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小説のレビュー

【ネタバレ注意】小説『氷菓』のレビュー!小説を見た感想は「小さな謎解きがリアルで面白い」

石川県にお住いの49歳女性(専業主婦)が2021年1月頃に「紙の本」で読んだ小説『氷菓』のレビューをご紹介します。

小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。

この小説の読みどころ

  • 薔薇色の高校生活を望まず、グレーを目指す主人公 
  • 千反田えると伯父との約束
  • 氷菓とはどういう意味で付けられたのか 

小説『氷菓』を読もうと思ったきっかけ

GYAO!(ギャオ)アニメで無料視聴し面白かったので、小説も読んでみることにしました。

作者、米澤穂信の推理小説で古典部シリーズの第1作ですが、私も文化部に所属していたので、高校のクラブ活動が懐かしく当時の思い出が蘇りました。

日本の飛騨高山をモデルにしており、伝統と文化の色づく街並みや品の良い生徒が通う進学校など、静かで格調の高い世界観が魅力的です。

人の死なないミステリーという部分も新鮮で、日常の些細な謎でどこまで面白く描けるのかも興味がありました。

小説『氷菓』の内容

進学校に入学した主人公、折木奉太郎は姉の勧めで古典部というクラブに入部します。

そこで出会った千反田えるという好奇心旺盛な女子生徒が、次から次へと小さな謎を解いてくれるように依頼してきます。

「やらなくてもいいことならやらない、やらなければいけないことなら手短に」をモットーとする、省エネ主義の折木ですが、美人で素直な千反田の強引さには抗えず、たびたび騒動に巻き込まれます。

そして図らずしも、千反田の希望通りの満足いく結果を導き出します。

小説『氷菓』の作品情報

作品情報

小説『氷菓』のあらすじ

何事にも積極的に関わらないことをモットーとする奉太郎は、高校入学と同時に、姉の命令で古典部に入部させられる。

さらに、そこで出会った好奇心少女・えるの一言で、彼女の伯父が関わったという三十三年前の事件の真相を推理することになり――。

小説『氷菓』の読みどころをネタバレ覚悟で解説

私がネタバレ覚悟で解説したい小説『氷菓』の読みどころは大きく3つです。

この小説の読みどころ

  • 薔薇色の高校生活を望まず、グレーを目指す主人公
  • 千反田えると伯父との約束
  • 氷菓とはどういう意味で付けられたのか

薔薇色の高校生活を望まず、グレーを目指す主人公

苦しい高校受験を終えて入学すると、薔薇色の高校生活が待っています。

勉学に励み、スポーツで汗をかき、恋することに情熱を捧げ、高校生活の3年間は、人生の中でも特別な意味を持つ期間です。

でも、果たして全ての生徒がそうでしょうか?

主人公の折木奉太郎は、「やらなくてもいいことならやらない、やらなければいけないことなら手短に」をモットーとする、ヤレヤレ系の、やる気のない生徒です。

薔薇色の高校生活ではなく、グレーを望むという寂しい生き方ですが、彼は省エネ主義と前向きに捉えています。

千反田えると伯父との約束

姉の勧めで古典部に入部した折木は、同級生の千反田えると出会います。

豪農のご令嬢で、才色兼備そして素直な性格は非の打ちどころがありませんが、好奇心の猛獣と言わしめるお嬢様らしからぬところが魅力です。

古典部では、毎年文化祭で文集を出すことが受け継がれています。

文集のタイトルは「氷菓」であり、命名した人物は千反田の行方不明の伯父でした。

幼い頃の千反田は、伯父から大事なアドバイスを受けるのですが、忘れてしまいます。

千反田は、折木の推理力で伯父が言った言葉を思い出させて欲しいと懇願します。

氷菓とはどういう意味で付けられたのか 

千反田の伯父が在学していた当時は、学生運動が盛んな時代あり、大人しく人の良い伯父は、運動の主導者として担ぎ上げられます。

そして、学校側に多大な損害を与えた罪で退学処分になりました。

古典部に在籍していた叔父は、後輩たちに自分の想いを託します。

文集の名前を「氷菓」にする、それが伯父の唯一の抵抗なのでした。

最後まで氷菓の意味が分からない面々に苛立ちを覚えながら、折木は言います。

「氷菓を英語にしたらどうなる?」

アイスクリーム
I scream.
私は叫ぶ

伯父の想いが昇華され、千反田は涙を流します。

「強くなれ、弱いままだと悲鳴もあげられなくなる」それが伯父の言葉でした。

小説『氷菓』を読み終わった感想

まず、タイトルの氷菓とは何だろうと思いました。

そこから興味を惹かれ、ぐんぐんと引き込まれていきました。

放課後の黄昏に染まる部室の窓、運動場から聞こえてくる運動部の掛け声、様々な高校生活の思い出が蘇ってきました。

一般の推理小説では事件が起こり、人が死に、探偵役が推理をして謎解きを始めます。

氷菓で起こる事件は日常の小さな謎で、ともすれば見逃されるようなことです。

でも、そんな小さな謎解きがリアルで面白く、氷菓の最大の魅力でもあります。

小説『氷菓』で印象に残った名言

私が小説『氷菓』を読んで特に印象に残った名言です。

「糸魚川 養子」のセリフ

全ては主観性を失って、歴史的遠近法の彼方で古典となっていく 

小説『氷菓』の評価や口コミ

他の方が小説『氷菓』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

おわりに

私が小説『氷菓』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。

次に読みたいと思っている小説は『いまさら翼といわれても』です。

合唱祭に参加するはずだった千反田えるが姿を消しました。

責任感の強い千反田がエスケープするはずがなく何か特別な理由があるはずです。

折木奉太郎は、千反田の居場所をつきとめるため推理を始めます。







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