北海道にお住いの70歳女性(自由業:設計業務)が2022年1月頃に「映画館」で見た映画『銀河鉄道の父』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『銀河鉄道の父』を見ようと思ったきっかけ
友達と映画を見に行くことになり二人で数本の作品を選んだ作品のひとつです。
二人とも苦手のホラー、暴力、ギャンブルの内容を除いて、邦画を探していたところ「銀河鉄道の父」の公開を知りました。
たまたま見たテレビの連続ドラマ「宮澤賢治の食卓」が面白くて宮澤賢治に興味を持ったところでしたので、その父親を中心とする宮澤家の家族、親子の物語である事とその父親の政次郎を役所広司が演じ、賢治を菅田将暉が演じるという点が決め手です
映画『銀河鉄道の父』の内容
質屋を営む宮澤家に跡取りの男児が誕生し、賢治と命名されます。
政次郎は青年になった賢治に稼業を継ぐ事を勧めますが、進学を希望して稼業は継がないと断言します。
農業や人造宝石仕事に携わり、さらに宗教にまでのめり込む始末です。
そんな健治を叱りつつも、両親は賢治への協力を続けます。
やがて妹・トシが結核で死亡してしまい賢治は悲しみにくれます。
政次郎は賢治が物語を話すのを喜んで聞いていた妹の為にも物語を書くことを勧め賢治は物語を書くことに没頭しますが、やがて、妹と同じ結核で死亡します。
賢治の死後も、家族は作品を世に送り出し続けました。
作品情報
- ジャンル:文芸 ドラマ
- 製作国:日本
- 製作年:2023
- 公開年月日:2023年5月5日
- 上映時間:128分
- 製作会社:木下グループ(制作:キノフィルムズ=ツインズジャパン)
- 配給:キノフィルムズ
- 公式サイト:https://ginga-movie.com/
映画『銀河鉄道の父』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『銀河鉄道の父』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 子供の賢治が病気で入院した時、父の政次郎は自分が付き添うと言って、女達に任せず自ら看病をします明治時代に男が子育てに関わるなんて考えられません
- 稼業の質屋を継ぐ事を拒み、農業大学へ進学や人造宝石の製造、さらに宮澤家とは違う宗教に入るなど、いろいろなことに挑みますが、それを叱りながら、怒りながらも許してしまう父妹・トシが結核で死亡します
- 妹・トシの死後、賢治は作家の道を歩き始めますが賢治もまた結核で死亡します生前に書かれた作品を託された家族は世に送り出し続けました
子供の賢治が病気で入院した時、父の政次郎は自分が付き添うと言って、女達に任せず自ら看病をします明治時代に男が子育てに関わるなんて考えられません
明治時代ですから本来ならば家長の政次郎は大黒柱であり常に威厳のある態度を示し、看病は女達にさせるのが当たり前なのですが、父親としての気持ちが勝り、診察は母親と行かせたものの入院の付き添い、本来母親がする看病を自分がすると言い張って療養中の賢治から離れず尽くす姿は賢治に対する政次郎の親心の深さを感じさせ、新しい父親の姿が表現されています。
また、同じ病室の入院患者達一人ひとりに丁寧に挨拶する態度からは律義な性格の人柄を感じます。
稼業の質屋を継ぐ事を拒み、農業大学へ進学や人造宝石の製造、さらに宮澤家とは違う宗教に入るなど、いろいろなことに挑みますが、それを叱りながら、怒りながらも許してしまう父妹・トシが結核で死亡します
賢治は稼業を継がずいろいろな事をしますが、結局何も身につかず、何もできなかったのですが、常に賢治を信じ、応援し続けてくれた妹・トシが結核になり、病気の妹の為に物語「風の又三郎」を書いてそれを読んで聞かせますが。
トシはやがて息を引き取ります。
妹の死後打ちひしがれている賢治に物語を書く事を勧めた政次郎は「私が宮沢賢治の一番の読者になる」と言い、賢治を見守り、支え続けます。
母、弟、妹の、何があっても家族みんなが味方になり続ける温かい家族の思いも感じられます。
妹・トシの死後、賢治は作家の道を歩き始めますが賢治もまた結核で死亡します生前に書かれた作品を託された家族は世に送り出し続けました
妹・トシの死後、賢治は作家の道を歩き始めますが、高い評価をされるものの、なかなか作品を世に出す事が出来ません。
やがて、賢治もまた結核と診断されます。
政次郎はどうしてもその事実が受け入れられませんでしたが逃れられませんでした。
賢治は病に侵された体で別荘での一人で暮らしをしながら作品を書き続けました。
かつて、トシも結核なった時期暮らしていた別荘です。
やがて賢治は死亡しますが生前に書かれた作品を託された家族は世に送り出し続けました。
映画『銀河鉄道の父』を見終わった感想
宮澤賢治の父の物語ですが政次郎というよりは、宮澤家の物語だと思います。
それぞれがこの家族の結びつきや温かさを表現していました。
役所広司扮する政次郎と菅田将暉扮する賢治が役柄にピッタリでさすがだと思いました。
親バカの父とわがままなダメ息子の親子喧嘩のなかで温かい親子関係が感じられました。
似た者親子だと思って笑えました。
