に突入すると海外ブランドのものは高価で流通しにくくなるご時世、それでも我慢できないというのだから相当な執着があるのでしょう。
正規ルートでは購入できない大好物を、いかにして手に入れるのか見ものですよ。
レトロ時代における不可能ミッション
スマートフォンが普及した現代、旅先で目にした物や風景をワンクリックできるのは便利ですよね。
物語でエドワードはソ連製のカメラとフィルムを使用していますが、操作性が優れずに解像度も荒いためにいざという時には信用できません。
結局のところ頼りになるのはポケットの万年筆でメモをする速記術、そして人並みはずれた記憶力。
通勤バスの座席や図書館の貸し出しカウンター、行き着けのクリーニング店にも重要な機密情報が隠されているので見逃さないで下さい。
映画『グッド・シェパード』を見終わった感想
エドワード役を演じているのはマット・デイモン、持ち前の高い身体能力を封印してアクションシーンも控えめです。
全編を通して表情はなく、喜怒哀楽を爆発させることもないはありません。
地味なシルバーのメガネをかけてスーツもグレイ、灰色の服を着て群衆に溶け込んでいく後ろ姿が心に残りました。
良き夫、良き父親、良き国民とは何なのか考えさせられるストーリー。
家族愛と愛国心とのあいだに揺れ動くひとりの男が、終盤に下した決断に胸を打たれます。
映画『グッド・シェパード』で印象に残った名言
私が映画『グッド・シェパード』を見て特に印象に残った名言です。
「エドワード・ウィルソン」のセリフ
寛大さは民主主義の基本だ
映画『グッド・シェパード』の評価や口コミ
他の方が映画『グッド・シェパード』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
大阪広告代理店マンのシネマ映画: 「グッドシェパード」を見ていたら柳瀬首相秘書官がばっちり浮かぶ https://t.co/7bDJGmKhAR
— 小西俊造 (@2001nennutyuu) July 13, 2018
CIAの防諜部門のトップだったジェームズ・アングルトンなんかはその典型で、CIA内部や外国の首脳の多くの人を「ソ連のスパイ」と信じ、それがアメリカの情報体制の大きな混乱になってしまったと言われている。映画「グッド・シェパード」の主人公のモデルになって人物ですが。
— 白土晴一@「Watch Dogs Tokyo」第1~2巻発売中! (@manetoke) February 12, 2018
エストニア独立戦争史の執筆に疲れたので、今日は一日オフにする事に。
午後からは映画「グッド・シェパード」をば。#新春洋画劇場 pic.twitter.com/VN8LlG0wX6
— Shingo Masunaga (Ph.D.) 🇳🇿 🇪🇪 🇫🇮 🇩🇰 (@shingom00) January 2, 2024
映画『グッド・シェパード』 https://t.co/0L6KjQuUUu #Filmarks #映画 #グッドシェパード
— K (@clown37) May 5, 2020
シティハンター実写版に出てきた、ルテリエ役のリヤ・ケベデがドストライクだったのだけど
「どっかで見た事あるなー」
と思って調べてみたら、映画「グッドシェパード」の飛行機のトラウマシーンの人だった…
でもスーパーモデルの45歳って凄くないですか🫠 pic.twitter.com/kSaP8lzhOZ
— lack (@lack_ff) August 26, 2023
役者、演出、脚本、どれをとっても素晴らしい作品です。話の流れもテンポも素晴らしい。ただ、アンジェリーナジョリーだけ、ミスキャストに思えた。まあそれは大した瑕疵ではない。主人公の耳の聞こえない初恋役の役者は良かったです。切ない。まあ、これだけの天才・秀才のテクノクラートが揃っている米国に、勝てるわけないわなと思った次第です。ロシア人スパイが作中語っていたように、冷戦はある意味米国(軍産複合体)が生き延びるために作り出されたものなのかもしれないと思えてきました。それは今も続いていますけどね。。。色々考えさせられる映画でした。
Amazonの口コミ
CIAの創設がわかる。グッドシェパード。日本も良い番犬。
