埼玉県にお住いの55歳女性(サービス系:葬儀関係)が2023年8月頃に「映画館」で見た映画『エリザベート 1878』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『エリザベート 1878』を見ようと思ったきっかけ
もともと、ミュージカルの「エリザベート」が大好きで、エリザベートに関する史実をさまざまな本やドラマで調べていましたが、そのどれとも違うメインビジュアルでプロモーションされていた本作に非常に興味を持ちました。
「お飾りなんかじゃない」というコピーに加え、美麗なドレスと宝石を身に着けたヒロイン・エリザベートが物憂げな瞳で、中指を立てるというパンクなポスター…。
40歳になったエリザベートの一年間を描くというので、絶対に観たい、と思いました。
映画『エリザベート 1878』の内容
1978年、オーストリアの美貌の皇后エリザベートは40歳になり、宮廷ではそのお祝いの席が設けられました。
しかし、彼女自身は全てに満たされていたかに思われた暮らしの中で、自身の思う通りになることはなく、唯一の武器だった容色も衰えを見せ始め、虚しさでいっぱいでした。
夫や子供達との不仲もあり、自分の人生の先行きを憂いていたのです。
そしてある日、彼女は自分の自由を追い求め、奇行ともいうべき手段に出ました。
それは周囲の人々を巻き込み、後戻りできないところまできていたのです。
作品情報
- ジャンル:歴史劇
- 製作国:オーストリア ルクセンブルク ドイツ フランス
- 製作年:2022
- 公開年月日:2023年8月25日
- 上映時間:114分
- 製作会社:Film AG=Samsa Film=Komplizen Film=Kazak Productions=ORF Film/Fernseh-Abkommen=ZDF/ART=ARTE France Cinema
- 配給:トランスフォーマー=ミモザフィルムズ(提供:トランスフォーマー=シネマライズ=ミモザフィルムズ)
- 公式サイト:https://transformer.co.jp/m/corsage/
映画『エリザベート 1878』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『エリザベート 1878』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 1878年のウィーン宮廷
- ミュージカルとは違う『エリザベート』の生々しさ
- 『お飾り』を拒否したエリザベートの人生
1878年のウィーン宮廷
古色蒼然としたウィーン宮廷をリアルに描いています。
この後、第一次世界大戦が勃発してオーストリア、ハプスブルク家は亡びることが史実として解っていますが、この時点ではまだヨーロッパで強大な力を持っていたはずの皇帝・フランツ・ヨーゼフとその妻エリザベート。
肖像画から抜け出してきたかのようなキャストの造形が素晴らしく、ドキュメンタリーを見ているかのような錯覚に陥ります。
衣装、髪型、その生活様式が丹念に再現されており、その世界に自分が降り立ったように感じました。
ミュージカルとは違う『エリザベート』の生々しさ
誰よりも『自由』を渇望した美貌の皇妃・エリザベート…ミュージカルではその美しさと儚さが強調され、日本でも大人気の演目となっていますが、本作のヒロイン・エリザベートは自身の美貌とプロポーションの衰えに悩まされ、周囲の好奇の眼に曝され、心を病んでいくように見えます。
この時期、義母のゾフィーは既に亡くなっているので、彼女を厳しく縛り付ける者はいませんでしたが。
それでも宮廷のルールは厳然として残っており、日々を晴れやかに笑って暮らすことは叶いませんでした。
贅を尽くしたドレス、素晴らしい食事、召使に傅かれる生活ではありましたが、それを再現するほどに、エリザベートの心が冷えていくのが生々しく伝わってきます。
『お飾り』を拒否したエリザベートの人生
まるで窮屈な宮廷の日々の憂さを晴らすように、エリザベートは漂泊の旅に出ます。
煙草を人前でも吸うようになり、馬で野山を駆けていく姿は美しく、それこそが唯一の楽しみであるかのよう。
この当時の乗馬用のドレスは特殊なもので、馬の鞍に座るのも難しいのですが、ヒロインのヴィッキー・クリーブスは見事に乗りこなしていました。
そんな彼女が夏のある日、自慢だった長い髪を自ら鋏を入れて切り落としてしまいます。
侍女たちは慌てふためき、髪結いを担っていた若い侍女は「私の一生の仕事だと思っていたのに」と泣き崩れますが、その時期を境にしてエリザベートは激変します。
人々の前に立つ役目を信頼していた侍女に変わらせて、それまで厳しいダイエットのために決して口にしなかった甘いものを食べるようになっていったのです。
それからほどなくして旅立った彼女は短い髪のまま、偽物の皇妃エリザベートの侍女のふりをして船に乗りました。
そして甲板で一人になった時…両手を広げて全身に風を受けたかのように舳先に向かったエリザベート。
彼女はふいに身を乗り出し、水面に飛び降りてしまったのです。
映画『エリザベート 1878』を見終わった感想
ラストシーンを見終わって暫く、衝撃的過ぎて席から立ちあがれませんでした。
そして化粧室の列に並んだ時、隣にいた女性と目が合い、その方が「…すごかった、ですね」と一言。
私も「ポスターのビジュアルに騙されましたね」と言ってしまいました。
最初の、中指を立てたエリザベートのポスターのイメージは、コメディなのかと思ったのですが。
それとは真逆すぎる、ストレートでドキュメンタリータッチの作品で、しかも史実より20年も早く自ら命を絶つ、という意外性の塊のような作品でした。
どうしてももう一度観たくて、二週間後に見てきたのですが。
そうすると、一度目では気づかなかったポイントに気付き、より深く味わえたと思います。
映画『エリザベート 1878』で印象に残った名言
私が映画『エリザベート 1878』を見て特に印象に残った名言です。
「エリザベート」のセリフ
「もっと締めて、もっと!締めなさい!」
映画『エリザベート 1878』の評価や口コミ
他の方が映画『エリザベート 1878』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
この『エリザベート 1878』の宣伝画像、日本の女性映画宣伝にしてはシケた感じがなくていいよな。https://t.co/iPUEU5LWgr pic.twitter.com/ZY9XSjIt0I
— saebou (@Cristoforou) June 3, 2023
映画『エリザベート 1878』オーストリア皇妃の自由を求めて旅立つ40歳の1年間を描く - https://t.co/8KyHHgjzVe pic.twitter.com/Nfk1ujgyNI
— Fashion Press (@fashionpressnet) May 15, 2023
キワンダ×映画『エリザベート 1878』“シシィの愛馬”や“スミレの砂糖漬け”のコラボソックス - https://t.co/2jqm8Sgj9h pic.twitter.com/7YBmEzZIAe
— Fashion Press (@fashionpressnet) August 22, 2023
お飾りなんかじゃない──
1878年 ヨーロッパ宮廷一の美貌の皇妃エリザベート、40歳。大胆で、挑発的、自由を求め飛び立つエリザベートの知られざる心の軌跡。Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下
8.25㊎公開
映画『エリザベート 1878』
10:50/13:20/15:50/18:30作品詳細は↓https://t.co/M4fYMWYKGu pic.twitter.com/xRJnNIgmQv
— Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下 (@BunkamuraCinema) August 24, 2023
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— アキ (@aki_location) July 25, 2023
みなさんの映画を見た感想が面白いですね!
おわりに
私が映画『エリザベート 1878』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
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