そんな明るい家庭で娘と息子に同じ病気で先立たれることは意外でした。
賢治が結核と診断されても受け入れられない政次郎の姿を見るのは辛かったです。
明治時代の商家の生活や街の佇まいが細かい所まで再現されている事や、景色の美しさもこの作品の魅力だと思います。
満足です。
映画『銀河鉄道の父』で印象に残った名言
私が映画『銀河鉄道の父』を見て特に印象に残った名言です。
「賢治の祖父・喜助」のセリフ
おめぇは、父でありすぎる
映画『銀河鉄道の父』の評価や口コミ
他の方が映画『銀河鉄道の父』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
#朝活書写_1574
お題ありがとうございます。そういえばまだ銀河鉄道の父、映画も観てないし原作も読んでないです… pic.twitter.com/40PYiGBb75— メイム (@PSbpE4zZ2v3zHzG) February 1, 2024
銀河鉄道の父の人❗映画館で目が腫れるほど泣いた。楽しみだな~✨🌙✨#氷艶2024#高橋大輔 https://t.co/NEFg2hc6ne
— umeko (@d1skdaisuki) January 30, 2024
参考_φ(・_・
脚本家 坂口理子さん/映画『銀河鉄道の父』や舞台ユニットについて | シナリオ・脚本、小説も!プロの技術が学べる学校|シナリオ・センター https://t.co/vUARiP6VgB
— azmi (@azumin_myane2) January 30, 2024
先日
「銀河鉄道の父」を観てしまった…悪い映画ではない…
涙も流れる…
…が………
沈むよ………うん…
メンタルとフィジカルに
余裕が有る時にどうぞって感じかな……
宮沢賢治さんの
まるっきり伝記物
「銀河鉄道の夜」より
「永訣の朝」って感じかな……— kzawaya0406 (@kzawaya040618) January 31, 2024
\けいはんな映画劇場 🎬/
あの話題作や名作を、メインホールの幅12.0m×高さ4.0mの大スクリーンで一緒に楽しむ上映会です!
次の作品は、無名だった宮沢賢治を支えた父と家族の物語「銀河鉄道の父」
2/23(金)・24(土)各日2回の上映です😊 https://t.co/p6C5bzODRC pic.twitter.com/rrHjqKmL5A
— けいはんなプラザ【公式】 (@Keihanna_Plaza) January 25, 2024
賢治に対する家族の想いが良く描かれていた。感動しました。
Amazonの口コミ
作品を見て、大好きな詩を読み返しました。
Amazonの口コミ
すばらしい。特に配役が最高にいい
Amazonの口コミ
主人公が宮澤賢治で無ければ、以前そういう人が居たんだ話で終わる。が、宮澤賢治個人や家族のことを調べた訳ではないから知らないことは多々あるが、少なくとも彼の作品から受ける印象と本映画は全く異なる。宮澤賢治の作品は、読む人の視聴覚イメージを鮮やかに喚起する。イメージは読む人によるが、『永訣の朝』が喚起する強烈なイメージを、製作陣は受け止め切れていないから本映画は表現できていない。随分前になるがTV番組(NHKだったと思う)で、かつて宮澤賢治に教わった生徒だったというご老人が出演されていた。その方によると、先生(宮澤賢治)は一人で林の中をヒョーイ、ヒョーイと声をあげながら、よく駆け抜けていたとのエピソードを語っておられた。ここから想像する彼のイメージは、宮澤賢治の作品から受けるイメージにピッタリ合っている。そんな宮澤賢治のカケラでも本映画では出て来ない。本映画の原作未読だが、宮澤賢治へのアプローチを間違っているとしか感じられなかった。
Amazonの口コミ
原作は購入したが、読んでいないので何ともいえないですが、暗い時代の暗い映画だなと思います。宮沢賢治の周りの人たちがみな、どんどん死んでいきます。鬱々とした気分に引き込まれ、一番伝えたいはずの父親の愛があまりにも感じられません。賢治の唱える題目も、痩せてやつれた姿も救いがなさすぎて。唯一よいのは呆けた賢治の祖父を妹のトシが頬を叩いて抱きしめて云うセリフ。安心して死んで下さい。その言葉は本当に優しい。でも、そのトシが今度は結核で死ぬ。不死の病にかかって周囲を気遣う妹。切なすぎる。あめゆじゅとてちてけんじゃ。信頼する兄に、あまえる、妹の健気さが伝わるいいシーンのはず。でも、すでに暗いシーンが続きすぎて不発に終わる感動。今の暗い時代に必要なのは真にこころ休まる映画です。その時代の暗さに合わせて暗い映画を撮る必要はないですよね。制作者や脚本家の人はみな、そこをもっと考えてほしい。江戸や明治は明かりは暗いし、病気も治らんし暗い時代だろうがそのまま暗く撮る必要はないはず。ほんとに賢治の題目はトラウマ級の怖さです。統合失調症の人がみたら発狂しますよ。この暗さは。もっとあかるくてほんわか良い映画を撮りましょうよ。日本映画の人たち。こんなのばっかじゃ、観客もへるぜよ。
Amazonの口コミ
みなさんの映画を見た感想が面白いですね!
おわりに
私が映画『銀河鉄道の父』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。