神奈川県にお住いの22歳女性(流通・小売系:出版)が2022年12月頃に読んだ『マザリング・サンデー』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめておりますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
『マザリング・サンデー』を購入したきっかけ
この小説は、わたしが応援していていつも拝読している書評家の方がおすすめをされていたので、ぜひ読んでみたいと思いました。
また、海外文学がすきなことも気になった理由のひとつです。
こちらのレーベル、「新潮クレストブックス」は多彩な海外文学を楽しませてくれる、学生時代よりお気に入りのシリーズです。
いつも新刊をとても楽しみにしています。
読み始めるまでは、マザリングサンデーという言葉を知らず、意味はわからずにおりました。
『マザリング・サンデー』の概要
ご主人さまと奉公人の関係性がぴしりと立っているような小説です。
お支えをする立場で、自分を雇っている人と恋仲に落ちてしまう女性。
どうなることかとはらはらしました。
ラストには2人の女性たちが、想い人を亡くしてしまうことでストーリーが終了します。
もしそうでなければ、また別の騒動が起きていただろうと思わせる小説です。
マザリング・サンデーとは、メイドとして働く人たちが年で唯一、里帰りを許される日だそうです。
『マザリング・サンデー』の基本情報
基本情報
- 出版社:新潮社
- 著者:グレアム・スウィフト(訳:真野泰)
- 定価:本体1,700円+税
- 発行年月:2018年03月30日
- ページ数:176ページ
- ISBN:978-4105901455
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.shinchosha.co.jp/book/590145/
『マザリング・サンデー』のYouTube(ユーチューブ)
『マザリング・サンデー』についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
残念ながら本書を紹介しているYouTubeチャンネルはなかったため、本ブログにて要点をまとめてお伝えできればと思います。
『マザリング・サンデー』から学んだことの要約とまとめ
『マザリング・サンデー』から私が学んだポイントは大きく3つの内容です。
私が学んだこと
- 身分差について
- 家族の大切さについて
- 自分の力で切り拓くこと
はじめて知った、「マザリング・サンデー」という言葉に衝撃を受けました。
年に一度、誰かにお支えする身分の人たちが自分の実家へ帰り母へ会うことが許される日だそうです。
メイドさんには、年に一度しかお休みがないのですね。
その事に衝撃を受けましたし、そんなメイドさんたちが国民の半分ほどであった時代もあると読み愕きました。
せっかくのマザリング・サンデー。
そしてとてもよく晴れた日に、主人公は帰るお家がありません。
そのことを想いました。
身分差について
現代の日本に生まれると、あまり身分差とは感じづらいものなのではないかなと思います。
わたしはこうして、小説を読むことで初めて知ることがいつもたくさんあります。
メイドさんたちは本当に立派だと思います。
そしてそれを当たり前のように使っている人がいることをとても悲しく思います。
誰かにお支えすることでしか生きていく道がない人たちが少しでも減りますように。
マザリングサンデーは与えられるような稀有なお休みでありながら、この両者を圧倒的に隔てる1日だと思いました。
家族の大切さについて
逆に捉えれば、そんなに珍しく年に唯一のお休みの名がマザリング・サンデーということにも感動しました。
お母さんに会いにいく日。
昔より家族は特別に大切なものであり、また自分をお腹を痛めて産んでくれた母という存在はその中でも特別なものだと考えられていたのでしょう。
さらに、年の1日を除いて常に休みなく働いている身分の人にも、マザリング・サンデーは必要であると考えられていたことには、唯一の救いだなと思いました。
自分の力で切り拓くこと
主人公の女性はマザリングサンデーを帰る家なくすごすシーンに始まり、とてもご立派な女性へと変化されます。
のちにわかるのは彼女はとても賢く優秀な人材であったこと、それをご主人さまもきちんと認めてくれていたということでした。
そのギフトを彼女は存分に生かす事に成功し、のちに作家となります。
それはわたしには人生大逆転のようにも思えました。
ことばが好きであるということを大切に、書店で務め、物書きになる。自分の人生を切り拓いた女性のものがたりだと想います。
『マザリング・サンデー』の感想
知らないことだらけの世の中の一部分に驚きつつも、圧倒的な力を秘めた主人公は感服せずにはいられませんでした。
自分よりもきっと大変なスタートを切った人生で、これだけ立派なことを収められるとは、主人公はとてもすごい女性だと思います。
そんな主人公への尊敬の念を忘れずに、わたしも自分の力で、自分の人生を切り拓いていける人になりたいと強く思いました。
主人公にとても勇気を分けてもらいました。
いまならなんでもできるような気がしています。
『マザリング・サンデー』の評価や口コミ
他の方が『マザリング・サンデー』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
今日の早朝読書はこちら!映画「帰らない日曜日」の原作。作者さん男性だよね…?というのは翻訳の妙でしょうか。静かに始まった3月のマザリング・サンデー。主人公ジェーンはメイドで今日はお休み。ポール坊ちゃまから電話。まるで6月のような暖かさ。映画の場面を思い出しつつ読む。 pic.twitter.com/miFZhe1Rs6
— まあさ258 (@maasa258) May 18, 2022
グレアム・スウィフト「マザリング・サンデー」#読了
今月27日に公開される映画「帰らない日曜日」の原作。愛と性と自由と、そして物語と想像力についてのお話なのかなあと思った。死ぬまで忘れられない思いがけない1日がどのように映画で描かれるのか、観るのが楽しみ。 pic.twitter.com/IhKfaJ2xix— のら (@nora46107652) May 24, 2022
さて、今日は日曜なので、グレアム・スウィフト『マザリング・サンデー』(真野泰訳)を読みました。孤児のメイドの人生ががらりと変わる一日を描いた、奥深い物語です。もしかしたら、だれにでもそんな一日があるのかもしれません。コンラッドの「青春」を読んでみたくなりました😽 pic.twitter.com/BaqKaAijVh
— Reiko Nobuto (@RNobuto) August 2, 2020
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
自分のことを卑下しないこと、また、自分に自信と誇りを持つことはとても意味のあることかなと思いました。
気持ちひとつで変化するものは、確かにあるのだと感じました。
わたしは基本的に自信がなく、おどおどとして弱気に見えると言われます。
自覚もあります。
それはあまり良いことではないと日頃より思っていましたが、この本を読んでさらに強く感じました。
わたしも主人公のように正確に己の能力を見極めて、人生を歩んでいきたいです。
次に読みたいと思っている本は『silent』です。
たくさんの人が熱狂したドラマのようなので気になります。