愛知県にお住いの42歳女性(専業主婦)が2023年1月頃に「紙の本」で読んだ小説『ナオミとカナコ』のレビューをご紹介します。
小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
小説『ナオミとカナコ』を読もうと思ったきっかけ
図書館で何気なく借りる本を探しているときにふと目に留まりました。
ずいぶんと前にテレビで同じタイトルの連続ドラマを視聴したことがあり、思わず手にとりました。
あらすじを読んだところ、やはり私が観ていたドラマの原作小説でした。
原作があり、それが小説ということも知らなかったので意外でした。
けっこうインパクトのあるストーリーで記憶にあり、原作の小説にとても興味が湧き、さっそく借りて読んでみました。
小説『ナオミとカナコ』の内容
百貨店の外商部で働く直美と内気な専業主婦の加奈子は、大学時代の同級生で親友です。
加奈子はエリート銀行員の達郎と幸せな家庭を築いているはずでしたが、久しぶりに会う加奈子の頬は誰が見ても驚くほど腫れ上がっており、直美は加奈子が達郎からDVを受けている事実を知ります。
なんとか加奈子を救いたい直美は、2人で達郎を殺すことに決めるのです。
完璧な計画を練り実行に移した2人でしたが、達郎の妹や同僚に綻びを指摘されどんどん追い込まれていきます。
小説『ナオミとカナコ』の作品情報
作品情報
- 出版社:幻冬舎
- 著者:奥田英朗
- 定価:本体1,700円+税
- 発行年月:2014年11月12日
- ページ数:438ページ
- ISBN:4344026721
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.gentosha.co.jp/book/b8259.html
小説『ナオミとカナコ』のあらすじ
二人は運命を共にし、男を一人殺すことにした。
「わたしたちは親友で、共犯者」
復讐か、サバイバルか、自己実現か——。
前代未聞の殺人劇が、今、動き始める。
望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美。
夫の酷い暴力に耐える専業主婦の加奈子。
三十歳を目前にして、受け入れがたい現実に追いつめられた二人が下した究極の選択……。
「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」
すべては、泥沼の日常を抜け出して、人生を取り戻すため。
わたしたちは、絶対に捕まらない——。
小説『ナオミとカナコ』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい小説『ナオミとカナコ』の読みどころは大きく3つです。
この小説の読みどころ
- 夫殺害計画
- 計画の綻び
- 逃げ切る2人の絆
夫殺害計画
直美の冗談のような、思いつきのような、勢いで言ってしまっただけのような達郎殺害計画でしたが、追い風となる出来事が次々と起こります。
最後まで2人の味方で力を貸してくれた逞しい中国人女社長・李朱美との出会いは、殺害を現実のものとするキッカケでした。
その後も直美の顧客で、直美を信用し口座を託す認知症の資産家・斎藤夫人の存在、達郎にそっくりの密入国中国人・林竜輝との出会いで完全に背中を押され実行へと移すのでした。
計画の綻び
達郎が銀行のお金を横領したと見せかけ、それを持って海外逃亡し失踪したことにすれば良いと考えた2人。
泥酔した達郎を絞殺し、車で運んで山頂へ埋めました。
完全な計画だと思い込んでいましたが、マンションの監視カメラに遺体を運ぶ2人の姿が映っていたり、エリート銀行員の達郎がなぜ200万円というはした金だけで海外にまで逃亡しなければならなかったのか、同僚や家族からしても失踪の動機があまりにも納得できなかったのです。
逃げ切る2人の絆
達郎の横領や失踪を1番怪しんだのは達郎の妹・陽子でした。
探偵まで雇い徹底的に防犯カメラなどの調査をし、加奈子と直美が達郎を殺した事実を掴みました。
そんな頃、加奈子は達郎との子どもを妊娠していることが判明し、この子のためにも捕まるわけにはいかないとさらに必死に逃げるのです。
警察に任意同行を求められたり、陽子にカーチェイスさながら追いかけられたりしつつも、2人は無事に空港で出国審査をパスし、上海逃亡に成功するのでした。
小説『ナオミとカナコ』を読み終わった感想
冷静に考えればどんな理由があろうとやはり殺人は犯罪で、罪を暴き正しいのが妹の陽子で、罪を犯し間違っているのが直美と加奈子の2人と分かるのに、この小説が直美と加奈子の心理描写をリアルかつ丁寧におこないすぎているからか、2人に感情移入しすぎてまるで共犯者の気分になっていました。
殺害計画がどんどん破綻していくあたりはスピード感もあり、自分まで追い込まれている気分でした。
でもやっぱり2人は捕まるのかと思いきや、空港で逃げ切れるラストは意外性があり面白かったです。
小説『ナオミとカナコ』で印象に残った名言
私が小説『ナオミとカナコ』を読んで特に印象に残った名言です。
「小田直美」のセリフ
いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那。
小説『ナオミとカナコ』の評価や口コミ
他の方が小説『ナオミとカナコ』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
奥田英朗『ナオミとカナコ』「いっそ、二人で殺そうか、あんたの旦那。」ーナオミとカナコが、カナコのDV夫を殺します。2人は逃げるためにさまざまなことをやらかします。この過程が最高に面白い。ジェットコースターに乗るような疾走感で一気読み必至。#読了 #読書垢 #読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/Rdio3a1nKG
— ねこまる (@EsAAxMiNaz0nfHW) December 14, 2021
『ナオミとカナコ』奥田英朗 #読了
苦しんでいる親友の夫を"排除"するために完全犯罪を企てる、ナオミとカナコ。気づくと息が止まっている、って時があるくらい、夜中に一気読み。
奥田英朗さんてカメレオンのような作家だよね、笑える物語も多いから、たまに見せるシリアスはグッとくるな。 pic.twitter.com/eEJWTOwnN5
— Akane🔖読書 (@nir_books_akane) April 4, 2021
ちょっと早めに布団に入って眠くなるまで読書タイム。
今日から奥田英朗さんの「ナオミとカナコ」を読むのだ。
奥田さんの長編読むの久しぶり。奥田さんは短編も面白いけど、長編の面白さも格別だから楽しみです。
これ昔ドラマになってたような気がする。#奥田英朗 #ナオミとカナコ #読書 #本 pic.twitter.com/fJhTHSrpdW
— クラッピー (@cpu8e) February 20, 2022
おわりに
私が小説『ナオミとカナコ』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。