千葉県にお住いの41歳男性(流通・小売系:物流センターの検品担当)が2023年12月頃に「WOWOWプラス」で見た映画『クリスタル殺人事件』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『クリスタル殺人事件』を見ようと思ったきっかけ
可愛らしい女子高校生探偵に頭脳明晰な女子大生探偵、エリート女刑事から孤高の女探偵まで。
男社会を強く軽やかに渡り歩いていくヒロインも魅力的ですが、彼女たちが皆一様に「女性ならではの視点」で謎を解くのは皮肉なもの。
その点ではアガサ・クリスティーが生み出したミス・マープルは異彩を放っていて、何しろ完全なおばあちゃんで「女」であることさえ求められていないんですから。
1980年にイギリスで制作、日本でも翌年に公開された名作で前々から興味がありました。
映画『クリスタル殺人事件』の内容
ロンドンから40キロ南進すると見えてくるのがセント・メアリー・ミード、鉄道では15分でバスだと50分くらい。
いつもは静かで小さな村がやけに騒がしいのは、ハリウッド女優マリーナ・グレッグが滞在中だからです。
そんな最中にヘザー・バブコックという女性が中毒死、マリーナの熱烈なファンを自称してしつこく付きまとっていたとのこと。
警察でさえ手を焼く今回の事件の真相にいち早くたどり着いたのがジェーン・マープル、一見するとごく普通の老婦人ですがその驚くべき才能とは?
作品情報
- ジャンル:サスペンス・ミステリー ドラマ
- 製作国:アメリカ
- 製作年:1980
- 公開年月日:1981年7月4日
- 上映時間:105分
- 製作会社:ジョン・ブラボーン/リチャード・グッドウィン・プロ作品
- 配給:東宝東和
映画『クリスタル殺人事件』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『クリスタル殺人事件』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 毎日元気の秘訣は行動力と好奇心
- 華やかな銀幕の裏ではドロドロの愛憎ドラマが
- ティーブレイクにひと匙の隠し味が
毎日元気の秘訣は行動力と好奇心
かなりの高齢かと思われるマープルさんですが、背筋はピンと伸びていてその足取りは実に軽やか。
近所のいたずらっ子が犬を放したために危うく転倒しそうになりますが、たくさん歩いているため骨が丈夫で怪我ひとつしません。
毎朝の食卓には潰したニンジンと牛乳、風疹や三日ばしかなど伝染病が流行しているこの時代に病気ひとつしたことがないとか。
食事のあとは望遠鏡で窓の外を一望、単なるバードウォッチングというよりは人間観察と言えるでしょう。
華やかな銀幕の裏ではドロドロの愛憎ドラマが
新作映画の撮影隊がやって来て活気づいているセント・メアリー・ミード。
主演のマリーナはサイレント期に活躍した女優さんで現在は落ち目、トーキー全盛期に入ってから人気を集めてきたのが共演者のローラ・ブルースター。
過去にはひとりの男性を奪いあって険悪だったというふたり、表面上は友好的でもその胸のうちまでは分かりませんね。
勝負服はブルーのドレスだというマリーナと、ピンクの帽子をトレードマークにしているローラとのコントラストにも注目して下さい 。
ティーブレイクにひと匙の隠し味が
通報を受けてスコットランドヤードから駆け付けてきたのはダーモット・クラドック、敏腕ですがマープルからするとまだまだ可愛い甥っ子。
エリート警部も大好きな叔母さんの前ではリラックスした様子、捜査がひと段落つく度にお手製紅茶とピーチジャムをご馳走になっていますし。
紅茶といえばイギリスのアフタヌーン文化、アメリカ人のマリーナはコーヒーやホットチョコレートでひと息いれていますよ。
カフェイン中毒で眠れなくなったり、カカオの取り過ぎで味覚が鈍らなければ良いのですが。
映画『クリスタル殺人事件』を見終わった感想
数々の栄光に輝いて欲しいものは何でも手に入れてきたはずの大女優マリーナ、かつて愛した人との結婚が許されず生涯の未婚を誓ったミス・ジェーン・マープル。
世間的には「勝ち組」なマリーナが、仕事でもプライベートでも満たされていないことが段々と分かります。
一方のマープルといえば他人の評価や噂話には耳を貸さずに、我が道を歩いていて潔かったです。
