東京都にお住いの39歳女性(マスコミ系:webライター)が2023年11月頃に「映画館」で見た映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を見ようと思ったきっかけ
「タクシードライバー」で有名な巨匠マーティン・スコセッシが監督するということでもともと気になっていたのに加え、デイヴィッド・グラン著の原作「花殺し月の殺人―インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」を読み、史実の恐ろしさと歴史の闇深さに打ちのめされたのが視聴を決めたきっかけです。
休みの日に徒歩十分圏内の映画館で公開されていたのも大きいです。
レオナルド・ディカプリオはじめ、好きな俳優が出演している点にも惹かれました。
映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の内容
1920年代アメリカ。
先住民族オセージ族は合衆国の政策により僻地に追いやられるものの、そこで石油を発掘し、巨大な利権を手に入れました。
伯父のヘイルを頼りカンザス州にやってきた青年アーネストは、オセージ族の娘モリ―に近付き、彼女と恋仲になります。
ヘイルはアーネストとモリ―を結婚させたのち、彼女の親や姉妹を殺し、財産の独占を企んでいたのです。
モリ―の一族が連続不審死を遂げていくなか、事態を重く見たFBIが捜査官を差し向けます。
作品情報
- ジャンル:歴史劇 サスペンス・ミステリー ドラマ
- 製作国:アメリカ
- 製作年:2023
- 公開年月日:2023年10月20日
- 上映時間:206分
- 製作会社:Apple Studios=Imperative Entertainment=Sikelia Productions=Appian Way
- 配給:東和ピクチャーズ
- 公式サイト:https://kotfm-movie.jp/
映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 実話をもとにした衝撃のノンフィクション
- 生き写しの配役の妙 モリ―の演技が素晴らしい
- 長尺を感じさせない重厚な人間ドラマ
実話をもとにした衝撃のノンフィクション
本作は1920年代に実際に起きた、オセージ族連続不審死事件をもとにしたノンフィクションです。
欲に目が眩んだ白人が後見人の立場を悪用し、事故・自殺・病死に見せかけオセージ族を殺していく様子が淡々と描かれ、史実の恐ろしさや歴史の闇深さに戦慄を禁じ得ません。
事件の背景にある人種差別の根深さも生々しく伝わり、アメリカ合衆国の欺瞞が暴き出されます。
加害者・被害者の遺族やその子孫がまだ生きてることを考えると複雑な気分になります。
生き写しの配役の妙 モリ―の演技が素晴らしい
登場人物にはそれぞれモデルがおり、原作小説に掲載された写真で顔を拝めます。
特に驚いたのがロバート・デニーロ演じる黒幕ヘイルのそっくりぶり、顔はもちろん身なりから立ち居振る舞いまで完璧に再現しています。
レオナルド・ディカプリオ演じるアーネストの小悪党ぶりも見所です。
その他の配役もビジュアルを見ただけで本人に寄せている事がわかり、史実を尊重するスタンスに感動しました。
先住民の血を引くリリー・グラッドストーンが演じた、モリ―の静かなたたずまいには圧倒されます。
長尺を感じさせない重厚な人間ドラマ
上映時間は三時間半と長尺なものの、それを苦痛に感じさせないストーリーの構成力は見事です。
最初から犯人がわかっているにもかかわらず目が離せないのは、役者の熱演と監督の底力によるものです。
三時間に凝縮されたオセージの歴史と連続不審死の真実、アーネストとモリ―夫婦が至る結末は痛ましすぎて直視できず、終盤の面会シーンはやりきれなさで胸が一杯になります。
重厚で骨太な人間ドラマを味わい尽くした後は、圧倒的なカタルシスが押し寄せてきました。
映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を見終わった感想
巨匠マーティン・スコセッシ監督と名優ロバート・デニーロ、レオナルド・ディカプリオが組んだ本作は、白人優位社会における搾取構造を徹底的に描き尽くし、世の中に広く問題提起を投げかけています。
ヘイルとアーネストの逮捕で終わらせず、朗読劇仕立てのエンディングにした風刺も利いており、実際の事件を悲劇的なフィクションとして消費する風潮に警鐘を鳴らしています。
社会派の見ごたえある映画を探している方はぜひご覧ください。
映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』で印象に残った名言
私が映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を見て特に印象に残った名言です。
「モリ―・バークハート」のセリフ
家族を奪った白人を殺したい
映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の評価や口コミ
他の方が映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
原作の脚色トラブルが話題になっているが、『哀れなるものたち』の脚色すごいよ。てか「長大で複雑な原作の一点に集中して別視点から語りなおす」っていうアプローチは『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』とも通じる。そして映画⇒原作に進んだ人は、映画化で切り捨てた総量にびっくりすると思う。
— 村山章 (@j_man_za) January 27, 2024
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
映画館で2回観たけど配信開始されたので再鑑賞👀初見時は3時間26分贅沢すぎるほどスコセッシ監督の映画としてのパワーに圧倒された
FBI側でなく犯人側の下っ端を主人公にしたり最後の物語のまとめ方といい、自分の中では去年のベスト脚色賞をあげたい作品 pic.twitter.com/xWKXC1YS0O
— 𝔂𝓸𝓾𝓾𝓾🥀映画垢 (@BK13PRM) January 28, 2024
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」でアカデミー主演女優賞候補となったリリー・グラッドストーンに新企画が浮上。小川洋子原作「密やかな結晶」を「マルコヴィッチの穴」のチャーリー・カウフマンが脚色した「The Memory Police」に主演する。「リズム・セクション」のリード・モラーノが監督。 pic.twitter.com/qhUDmnHmVf
— 映画情報 オスカーノユクエ (@oscarnoyukue) January 26, 2024
1月鑑賞の新作映画TOP5
1位 哀れなるものたち
2位 ソルトバーン
3位 キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
4位 コット、はじまりの夏
5位 コンクリート・ユートピア pic.twitter.com/UnrVo0FFh7— まっぽ🇵🇸 (@mapo1988) January 31, 2024
映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』観賞。206分も長くない展開と構成でアカデミー賞でも注目作。歴史の暗部を描いた実話の西部劇は犯罪スリラーで人間ドラマで人種問題で恋物語でもある。まさにスコセッシ監督の真骨頂で集大成でした。見逃していた?広島は八丁座へ。https://t.co/3aoDTpedk4 pic.twitter.com/SAQVo5uYhY
— オオクボックス (@okubox9) January 30, 2024
みなさんの映画を見た感想が面白いですね!
おわりに
私が映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。