東京都にお住いの46歳男性(流通・小売系:小売業)が2022年8月頃に「Amazon Prime」で見た映画『戦場のメリークリスマス』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『戦場のメリークリスマス』を見ようと思ったきっかけ
坂本龍一の有名な音楽がきっかけでした。偶然アマゾンプライムで見つけたのでこれは!と思い鑑賞しました。
大島渚監督の作品は何本か観ていましたが、この作品だけはなぜか敬遠していました。
というのはあまりにメジャーだったのでどうせつまらないだろうと思っていたのです。
メジャーなものはつまらないという偏見をどうにかして取り除きたいというのも理由のひとつでした。
YouTubeで予告編を観て素晴らしい!と思ったことが決め手になりました。
映画『戦場のメリークリスマス』の内容
ジャワ島の日本軍捕虜収容所に囚われたデヴィッド・ボウイ演じるジャック・セリアズを愛してしまうヨノイ大尉(坂本龍一)の同性愛物語です。
物語はジョニー大倉がオランダ人捕虜を犯す事件から始まります。
そこでトム・コンティとビートたけしの友情も描かれ、ボウイと坂本の同性愛と対比的に描かれています。
地上の楽園のような美しい土地で、残酷な切腹や拷問が行われている中、ボウイと坂本は互いに惹かれあってゆきます。
やがて終戦を迎え2人は離れ、ビートたけしは戦犯として処刑されるのです。
映画『戦場のメリークリスマス』の作品情報
作品情報
- 監督:大島渚
- 脚本:大島渚、ポール・マイヤーズバーグ
- 原作:ローレンス・ヴァン・デル・ポスト
- キャスト/出演者:
- デヴィッド・ボウイ
- トム・コンティ
- 坂本龍一
- ビートたけし
- ジャック・トンプソン
- ジョニー大倉
- 内田裕也
- 主題歌:Merry Christmas Mr. Lawrence - 坂本 龍一/li>
- 日本公開日:1983年5月28日
- 上映時間:123分
- 公式サイト:https://unpfilm.com/senmeri2023/
映画『戦場のメリークリスマス』のあらすじ
1942年、ジャワ。山岳地帯の谷間にある日本軍捕虜収容所で、日本語の通じる英国軍の中佐は、粗野な軍曹や収容所の所長と捕虜たちの間をとりもっていた。自他の区別なく厳しさを見せる所長は、ある日、新たな捕虜として拘束されたとある英国陸軍少佐と運命的な出会いを果たす。
映画『戦場のメリークリスマス』の予告編
映画『戦場のメリークリスマス』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『戦場のメリークリスマス』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- ビートたけしの演技が素晴らしい。
- ジャワ島のロケーションが凄い。
- 大島渚の画面作りが素晴らしい
ビートたけしの演技が素晴らしい。
皇国思想に染まったビートたけしの演技が素晴らしかったです。
オランダ人捕虜レイプ事件でジョニー大倉に切腹を迫り、介錯を買って出る残忍さ。
上官には媚びへつらう卑近さを見事に演じ切っていました。
ただ大島渚はビートたけしを単なる悪人として描くだけでなく、クリスマスイヴに酒に酔って罰を許してやるといった人間臭さのようなものも表現しています。
ラストシーンのトム・コンティを厳しく呼び止めた後に、笑いながらメリークリスマスと復唱するビートたけしの表情は映画史に残るクローズアップシーンだと思いました。
ジャワ島のロケーションが凄い。
美しい土地で描かれる、戦争の残虐さと同性愛。この対比が凄かったです。
やはりこのロケーション無くしてはこの映画は成立しなかったと思います。
これが雪国とかだったら、と思うと成立しないと思います。
例えばジョニー大倉が断罪されるシーンが特に素晴らしく、シンメトリーの構図の奥に青い海が広がり、熱帯の美しい光が差して芝生を美しい緑色に染め上げていました。
このような画面を撮れるのは大島渚ならでは、という感じがしました。
舞台設定が映画にどんなに重要か分かる演出でした。椰子の木の美しさも際立っていました。
大島渚の画面作りが素晴らしい
大島渚作品の白眉は何と言っても画面構図の素晴らしさ。それは「少年」や「日本春歌考」でも実証済みです。
単純なシンメトリーではなくそこに配置する人物の的確さが魅力的でした。
ですからこの映画のキーワードは「対比」と言っても過言ではないと思います。
左右の対比だけでなく、ボウイと坂本の同性愛に対するたけしとトム・コンティの友愛。
映画のテーマが画面に可視化されているのが大島渚の素晴らしい美点だと思いました。
冒頭のシーンでまだ明けきってない空の下、軍人たちが歩いてゆくところに被さる坂本龍一の曲には鳥肌が立ちました。
映画『戦場のメリークリスマス』を見終わった感想
自然はこんなにも美しいのになぜ人間は戦争のような愚行を犯すのだろうというのが第一印象でした。
しかしよく見てみると愚かな人間たちのなかにも何か美しいものがあると気付かされます。
戦争に染まった人間の間にも愛は生まれ得る、というのもこの映画のテーマであるような気がします。
いまも世界各地で紛争が起こっていま紛争、そんな国のひとたちに是非とも観てほしい映画だと思いました。
未見の人がいれば絶対オススメしたい映画です。
大島渚作品デビューのひとにもオススメできる映画であること間違いなしです。
映画『戦場のメリークリスマス』で印象に残った名言
私が映画『戦場のメリークリスマス』を見て特に印象に残った名言です。
「ジャック・セリアズ」のセリフ
私の過去は私のものだ
映画『戦場のメリークリスマス』の評価や口コミ
他の方が映画『戦場のメリークリスマス』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
『戦場のメリークリスマス』映画史上最も美しいキスシーン。 pic.twitter.com/PTZVZTpBcu
— よのい えいり (@eiri_yonoi) January 9, 2023
『戦場のメリークリスマス』
40年もたつのかぁ~何度か見直しているのに、印象的に残っているシーンが多く、ほんと名作と呼ぶにふさわしい ボウイと坂本龍一の美しさ たけしの存在感溢れる演技が光る。 後なんと言ってもテーマ曲最高です🎶入場特典のポストカードもGET❗#戦場のメリークリスマス pic.twitter.com/XEEn0e8EQa— Nobu Miyazaki (@miyazaki_nobu) January 13, 2023
『戦場のメリークリスマス』見た
1983年の映画で、表現が分からなかったり、時代背景に対する理解が足りなかったりしたけど、すごく面白くていい作品だった— 白 (@white_haku0220) January 12, 2023
おわりに
私が映画『戦場のメリークリスマス』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『愛のコリーダ』です。
こちらも大島渚監督の映画ですが、男性器切り取りの阿部定事件をモチーフにした映画で、ドキドキです。