千葉県にお住いの22歳の女性(サービス系:フリーランス)が2023年3月頃に「dブック」で読んだ小説『神様のカルテ 2』のレビューをご紹介いたします。
小説を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、音読する前に面白いかどうか知りたい方、評価や口コミが気になっている方はこちらを参考にしてください。
目次
小説『神様のカルテ 2』を読もうと思ったきっかけ
以前、好きなアイドルが主演で映画化されたときにそのタイトルを聞いたことがありましたが、映画を観たことも、元から原作を読んだこともありませんでした。
しかし、先日図書館で並んでいるのを見て、読んでみたいと思いました。
表紙は優しいタッチの絵で、暖かみを感じ、とても惹かれました。
特に派手なものでもなく、強い主張を感じるわけでもありませんでしたが、何か読んでみたくなるような要素がありました。
物語に通ずるような暖かい雰囲気が表紙からも伝わり、より一層読みたいと思いました。
小説『神様のカルテ 2』の内容
夏川草介さんの『神様のカルテ 2』は、信州松本平の一般診療から救急医療までを手掛ける地域の基幹病院に勤務する医師、栗原一止の物語です。
彼は夏目漱石が好きで、その影響からか言葉遣いが古風で、少し変わった人格を持つ一方、根底には深い優しさを有しており、患者のためならば院内に泊まることすら厭わない医師です。
妻の榛名は山岳写真家として、日間日夜を問わず世界各地の山に登り、美しい景色を写真に収めています。
彼女は一止の表情を見ただけで、彼の考えを理解することができるほどの洞察力を持った女性です。
これら二人を中心に紡がれる物語となっています。
作品情報
- 著者:夏川 草介
- ISBN:9784094086188
- 出版社:小学館
- 判型:文庫
- ページ数:256ページ
- 定価:620円(本体)
- 発行年月日:2011年06月
- 発売日:2011年06月07日
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ
- 公式サイト:http://jpo.tameshiyo.me/9784094086188
小説『神様のカルテ 2』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
小説『神様のカルテ 2』の読みどころをネタバレ覚悟で解説します。
大きく3つのポイントがあります。
この小説の読みどころ
- 進藤辰也
- 安曇さん
- 古狐先生
進藤辰也
進藤辰也は一止の医学部時代の友人で、一止が信州の病院に就職したのに対し、辰也は東京の高度医療を行う病院に就職しました。
大学時代の彼女と結婚し、一人の子供を持つものの、様々な事情から信州に子供と二人で戻ることとなり、一止が勤務する松本平の病院に就職します。
妻は患者から言われた言葉で追い詰められ、子供にさえ構えずに日夜病院に泊り込むこととなりました。
そのことが原因で辰也は「医者が家族を犠牲にしてまで患者の治療を行う世の中は腐っている」という考えに到達します。
この彼の言葉に心を打たれ、この部分を読みどころであると感じました。
安曇さん
安曇さんは72歳の胆嚢癌患者で、この松本平の病院にて治療を受けていました。
どこで会っても丁寧な対応をしますし、看護師たちからも人気の患者さんです。
大学病院で治療を断られ、ここ松本平の病院に戻ってきた彼女は、夫に先立たれ、子供もいない孤独な老女でしたが、時折老紳士が見舞いに来ました。
大学病院で彼女のような患者の治療は必要ないとされ、松本平の病院に戻ってきたと伺います。
彼女が亡くなった後に見つかった一止宛の手紙を読んだ一止は、大学病院で成し得なかった医療を提供できる松本平の病院に残ると決意します。
その大きな決断は物語において重要な要素で、個人的には印象的だと感じました。
古狐先生
古狐先生は一止が松本平の病院に就職する前から長く働いている医師で、研修医の頃からお世話になっています。
いつも顔色が悪いものの、腕が確かで、独自の視点と優しさから患者一人一人に寄り添う医療を提供します。
物語中盤で癌になり、残念ながら他界します。
当初は病を乗り越えて著者が元気になると想像していたため、その死は驚きをもって迎えました。
しかし、人は誰しもが死ぬもので、死後に自分が関わった人々がどのように思うのか考えさせられ、印象深いものとなりました。
小説『神様のカルテ 2』を読み終わった感想
医者という職業が大変であるとは漠然と思っていました。
しかし、物語で描かれている内容を読んで、大変さだけではなく、日々様々な出来事があり、暖かな瞬間もある素晴らしい職業だと改めて認識しました。
ただし、医者が患者のためにすべてを犠牲にすべきなのか、また、亡くなった患者の家族からの怒りなど、当たり前のことを適切に対応しても報われない現実に対し、何とも言えない感情になりました。
ミスを犯したわけでもなく、人は必ず死ぬ運命にありながら、やり場のない怒りが医者に向けられるのは悲しいです。
しかし、それが仕方のないことなのかどうか、患者の家族の立場になればその捉え方も変わるでしょう。
非常に複雑な問題だと感じました。
小説『神様のカルテ 2』で印象に残った名言
私が小説『神様のカルテ 2』を読んで特に印象に残った名言を紹介します。
「進藤辰也」のセリフ
医者は患者のために全てを犠牲にするのでしょうか?