意外な真犯人を卓越した推理力で見破るものの自らの手柄は一切主張せず、静かな日常へと帰っていく彼女の後ろ姿も忘れられません。
映画『クリスタル殺人事件』で印象に残った名言
私が映画『クリスタル殺人事件』を見て特に印象に残った名言です。
「ジェーン・マープル」のセリフ
殺人事件はジグソーパズルと同じよ、最後のピースをはめるまで全容は見えない
映画『クリスタル殺人事件』の評価や口コミ
他の方が映画『クリスタル殺人事件』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
「クリスタル殺人事件」
アガサ・クリスティ原作『鏡は横にひび割れて』の映画化。
ミス・マープルの人間観察と経験、推理が冴える。
テニスンの詩"シャーロット姫"のモチーフ。
感染症の恐怖、何気ない行動の是非、無知への批判。
このご時世をタイムリーに皮肉る悲劇は必見。#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/rxGK9888sd— レク (@m_o_v_i_e_) March 28, 2020
というわけで明日28(土)午後一時半から映画『クリスタル殺人事件』(原作 アガサ・クリスティー『鏡は横にひび割れて』)が放送されますよ〜。激推しする理由は言えないんですけど、いろんな意味で今観ておくといいと思います! <重要 https://t.co/XyC3poes2S
— ♪akira (@suttokobucho) March 27, 2020
最愛のミステリー映画『ナイル殺人事件』(78)の日本版テーマ曲「ミステリー・ナイル(歌:サンディー・オニール)」の謎を追っていた私は、『クリスタル殺人事件』パンフレットの表3にナイル以上の新たな謎を発見したのであった。
「ミステリー・シャドウ(歌:マリー・ルウ)」なんだ??これは…… pic.twitter.com/cFvvKl9BV7— 稲羽白菟 INABA HAKUTO (@sosuke_wadatumi) September 5, 2021
先日放送された「クリスタル殺人事件」再見。お話は2時間ドラマ的スケール、大スター顔見世を楽しむ映画です。見ものはやはりリズとロック・ハドソンの「ジャイアンツ」夫婦に47歳にしてグラマー全開なキム・ノヴァク。題名の意味不明な「クリスタル」、当時を知る人間には「なんとなく」わかるはず。 pic.twitter.com/HwdBz2eGTO
— 阿乱隅氏 (@yoiinago417) February 1, 2021
クリスタル殺人事件…。リズの相手役で出ていた当時27歳のピアース・ブロスナン(映画はこれが2本目?本編クレジットなし)。DVDで観てびっくりした思い出。 pic.twitter.com/B4Wf1XMxFp
— セイドンネ (@SEIDONNE) June 12, 2019
当時の凄さ、吹替演者の達者さ、うまさ、正に名人芸!!それだけで十分楽しめる一篇。いつもの灰色の脳細胞ポワロではなく、ステラおばさんじゃなくてマーブルおばさんが謎解きします。先日TV朝日で天海祐希主演でリメイクしてましたね。あれです。"鏡は横にひび割れて"が原本。元々アガサ・クリスティ原作の映画化って概ね大したことないので話自体はまぁどーでもいいかな。このおばさんをね、サザエさんの前カツオ、高橋和枝さんが当ててくれちゃってるんですよ。セリフ回しも流暢でまあぴったり。それを取り巻く人々は・・・他の方のレビューで詳しくご紹介されていたのでお任せして、その出来栄えたるや、まぁお見事!!女王武藤礼子と女帝小原乃梨子の"罵り合い"なんて、まぁもう、耳に心地よいよい。ここに聖女池田昌子が加わって、プレミアムな女子会ですな。ノンノンとのび太の口喧嘩をメーテルが解説している図。盛り上がらないわけがない!!それを見ているロッキー羽佐間道夫とロジャームーア広川太一郎、銭形警部納谷五郎という布陣。吹き替え版の幕の内弁当というより、正に宝石箱や~これだけでも持っておく価値ありありです。続きを読む
