山口県にお住いの59歳男性(ビル管理:警備)が2022年9月頃に「映画館」で見た映画『川っぺりムコリッタ』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『川っぺりムコリッタ』を見ようと思ったきっかけ
「かもめ食堂」「レンタネコ」「めがね」など独特の世界観を持っている荻上直子監督の作品ということで見ました。
初めて見た荻上作品は「レンタネコ」。もちろんネコ好きだからです。
そこから荻上監督が気になり、過去の作品も見た次第です。
最初「ムコリッタって何だ」と思い、仏教用語で〝牟呼栗多〟と書き、しばらくとか少しの時間の意味と知り、ますます興味が涌きました。
ジブリ映画かなとも思いましたけど。映画のキャッチコピーの「友達でも家族でもない。でも孤独ではない」もイケてますね。
映画『川っぺりムコリッタ』の内容
北陸地方のさびれた街で、山田(松山ケンイチ)はなるべく人と関わりを持たずに生きていきたいと思い、塩辛の工場で働き始めます。
社長に紹介されたアパート「ハイツムコリッタ」で部屋を借ります。
すると隣人の島田(ムロツヨシ)が風呂を借りにきたところから、2人の間に友情らしきものが芽生え始めます。
アパートや工場の南(満島ひかり)や溝口(吉岡秀隆)とも心を開きます。
しかし。山田がこの街にやってきた理由を島田が知ったことから…。
映画『川っぺりムコリッタ』の作品情報
作品情報
- 監督:荻上直子
- 脚本:荻上直子
- 原作:荻上直子
- キャスト/出演者:松山ケンイチ/ムロツヨシ/満島ひかり/吉岡秀隆
- 主題歌:むこりった
- 日本公開日:2022年9月16日
- 上映時間: 120分
- 公式サイト:https://kawa-movie.jp/
映画『川っぺりムコリッタ』のあらすじ
人との関わりを持ちたがらない孤独な青年の家に、隣の部屋の住人が風呂を貸してほしいと上がり込んでくる。それをきっかけに、青年の静かな日々が一変する。
映画『川っぺりムコリッタ』の予告編
映画『川っぺりムコリッタ』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『川っぺりムコリッタ』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 小さな幸せみつけよう
- おいしく食べよう
- 死とは何?
小さな幸せみつけよう
幸せに大きさなんてあるのかと思う時があります。
何億もの宝くじに当たることが大きな幸せでしょうか?一流大学を出て一流会社に勤め結婚し子供をもうけることが大きな幸せなのでしょうか?幸せについて考えさせられた作品でした。
ほんの些細なことを幸せと感じることができるのが、一番の幸せだと気づかされました。
自分なりの価値観で日々幸せを探す登場人物には、共感が持てます。
他人と比べることなどせず、自分の道を歩むことが大切ですよね。
おいしく食べよう
食卓に出てくる一汁一菜の献立。質素ですがそれを食べる山田は本当においしそうです。
島田の作った野菜も心からおいしそうに口にします。
「幸せの黄色いハンカチ」で刑務所を出たばかりの高倉健さんが、食堂でビールを飲みラーメン(だったと思いますが)を食べるシーンがあります。
この場面を撮るにあたり健さんは絶食して臨んだそうですが、それを思い出しました。
おいしそうに食べることは、人を幸せにするんだと実感しました。
山田は風呂上がりに冷たい牛乳を飲むのが唯一の楽しみという設定もよかったです。
死とは何?
ほのぼのとして、ゆったりと時間が流れる癒やしの作品ですが、もう一つ大事なテーマを扱っています。
〝死〟です。登場人物の一人一人が何らかの形で死と関わり合っています。
孤独死した父、夫の遺骨を自分の手元に置く妻、墓のセールスマン、身元不明の遺体の葬儀担当者、幽霊?!生と死はコインの裏表です。
だからこそ生きている幸せを感じることができれば、生き方は違ってくるでしょう。
自分も還暦近くなり死を意識するするようになったので、よく分かります。
映画『川っぺりムコリッタ』を見終わった感想
エンドロールで薬師丸ひろ子や江口のりこのクレジットを目にして「エッ、どこに出てたの」と思い、いろいろ調べてみて「あんなところに出ていたのか」と納得。
贅沢な役者さんの使い方をしている映画です。
あと音楽もストーリーにピッタリ合っていて良かったです。
テーマ曲を作ったのが「たま」の知久寿焼というのも納得でした。
さりげないところで、いろいろ凝っている作品ですね。
心温まるストーリーで「川っぺりムコリッタ2」に期待している自分がいます。
映画『川っぺりムコリッタ』で印象に残った名言
私が映画『川っぺりムコリッタ』を見て特に印象に残った名言です。
「山田」のセリフ
「自分が死んだ時、一人でも悲しんでくれる人がいたらいい」
映画『川っぺりムコリッタ』の評価や口コミ
他の方が映画『川っぺりムコリッタ』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
仕事で東京に行ったついでにもう一泊。
大阪で見逃していた「川っぺりムコリッタ」を鑑賞。こんなに笑える映画だったんだ。見ることができてよかった。映画館の雰囲気もよかったな。「マイブロークンマリコ」に続いて遺骨映画。遺骨映画に駄作なし。#下高井戸シネマ #川っぺりムコリッタ pic.twitter.com/HEtNFNtsPj— 日和見 (@tkgkjk) December 11, 2022
映画『#川っぺりムコリッタ 』
ロケ地富山での最終上映観てきました。個人的には様々な感情を抱いた作品でしたが、最後にしっかり“お見送り”できて良かったです。
富山で約2ヶ月に渡り上映いただいたことにも感謝です。#JMAXとやま#富山ロケ#富山県ロケーションオフィス pic.twitter.com/BdZXcsd49H
— 前佛 聡 (@zembutsusatoshi) November 10, 2022
「川っぺりムコリッタ」
付き合いの長さに関わらず孤独を埋めてくれる人がいるだけで毎日が楽しくなる。
一応1番風呂は避けてるのかなって思ったらそうでもない島田は兎に角図々しい。でも人のあったかい部分と弱い部分を持ち合わせてて素敵でした。松山ケンイチも。炊き立てのお米食べたくなりました pic.twitter.com/pY7CxH71kp— PoMo (@films_dynamism) December 19, 2022
おわりに
私が映画『川っぺりムコリッタ』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。