東京都にお住いの29歳女性(流通・小売系:コールセンター)が2022年4月頃に「映画館」で見た映画『カモン カモン』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『カモン カモン』を見ようと思ったきっかけ
とにかくこの映画の監督、マイクミルズの撮る作品が大好きなので、彼の新作というだけで観たい!となりました。
それに主演はあのホアキンフェニックス、彼は「ジョーカー」で有名ですが、どんな役でもその本人かのように演じられるので、今回の普通の叔父という役柄の彼を観れるのも楽しみでした。
映像に関しては、白黒というのも今の時代なかなか新作で白黒作品はないので、それも楽しみの一つでした。
シンプルそうで深みのあるヒューマンドラマといった作品全体の雰囲気も好印象でした。
映画『カモン カモン』の内容
主人公はホアキンフェニックス演じる、ニューヨーク在住のラジオジャーナリスト。
彼は妹に甥っ子ジェシーの面倒を数日間頼まれ、戸惑いながらも交流を通して、切なく複雑だけれど温かい、そんな絆が生まれていくというストーリーです。
妹の家庭も複雑な事情を抱えており、ジェシーは一見無邪気で奔放だけど、幼いながらにそれを敏感に感じ取っています。
叔父と過ごすことで、抱えた気持ちが徐々に解放されていく様もとても美しいです。
映画『カモン カモン』の作品情報
作品情報
- 監督:マイク・ミルズ
- 脚本:マイク・ミルズ
- 製作:チェルシー・バーナード/アンドレア・ロングエーカー=ホワイト/リラ・ヤコブ
- キャスト/出演者:ホアキン・フェニックス/ギャビー・ホフマン/ウディ・ノーマン(英語版)
- 音楽:アーロン・デスナー(英語版)/ブライス・デスナー(英語版)
- 日本公開日:2022年4月22日
- 上映時間:108分
- 公式サイト:https://happinet-phantom.com/cmoncmon/
映画『カモン カモン』のあらすじ
ニューヨークでラジオジャーナリストとして働く独身の男。ある日、ロサンゼルスに暮らす妹に頼まれ、彼女の9歳の息子の面倒を見ることになる。現地へ赴き慣れない共同生活をする中、妹の留守が長引くことになる。仕事の都合で帰らなければならない彼は、甥を連れてニューヨークへと戻る。
映画『カモン カモン』の予告編
映画『カモン カモン』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『カモン カモン』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 温かく優しいのに心えぐられる不思議
- マイクミルズ監督は誰のことも否定しない
- 辛いことは辛い、悲しいことは悲しいって言っていいんだ!
温かく優しいのに心えぐられる不思議
叔父と甥の会話のやりとりを中心に話が進むのですが、ほっこりするなかにもハッとさせられるセリフが多かったです。
子どもだから分からない、いやむしろ子どもにしか分からない感じ取れないこともたくさんあって、大人は日々それに気づかなかったり…。
そういったことが積み重なり、知らぬ間に子どもは自分のなかに色々抱え込んでしまっているのだなと思いました。
それがうまく吐き出せない気持ちは私自身も痛いほど経験があるので、観ていて結構辛かったです。
マイクミルズ監督は誰のことも否定しない
マイクミルズ監督の作品は総じて「優しい」のです。
色々なバックグラウンドを抱えた人たちを扱っても、決してその人たちを否定しません。
分かり合えないこともあるよね、という感じで一種の諦め(決して悪い意味ではなく、生きていくための術としての)、その上での優しさを感じます。
この映画内でも、色々なバックグラウンドを抱えた子どもたちがインタビューされるシーンがあるのですが、どうしようもない環境に置かれた子どもであったり、その中でも強く生きようとする言葉に胸打たれました。
勝手に、みんなが幸せになってほしいというメッセージを感じました。
辛いことは辛い、悲しいことは悲しいって言っていいんだ!
世の中では、普通の家庭に育って、普通に学校に行き、普通に働き、普通に結婚して、普通に家庭を持って・・・という謎の「普通」を強要されます。
その中で子どもの頃から「普通」になれなかった人間はどうしたらいいのか?家族にすら本音を言えなかった人間はどうしたらいいのか?
辛いけれど強く生きなければいけないという考えが美しいとされるけれど、ちゃんと辛いことを辛いと思えることも、それをちゃんと表現できることも美しいのではないかとも思うのです。
映画『カモン カモン』を見終わった感想
正直涙が止まらなかったです。
子ども時代に少し辛い環境や特殊な環境で育った大人には特に響き過ぎて、辛くなる可能性があります…。
それでも置いてけぼりにされない優しさや温かさが根底にあるおかげで嫌な気分にはなりませんでした。
白黒の映像と会話メインの集中できる演出の作品だったため、つい自分の心と対話しながら色々なことを考えてしまったのだと思います。
次は映画館ではなく、一人でじっくり向き合いながら観たいと思います。
映画『カモン カモン』で印象に残った名言
私が映画『カモン カモン』を見て特に印象に残った名言です。
「主人公のジョニー(演 ホアキンフェニックス)」のセリフ
「幸せじゃないって言っていいんだ」
映画『カモン カモン』の評価や口コミ
他の方が映画『カモン カモン』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
#カモンカモン
ホアキンだからよけい沁みる…だってすぐキレて逃げ出しそうじゃんホアキン…こんなん絶対小さい頃の甥っ子思い出しちゃう!隠れんぼしてると必ずクスクス笑ってしまって「なんでやろーどうしても笑ってしまうっちゃん…」って
かーわいかったなあ☺️ pic.twitter.com/XQx3RaOq6B— なぁ (@na_movie2) November 20, 2022
モノクロームのとても美しい映像と思わず書き留めたくなる台詞に満ちた作品。ホアキン・フェニックスとウッディ・ノーマンが素晴らしい。
子どもへの敬愛に溢れ、腹の出たくたびれおじさんも捨てたもんじゃないと。
レンタル可。#カモンカモン https://t.co/h9CJaOEaUS— 荒野のスナフキン4 (@snafkin_4) November 17, 2022
映画
「カモンカモン」カモンカモンって
そういう事やったんかい
粋な映画でしたよ
色々思い出してね
もう
たまらなかったですよ#カモンカモン pic.twitter.com/327eqCtx3C— チャンス大城 (@ooshirofumiaki) May 6, 2022
おわりに
私が映画『カモン カモン』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『リコリスピザ』です。
1970年代のロサンゼルスを舞台とした、青春ドラマですが、年上彼女との甘酸っぱい恋愛がとても楽しみです!