小説『神様のカルテ 2』の評価や口コミ
他の方が小説『神様のカルテ 2』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
◆配信開始
『神様のカルテ』『神様のカルテ2』(日本)櫻井翔、宮﨑あおい出演。長野県松本の小さな病院で働く若手内科医が、地方医療の現実と戦いながら成長していく。
夏川草介のベストセラー小説を映画化。続編と合わせて同時配信🌸#神様のカルテ pic.twitter.com/3saixaUNx6— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) September 9, 2022
蜜蜂と遠雷/恩田陸
小説の神様/相沢沙呼
神様のカルテ2/夏川草介
てるてるあした/加納朋子
西由比ヶ浜駅の神様/村瀬健
半分の月がのぼる空4/橋本紡
スロウハイツの神様/辻村深月
君の膵臓をたべたい/住野よる
その白さえ嘘だとしても/河野裕
崩れる脳を抱きしめて/知念実希人 pic.twitter.com/euPt1sfAcD— かいゆ@読書垢 (@kaiyu_books) July 15, 2021
#福士蒼汰、テレ東ドラマ初出演&初主演で医師役に初挑戦‼️
ベストセラー小説『#神様のカルテ』初ドラマ化決定✨原作『神様のカルテ』『神様のカルテ2』『神様のカルテ3』『新章 神様のカルテ』計4冊の長編を、2時間×4話の計8時間という大型スペシャルドラマとして、2021年1月クールで放送される📺 pic.twitter.com/D0B3XPSpH4
— WHAT's IN? tokyo女子部 (@whatsin_t_joshi) October 16, 2020
電車なう。自分の周りで小説読んでいる人多数。。しかもみんな文庫…俺はハードカバー派(^O^)神様のカルテ読み終わったから、早く2読まなきゃ(´∀`)
— ピヨ彦 (@USoP_for_Sk) October 27, 2010
ショコ潤の小説買った♪
そしたら、なかに神様のカルテ2の
やつが入ってた!!!めちゃくちゃ嬉しい♡♡ pic.twitter.com/vziU1spiHk
— ねねらい (@NeneArashic) February 18, 2014
信州の美しい自然が思い浮かぶような場所で、数々の心温まる話が展開される。涙したり感動したりで幸せな気分に浸れるが、現実を見ると、今の日本では私利私欲のことばかり考えている医者も少なくない。この本を読んで私の中ではそのギャップが際立った。
Amazonの口コミ
出だしから風変わりな主人公である。と同時に人の命を看取る医者でもある。周りの登場人物も風変わりな御仁の集まりであるでも細君とのほのぼのしたやり取りや終末患者との交流等は、心暖まるものがある。大学病院への出向を蹴って、地域医療に尽くしたいという主人公の心粋もとても好感を覚える。とても暖まる本だ。精神的に追い詰められている人や浮き世の辛さに堪え忍んでいる方には、是非とも読んでもらい一冊である。
Amazonの口コミ
善人ばかり出て来る小説は、話題を続けていくのが難しく、結局は「ほんわりとして物語」に終わってしまい、読者を安心はさせてくれますが、真の意味での感動とはほど遠いものとなってしまいます。その典型とも言える一作でしょう。しかし、そうなるとある意味で漫画やスポーツ新聞と同じ様に、単なる時間つぶしの「作品」ではなく「物」となってしまいます。楽にどんどん読める作物を読むたびに、そう感じてしまうのは自分だけでしょうか?
Amazonの口コミ
専門用語が多過ぎて、とても読み辛かった
Amazonの口コミ
幅広い年代層で感動できる、共感できる一冊。
Amazonの口コミ
みなさんの小説を読んだ感想が面白いですね!
おわりに
私が小説『神様のカルテ2』について、感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきました。
もし「面白い」と感じた方がいらっしゃいましたら、ぜひ読んでみてください。
次に読みたいと思っているのは小説『神様のカルテ3』です。
これは、信州の病院に勤める医者、栗原一止の物語です。