山形県にお住いの30歳男性(メーカー系(電気・電子・機械系):製品開発)が2022年1月頃に読んだ『トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめておりますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
『トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書』を購入したきっかけ
新設された部署に異動となり、組織を運営、維持するにあたって組織づくり、標準化、手順書作成、品質の判定基準作成等に役立てる為本書を購入しました。
作業マニュアルや試作品の品質の良し悪しを判定する基準が全くない状態だったので、品質の作りこみや組織造りについて記述してある書籍をピックアップしました。
中でも、作者の立場がメーカー出身者という点、手法だけでなく実際の体験をインタビュー形式で書かれている章もあり、非常に読みやすかったので本書の購入を決意しました。
『トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書』の概要
なぜなぜ分析や旧新QC七つ道具、FTAやFMEA等、製造業、メーカー勤務の方なら一つは目にしたことのある現状把握、課題形成、潜在リスクの検討で使われる手法が17個、細かい手法を合わせると29個の手法が紹介されています。
構成としては、品質とは何かから始まり、なぜこのような手法が必要になってくるのか、実際の手法の紹介と章が進みます。
最後に作者のインタビュー形式の記述があり、単純に手法の紹介だけで終わらず、実際に起こったことを踏まえた考え方などモノづくり現場の声が聞ける章があります。
基本情報
- 著:皆川 一二
- ISBN:9784296107056
- 出版社:日経BP
- 判型:A5
- ページ数:296ページ
- 定価:2700円(本体)
- 発行年月日:2020年08月
- 発売日:2020年08月21日
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TBC
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:KC
『トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書』のYouTube(ユーチューブ)
『トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書』についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
「YouTube図書館」チャンネルが細かく解説してくれているので、本を読む時間がない方はこちらのYouTube(ユーチューブ)動画をおすすめします。
『トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書』から学んだことの要約とまとめ
『トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書』から私が学んだポイントは大きく3つの内容です。
私が学んだこと
- モノづくりの現場で使われる手法17個
- 品質づくりはモノづくり、ひいては人づくりである
- 品質の本質は顧客の期待を裏切らないこと
記載されている手法は製造業、メーカー勤務には必須な手法ばかりが載っています。
もちろん全ての手法がすぐにできるものではありません。
旧新QC七つ道具や統計的手法、重点管理については業界を問わず現状把握や課題形成の場で役に立つ手法なので、気になったものからすぐ業務に取り入れていくことができる1冊になっています。
また、なぜこれらの手法を使ってまで製品の品質や組織づくりをしなければならないのか、品質とは何かについても、実際の現場の声が記載されており、自分の仕事を見直すきっかけになりました。
モノづくりの現場で使われる手法17個
本書では手法17個、細かく分けると29個の手法が紹介されており、実例を交えながら大まかに手法を学ぶことができました。
現在、新旧QC7つ道具を使っていますが、現状把握に使いやすい、取り入れやすい手法であり、自分の考えを整理する、相手に伝えるという場面で見える化は重要だと学びました。
また、品質管理検定(QC検定)でも用いられている手法もあり、範囲的には4~3級程度の内容をここから学ぶことができました。
資格取得という面でも、導入として本書1冊を読んで興味があったら資格を取ってみるのもいいかもしれません。
品質づくりはモノづくり、ひいては人づくりである
手法の紹介以外にも、品質の造り込みについて言及されています。
一言で品質をつくり込むと言われても考え方は沢山あると思います。
本書では、モノをつくる、人をつくる、仕事の質をつくるという3本の柱で言及されています。
多く、長くモノづくりをする為にも、人を作ることが重要であり、個人の仕事の質を上げることで組織全体が向上することができます。
個人差によるアウトプットのばらつきを抑えるだけでも、一定の品質になり、ばらつきを抑えるためにも標準や手順、考え方のものさしが必要です。
経験や知識差を無くす為にも誰でも使える手法は必要なのだと学びました。
品質の本質は顧客の期待を裏切らないこと
これはモノづくりだけでなく、全ての人に当てはまります。
大概の業務が大きな流れ作業である以上、後工程に携わる人は必ずいます。
後工程の方を顧客だと想定し、今自分が行っている業務のアウトプットを考えると、納期は十分か、見やすいのか、誤字は無いか、内容は理解してもらえるかなど改善点は出てきます。
例え顧客と直接顔を合わせない間接業務1つをとっても、誰が顧客にあたるのかを考えて仕事をするとアウトプットの質は少しづつ改善することができます。
『トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書』の感想
昨今、仕事のノウハウ本は複数出ておりますが、これほどの数の手法を紹介した本はあまり見たことがありません。
手法についても標準作りに生かせそうなもの、現状把握に使えそうなもの、潜在リスクの洗い出しに使えそうなものとバラエティに富んでいました。
少しずつ自分の業務に取り入れていきたいと思います。
手法自体も今から始められそうなものもある為、業務改善しろと言われたが何から始めたらいいか分からないと愚痴っていた同僚にも勧めてみたいと思います。
新人教育といった場面でも、業務に取り入れられるものを本書から1つ抜き出して実行させてみるのも面白いかもしれません。
『トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書』の評価や口コミ
他の方が『トヨタ必須の17の品質管理手法を伝授 品質の教科書』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
品質について知りたいことが書いてあった。品質について一通りのことが書かれており、知識の整理に役立った。
Amazonの口コミ
good
Amazonの口コミ
全てを即実践は出来ないけど、やれるところから、コツコツと始めようと思うような教本でした。
Amazonの口コミ
基本的にトヨタすごい、わたしの会社はできている。ほかの会社は形だけやっているようで実質はできていない。トヨタもデンソーも品質管理は徹底していて漏れがない。というようなことをずっと書いています。この著者が言っていることが本当ならトヨタとデンソーはリコールなど出ないはずですよね。自分が出来てないことを語っている感じでしょうか
Amazonの口コミ
大変参考になりました。
Amazonの口コミ
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
新旧QC7つ道具、統計的手法は特別なソフトウェアや環境が要らないので現状把握と課題形成の場面で活かしていきたいと思います。
また、作業標準や手順書についても、チェックリスト、フロー図等を取り入れて大枠を作り始めたいと思います。
現状把握、品質特性が見える化できたら今度は管理図等を使い、試作品の品質判定のものさしを作ろうと思います。
本書で紹介されていた手法だけでなく、今自身が行っている仕事の品質を考えさせられる良いきっかけになりました。
次に読みたいと思っている本は『数値化の鬼』です。
見える化は数値化と似たような考え方なので、業務の参考になればと思いました。