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書籍のレビュー

【書評】『消えた神父を追え!』のレビュー|書籍を読んだ感想は「迷宮入りのスチュワーデス殺人事件を追跡し謎を解く」

兵庫県にお住まいの67歳の男性(流通・小売系:通信販売業)が、2022年12月頃に読んだ『消えた神父を追え!』に関するレビューをご紹介します。

本書の概要や内容を分かりやすく要約し、まとめていますので、書籍から学んだこと、感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。

この本から学べるポイント

  • 事件当時の現場の様子。
  • 容疑者の神父が生存してカナダで成功し、現地で尊敬されていること。
  • 事件の最重要容疑者である神父に著者が半世紀以上経過してからインタビューに成功したこと。

『消えた神父を追え!』を購入したきっかけ

1959年3月に起きたBOACスチュワーデス殺人事件は、松本清張の小説「黒い福音」のモデルにもなった有名な事件です。

BOACとは英国航空のことで、当時27歳の日本人客室乗務員が東京都杉並区の善福寺川で水死体として発見されました。

最初は自殺と言われていましたが、司法解剖の結果、他殺の疑いが濃いということで捜査が始まりました。

ベルギー人のカトリック教会の神父が容疑者として取り調べを受けたのですが、神父は国外逃亡し、事件は未解決に終わりました。

著者はこの神父の行方を追い、海外取材に出かけます。

私はこの事件に昔から興味があり、事件の顛末を知りたかったので購入し、読みました。

『消えた神父を追え!』の概要

1959年に発生したBOACスチュワーデス殺人事件は、容疑者がカトリックの神父だったため、捜査は困難を極めました。

神父が帰国する際の混乱に紛れてしまったため、事件は未解決のままとなっています。

著者であるルポライターは、事件の真相やその後の神父の行方を知るために、神父の母国のベルギー大使館、当時神父が働いていた教会関係の出版社、事件現場などを訪れ、調査を進めました。

そして、容疑者と同姓同名の人物がカナダに存在することを突き止め、カナダまで取材に行き、神父との面会に成功しました。

この本には著者が国内外で取材をし、真相を突き止めようとした奮闘の記録が描かれています。

基本情報

  • 著者:大橋 義輝
  • ISBN:9784763410610
  • 出版社:共栄書房
  • 判型:4-6
  • ページ数:192ページ
  • 定価:1500円(本体)
  • 発行年月日:2014年08月
  • 国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF

『消えた神父を追え!』のYouTube(ユーチューブ)

『消えた神父を追え!』について、YouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説している動画がないか調査いたしました。

残念ながら、本書を詳しく紹介しているYouTubeチャンネルは見つからなかったため、本ブログで要点をまとめて伝えられればと思います。

『消えた神父を追え!』から学んだことの要約とまとめ

『消えた神父を追え!』から私が学んだ主要なポイントは3つです。

私が学んだこと

  • 事件当時の現場の様子
  • 容疑者である神父が現在は生存し、カナダで活躍中
  • 事件の主要な容疑者である神父への半世紀以上経過したインタビューの成功

私は2013年秋に、容疑者のベルギー人神父の行方を探すためベルギー大使館に連絡しました。

古い事件だったこともあり、回答があるとは期待していませんでした。

ですが、大使館から神父と同姓同名の人物が、カナダのニューブランズウィック州の教会関係の施設にいるという情報を得ました。

真実を確かめるべく取材を続けていき、神父の写真が送られてきたところで、わずかな手がかりを元にカナダへと取材に赴きました。

事件は50年以上前のもので、しかも容疑者は外国人でしたので、情報を手に入れるのは難しく思えましたが、粘り強く取材を続け、ついに神父の行方をつかむことができました。

事件当時の現場の様子

1959年に発生したBOACスチュワーデス殺人事件では、神父である主要な容疑者が、弁護人やバチカン市国の書記官立ち合いのもとで事情聴取を受け、最終的に海外逃亡し、事件は未解決となりました。

私はこの事件に興味をもち、事件現場である杉並区の善福寺川を訪れ、事件当時の様子について住民に質問しました。

質問した住民の中には偶然にも女性の遺体の第一発見者がおり、善福寺川の過去の様子や遺体の状況についての貴重な証言を得ることができました。

容疑者である神父が現在は生存し、カナダで活躍中

私は、容疑者の神父の消息を追ってカナダへと飛び、神父がいると言われていたセントジョン市を訪れました。

現地のタクシードライバーの協力を得て、神父が建てた教会を見つけました。

教会には私が以前送られてきた写真と同じ神父の写真が飾られており、神父は間違いなくこの教会にいると確信しました。

また、神父が成功者として尊敬されている様子を見聞きし情報を得ました。

事件の主要な容疑者である神父への半世紀以上経過したインタビューの成功

カナダに渡り、言葉の違いや文化の違いに苦しみつつも、現地の親切なタクシードライバーの協力を得て神父が建てた教会そして神父が住んでいるマンションを見つけることができました。