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ネタバレあります。2大美人女優競演。キレイだけど、若くはないので貫禄ありすぎ。これは有名な話。風疹に罹っているのに大好きな女優の舞台を、妊娠中の女優は風疹をうつされ障害のある子供を。女は後年その女優に会ったときに、具合が悪いのに舞台を観に行ったことを得意気に喋る。悪気はない無神経な女は、罰を受ける。ストーリーを書いたクリスティは、日頃こういった自称ファンの女性たちに悩まされたいたのでは思うぐらい上手い展開。映画TV版のほうが良い出来だが、スターの共演は充分に楽しめる。エイズで亡くなったロック・ハドソンは、凡庸な俳優と言われているようだがこの夫役はよかった。
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「ナイル~」や「地中海~」と違って、舞台がマープルおばさんの暮らす村セント・メアリ・ミードで終始するスケールのミニマムさもあり、映画というよりは、80年代当時NHKでも放送されていた英国BBC制作のドラマ「ミス・マープル」のオールスターキャストによるスペシャル版といった趣のある本作。でもそこがいいんです。いつかこんな村で暮らしてみたいな、と、私がイギリスの田舎に憧れを抱くようになったのも「ミス・マープル」や「おしどり探偵」といった80年代アガサ作品ドラマの影響でした。もちろん原作も読んでいますが、殺人事件を取り巻く緊張感や切迫感より、英国特有のユーモアやアイロニーがベースにある作品ですから、確かにサスペンスとしては緩いなと思うものの、むしろ前述したような、美しい英国の田舎の風景や町並(村並)。レンガ造りの家々、屋敷、教会といった建物の建築様式。室内の家具、調度品。1950年代のファッション、そういった世界観が楽しめる、ある種、記録映画としての側面を持ち合わせた映像作品としても素晴らしいと思います。こちらのKADOKAWA版には、まさに当時、私が英国の田舎に憧れを抱くきっかけになったテレビ放送時の吹き替えが収録されており、字幕もKADOKAWAから再発された旧ジェネオン版の他作品BDと同様、滑らかなフォントに改良され、とても読みやすくなっています。吹き替え版で改めて観てみると、冒頭のマープルおばさんが謎解きをする映画鑑賞会のくだりがテレビ放送時には丸々カットされていたことに少々驚いたりと新たな発見があり、そういった面白さもあります。因みに初見の方は他作品BD同様、本作封入の解説ブックレットも本編鑑賞後に読むことをお勧めします。謎解きの核心に触れる記述も多々ありますので。続きを読む
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今と違って昔は、日本の俳優兼声優をしている方のこれぞ吹き替えと言えるピタッとくる声の演技がたまらないです。今はアニメの声と映像とがマッチしない、へんに浮いた感じで下手としかいえない。みんな亡くなって、引き継がれなかったことが残念でたまらないです。吹き替えをなめんなよ。
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既にレビューされている方もいらっしゃるが、再生してみたところ日本語吹替えが収録されていない(ケースの言語も確かに英語としか書かれていない)。恐らく何かのミスなのあろうが、ウェブでこちらの商品のページを開くと、言語は「英語,日本語」と記載されているが、アプリで確認すると「英語」のみである。ブルーレイの収録されているのだろうか?この作品は吹替え入りのソフトが出ておらず、今回のソフト化でついに幻の吹替えが収録されるということで、2月から予約をし非常に楽しみにしていた。この2ヶ月の楽しみだった気持ちを返して欲しい。販売元かアマゾンのせいか知らないけれど、そこら辺説明や、場合によっては返品・交換等の対応をお願いしたい。※同時発売の「地中海殺人事件」「ナイル殺人事件」も少なくとも予約当時は日本語が収録されている内容だった。今回このDVDと同じく予約注文し手元に届いたものは、やはり日本語吹替えが収録されていないものだった。
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みなさんの映画を見た感想が面白いですね!
おわりに
私が映画『クリスタル殺人事件』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『倫敦(ロンドン)から来た男』です。