東京都にお住いの20歳女性(医療系:学生)が2022年11月頃に「紙の本」で読んだ小説『お探し物は図書室まで』のレビューをご紹介します。
小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
小説『お探し物は図書室まで』を読もうと思ったきっかけ
この本は2021年の本屋大賞2位になっていたことで知りました。
本屋大賞2位になったときに自分の読みたい本をまとめているリストに書き込んだのですがそのまま忘れていて、久しぶりにそのリストを読み返しているときに発見して読みました。
また小中学校のとき図書室が大好きな子どもだったのでタイトルに惹かれたのもあります。
本屋大賞上位の本はなるべく読むようにしているので2022年の本屋大賞が発表される前に読めて良かったと思います。
小説『お探し物は図書室まで』の内容
なんだか人生がうまくいかなかったり、悩みを抱えたりしている年も性別も境遇も違う人たちがそれぞれひょんなことから町の図書館を訪れ、そこでの関わりやお勧めされた本を通して自分の人生と向き合っていく物語です。
図書室を訪れる人同士は直接は関わりのない連作短編集となっています。
司書さんが訪れた人と話して本をお勧めしてくれるのですが、その本は実際にある本なので興味を持ったら自分で借りたり買ったりして読むことができます。
小説『お探し物は図書室まで』の作品情報
作品情報
- 出版社:ポプラ社
- 著者:青山 美智子
- 定価:本体1,600円+税
- 発行年月:2020年11月11日
- ページ数:304ページ
- ISBN:978-4-591-16798-4
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008304.html
小説『お探し物は図書室まで』のあらすじ
お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?
人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。
彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。
狭いレファレンスカウンターの中に体を埋めこみ、ちまちまと毛糸に針を刺して何かを作っている司書さん。本の相談をすると司書さんはレファレンスを始めます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手で、相談者は誰にも言えなかった本音や願望を司書さんに話してしまいます。
話を聞いた司書さんは、一風変わった選書をしてくれます。図鑑、絵本、詩集......。そして選書が終わると、カウンターの下にたくさんある引き出しの中から、小さな毛糸玉のようなものをひとつだけ取り出します。本のリストを印刷した紙と一緒に渡されたのは、羊毛フェルト。「これはなんですか」と相談者が訊ねると、司書さんはぶっきらぼうに答えます。 「本の付録」と――。
自分が本当に「探している物」に気がつき、
明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。
小説『お探し物は図書室まで』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい小説『お探し物は図書室まで』の読みどころは大きく3つです。
この小説の読みどころ
- 心当たりのある悩み
- 小町さんの人柄
- 前を向く気持ち
心当たりのある悩み
図書室を訪れる人たちは年も性別も境遇も全く違うのですが、それぞれ悩みを抱えています。
自分の仕事に誇りを持てず転職を考える女性、アンティークショップの経営をしたいが安定した職にいて先延ばしにしている男性、キャリアウーマンとして働いていたが出産をきっかけに思うように働けなくなった女性、絵を描くのが好きだが働いていない男性、定年退職後社会からの疎外感を感じる男性など、自分と同じ境遇でなくても自分とリンクするような気持ちを抱えていることにグッと引き込まれます。
小町さんの人柄
小町さんとはその町の図書室の司書さんのことで、とても体が大きく一度話をすると近すぎもせず遠すぎもしない程よい距離感で、ハッと気付かせるような一言をくれます。
お勧めの本とおまけをくれますが、一見悩みと関係がないように思えてもそこからそれを受け取った人たちが意味を見つけていってそっと後押ししてくれるような素敵な司書さんです。
肩肘張らなくてもいい安心感や気を緩めてくれる存在なのが文面からありありと伝わってきます。
前を向く気持ち
悩みを抱えたそれぞれの人たちは言わば人生が停滞してしまっているような状態でしたが、司書さんとの関わりや本を通して自分の人生と向き合い、自分の人生をまた歩んでいきます。
悩みを抱えた人たちの拗らせてしまった思いや、遠慮が解けていく様にはグッとくること間違いなしです。
前を向いた人たちが自分の家族や周りの人たちと交流を持っていく様もこれからの期待感を暗示させていました。
とにかくどの章もそれぞれがそれぞれのやり方で人生を歩んでいくのがわかります。
小説『お探し物は図書室まで』を読み終わった感想
自分は今大学2年生で将来どうしていくべきなのか迷っているタイミングでありました。
立場は違えど人生が停滞しているような、この先はどこにあるのか見失いかけているところが登場人物と重なって一緒にそのわだかまりを解いてもらっているような気持ちになりました。
また登場人物の悩みは自分がこれから生きていく中で絶対にぶつかる悩みなんだろうなと思い、またライフステージが変わった段階で読んだら共感する部分がまた変わるずっとそばに置いておきたい本だと感じました。
小説『お探し物は図書室まで』で印象に残った名言
私が小説『お探し物は図書室まで』を読んで特に印象に残った名言です。
「小町」のセリフ
「何をお探し?」
小説『お探し物は図書室まで』の評価や口コミ
他の方が小説『お探し物は図書室まで』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
#青山美智子 さん #お探し物は図書室まで #読了❗️
人生に迷った人に、謎めいた司書さんがオススメの本を紹介してくれる連作短編集。
ワーママの話はかつての自分と重なる部分が多く号泣😭
私も小町さんに会いたい
(絶賛人生迷い中)主人公の性別年代が色々なので、多くの方に共感してもらえそう。 pic.twitter.com/HeO8nRCcVB
— Yuyu@読書 (@Yuyu00025741) April 15, 2022
心温まる言葉がたくさん詰まった、大好きな一冊に出会えました。幸せ。
こういうお話が大好物な私です。
私も小町さんに本を選んでもらいたいなぁ。
どんな付録を付けてもらえるんだろう。#お探し物は図書室まで#青山美智子 さん#読書記録#読了 pic.twitter.com/AetJj2XOWd— あい📚読書記録アカウント (@aibonrk09050810) March 25, 2023
#読了
『 #お探し物は図書室まで』
色々な立場の方のお話。でもいずれも心に刺さってくる。
心が苦しくなると視野が狭くなるんですよね。そんな時にこの図書室のような存在と出会えるかどうかは実は自分自身次第。
前向きに生きていこうと思わせてくれる一冊でした✨ pic.twitter.com/oZjZvPxcQe— nakko (@nakko23896668) March 19, 2023
おわりに
私が小説『お探し物は図書室まで』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。
次に読みたいと思っている小説は『火星の人』です。
火星に1人残されてしまった宇宙飛行士がどうやって生き残っていくかを読んでみたいです。