神父は最初、私に対して不信感を抱いていましたが、日本の思い出話などを共有し、次第に心を開いてくれた結果、真実を話すことに同意しました。

しかし、神父は既に90歳を超えており、またガンを患っていることを告白しました。

神父の生涯を知るにつれて、人間の運命の不可思議さを痛感しました。

『消えた神父を追え!』の感想

1959年のBOACスチュワーデス殺人事件は、日本の代表的な未解決事件であり、果たして容疑者の神父がその後どうしたのか気になっていました。

しかし、その後、マスコミでは話題にもならず、容疑者の消息を知ることはないと諦めていました。

しかし、この本の著者である大橋義輝氏は、執念で事件の痕跡をつなぎ合わせ、様々なルートを取材し、ついに神父が生きていてカナダで成功者となっていることを突き止めました。

この真実を追求する粘り強い取材に大変感動しました。

『消えた神父を追え!』の評価や口コミ

他の方が『消えた神父を追え!』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

松本清張の「黒の福音」のあの事件のその後。副題の「BOACスチュワーデス殺人事件の謎を解く」というのは、事実ではない。著者がカナダまで行って、あの神父に会ってきたが、肝心の問いはしなかったというだけの話。ただ、同行のタクシー運転手が、初対面の神父の凄まじい形相を見て、「殺人犯のようだ」とコメントしている。わざわざ日本人が自分を探し当ててやってきたということで、警戒心が強かったのだろう。終戦後のサレジオ会の、お行儀の悪さ(闇屋まがいの資金稼ぎ)にも触れているし、現在のサレジオ会の幹部との面会の様子を紹介しているし、死体発見現場にも行き、第一発見者の兄弟にも会って話を訊いているのが目新しい。90歳を超えた神父の「私は年寄りだ、もうすぐ死ぬのだ」という呟きをどう聞くか?
Amazonの口コミ

有名な事件でその後の神父さんの行方は書籍等で仄聞する程度で現在の状況には非常に興味がありました経緯から当人との出会いまで流れがよく理解できましたが、淡々とした流れで幾分食い足りないような印象でした現地で成功するまでの経緯などもっと掘り下げていただければさらに良かったかなと思いました
Amazonの口コミ

神父に関する情報は知っていました。一年近く前にネット上に上がっていて、それは下の英文で検索すると見つかります。Louis Vermeersch, a murder suspect, may live in Canada事件の翌年の1960年からカナダに住んでいるという情報も他で見つかります(事実かどうかは別として)。逃げるように日本から離れたことを思うと、とてもシロとは考えにくいです。神父を離日させたS会も神父の罪に気付いていないはずはなかったでしょう。現在はともかく、当時は結構うさん臭い教団だったようなのでなおさらです。事件後何十年も清廉潔白な人生を送って来たからと言って、殺人の罪が赦されるものではありません。聖職者の端くれなら、死ぬ前に自分の罪を明らかにしてもらいたいです。先行のレビュー様と同様、神父に対するつっこみの足りなさには失望を禁じ得ません。
Amazonの口コミ

文章は平易で読みやすい、が内容は物足りない。ジャーナリストであるなら、又多くの読者が期待していた質問「やったのはあなたですよね」は聞くべきであった。あとがきで英会話講師殺人犯の市橋達也に触れているが、逮捕されたのは神戸のフェリーターミナルと記載。実際は大阪の住之江のターミナルである。ジャーナリストであるなら細部まで正確さを持って欲しい。
Amazonの口コミ

まずタイトル。「消えた神父を追え!」はその通りですが、「BOACスチュワーデス殺人事件の謎を解く」は何にも解けていないじゃないですか。埋もれていた事実を丹念に掘り起こし、その半世紀以上眠っていた情報を神父に付きつけ、という展開かと思ったら、肩すかし。あまりに内容が薄くがっかりでした。
Amazonの口コミ

みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!

おわりに

この事件だけではなく、様々な未解決事件に興味を持ち、3億円事件やグリコ森永事件、世田谷事件等、多くの書籍を読み込んだり、現場を訪れたりして自分なりに研究を行っています。

私はプロの記者ではないので、大規模な取材力はありませんし、警察とのつながりもないため、真相に迫るのは難しいと感じています。

しかし、本書の著者のように何年もかけて事件の真相を掘り起こし、ついに容疑者の神父と面会に至ったのは感銘を受けています。

私も著者を見習い、様々な事件の真相に近づきたいと思います。







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