Amazonの口コミ
盛り上がりにかける、面白いとは思うが、映画つうが好きそうな映画、何でアンジェリーナジョリー使う、個性出過ぎ。アメリカの上流家庭の主婦に使う?私的にはここが1番引っかかる。SOLTやWANTED見た後でこの映画を見ない方が良い。
Amazonの口コミ
米国CIA幹部(=マット・デイモン扮する)の公私両面の半生について、第2次世界大戦直前のCIA創立期から、1960年代初頭のキューバ危機(=ピッグス湾侵攻失敗)までを背景に描いた作品。「公」の面では、一流大学の成績優秀者のみに参加資格がある秘密結社(=イエール大学の"Skull and Bones")と強烈なエリート思想、秘密結社の人脈をベースに結成されたCIAにおける情報活動(=国と国、人と人との「だまし合い」)と幹部候補生としてのキャリアの構築、そして「私」の面では、組織人として立場を優先し、仕事に没頭し過ぎたことによる家庭の崩壊と、エリートとしての地位の維持や過酷な情報活動といったストレス環境下(?)での情熱的な女性関係、息子からみた父親に対する屈折した感情等々、あらゆる面で「男らしい」内容です。個人的には、そういったシリアス&ハードボイルドな映画は好みなので、久しぶりに集中して楽しめた一方で、仕事にかまけ過ぎてプライベートにおける人間関係が希薄になる描写については、自分の状況を省みて、やや胸が痛むものがありました。率直に言って、本作品は女性にうける要素は乏しいと思いますが、男性であれば、上記のような「男らしさ」(のうちのいずれか)に相当に感情移入できるのでは無いでしょうか。また、マット・デイモンをはじめとしたオールスター級キャストの重厚な演技(但し、アンジェリーナ・ジョリーは役割からみてゴージャス過ぎてミスキャストのような気がしましたが)、恐らく第2次大戦、米ソ間の冷戦、CIAといった時代背景・設定を考えての上のことなのでしょう、カラーフィルムでありながら、モノクロフィルムと見まがうほどの静かで美しい照明等々、脚本以外の点も秀逸です。特に、キャリア志向の高い男性にお薦めしたいと思います。是非ご覧になって下さい。続きを読む
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ただの映画好きの素人目の評価です。いやあ、実に面白い映画でした。この手のドキュメンタリー調の映画が好きとは言え、これほど面白いとは思っていませんでした。第二次世界大戦中のCIAの前身OSSからキューバ侵攻の頃までを描いた、CIAの創生期の物語です。マット・デイモン演じるCIAの切れ者「マザー」と、KGBの大物「ユリシーズ」との対立軸に、妻や息子との葛藤、CIA内部の葛藤を絶妙に絡ませて、重厚で大変見応えのある作品に仕上がっています。同じスパイ物でも、007、ボーン、MIのような派手な作品ではありません。カーチェースなし、銃撃戦なし、挌闘シーンなし。暗殺シーンはあります。が、最後を除いてごく普通の手法ですし、思わず目をそむけるような(血だらけの)メーキャップもありませんが、これが何とも言えず怖い。暗殺シーンなど山ほど見てきましたが、ストーリー展開の妙なのか、演出の上手さなのか、とにかくぞっとしてしまいます。「エスピオナージ」や「コンドル」のような作風が好きな方なら、本作を気に入ってもらえるのではないかと思います。すかっとした気分を味わえる作品ではありませんが、167分という長尺を物ともせず、見終わって思わず唸ってしまうような作品です。もっと早く見れば良かった。続きを読む
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みなさんの映画を見た感想が面白いですね!
おわりに
私が映画『グッド・シェパード』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『善き人のためのソナタ』です。
フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督のヒューマンドラマ、日本では2007年の2月に公開。
東ドイツの秘密警察の実態に迫っていて、本作と違った視点から冷戦を見つめることができそうです。