山口県にお住まいの38歳の女性(内装業:仕上げ工)が2022年8月頃に「紙の本」で読んだ小説『そして、バトンは渡された』のレビューをご紹介します。
小説の感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説していますので、小説を読む前に面白いのか知りたい方や、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
小説『そして、バトンは渡された』を読もうと思ったきっかけ
本屋に行った際に小説コーナーに目が留まり、一冊購入しようと思い立ち、手に取ったのがきっかけです。
緑一色の背景にオレンジ色で女性の顔が描かれたバトンが描かれており、コケシのようにも見えて、非常に可愛らしい表紙だと感じました。
作者の瀬尾まいこさんの小説は以前にもいくつか読んだことがあり、どれも面白かったので、この小説も読んでみようと思いました。
また、文庫本だったため、価格も手頃で、購入しやすかった点も決め手となりました。
小説『そして、バトンは渡された』の内容
主人公の優子は幼い頃に母親を亡くし、父親と二人で暮らしていました。
父が再婚すると幸せに暮らしていましたが、父が海外赴任になることをきっかけに継母の梨花さんと暮らすことを選びます。
その後梨花さんが再婚し、今度は梨花さんと離れて継父と暮らします。
その後梨花さんの再々婚により、20歳差の父、森宮さんと2人で暮らすことになります。
非血縁にも関わらず、優子はそれぞれの親からとても大切に育てられました。
そして大切な人と結婚する際、優子は3人の父親から祝福を受けます。
作品情報
- 著者:瀬尾まいこ
- ISBN:9784167915544
- 出版社:文藝春秋
- 判型:文庫
- ページ数:432ページ
- 定価:770円(本体)
- 発行年月:2020年09月
- 発売日:2020年09月02日
- 公式サイト:https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167915544
小説『そして、バトンは渡された』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
今回、ぜひとも解説したい小説『そして、バトンは渡された』の読みどころは、大きく3つに分けられます。
この小説の読みどころ
- 血の繋がりを越えた親子の絆
- 主人公の恋
- 型にとらわれない登場人物たちの幸せ
血の繋がりを越えた親子の絆
血が繋がっていても愛せない親も存在する一方で、優子の親となった人々は、彼女を深く愛しています。
優子の本当の父親と再婚した梨花さんは、話し合いの結果、優子と2人で生活することを決定します。
しかし、梨花さんは優子と離れざるを得なくなるのですが、それは彼女自身が抱える病によるものです。
優子が幸せに暮らせるようにと、梨花さんは、病のことは優子に伝えず、資金的にも精神的にも申し分ない父親に彼女を託します。
愛に満ち溢れた登場人物たちがこの作品の魅力となっています。
主人公の恋
主人公・優子が初めて恋をするのは高校生の時です。
合唱コンクールのピアノ伴奏者として出会った彼に対して、優子は感動し、恋心を抱くのです。
しかし、彼には既に別の彼女がいました。
その後、何年も彼とは無縁の生活を送っていましたが、それが特別な思いに変わったのは、数年後のバイト先の食堂で彼と再会してからです。
そこから交際が始まります。
そのストーリー性は、おとぎ話のようなものでもなく、逆に現実的であり、それが主人公の恋が素敵に見える理由となります。
型にとらわれない登場人物たちの幸せ
結婚して一生を共に過ごすことや、自分の子供を育て上げること、健康に過ごすことなど、一般的に「幸せ」と思われそうな事柄を持たず遂行していない登場人物たちですが、それでも彼らは幸せに生きています。
優子は大人たちの事情で家庭環境が次々と変わりますが、それぞれの親から愛されることで満足しているのです。
継母の梨花さんは子供を持つことができず、病気で体調が優れないながらも、優子を幸せにすることに全力を注いでいます。
型にはまった幸せではなく、自由な形で幸せを感じられる登場人物たちからは大きな感動を覚えます。
小説『そして、バトンは渡された』を読み終わった感想
「人生はこうでなければ幸せになれない」という考えは必要ないと、本作は教えてくれました。
主人公だけでなく、登場するすべての人物は愛に満たされていて、読み進めるうちに温かい気持ちになりました。
物語冒頭から登場する森宮さんは、結婚したはずの梨花さんとほとんど一緒に暮らすことなく、娘の優子さんを託されます。
森宮さんもまた、優子さんに「お父さん」とは呼ばれませんが、それ以上に父親らしく振る舞っています。
これほどまでに誰一人として間違った人物が登場しない小説には、滅多に出会えないと感じました。
小説『そして、バトンは渡された』で印象に残った名言
小説『そして、バトンは渡された』を読んで特に印象に残った名言を紹介します。
「梨花さん」のセリフ
女の子は笑っていれば三割増しにかわいく見え、どんな相手にでも微笑んでいれば好かれます。
人に好かれることは大事です。
小説『そして、バトンは渡された』の評価や口コミ
他の方が小説『そして、バトンは渡された』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
【告知】この度、瀬尾まいこさん原作の小説「そして、バトンは渡された」のコミカライズを担当させて頂きました!生まれてから3回も苗字が変わってしまった女の子「優子」と、彼女を支えてきた親達が紡ぐ「幸福」にまつわる物語。文藝春秋コミックスより10月19日発売予定です! pic.twitter.com/2XbHY3wqp1
— 田川とまた@『純猥談』④巻好評発売中! (@_tomatagawa) September 14, 2021
最後までご覧頂きありがとうございました🐶
来週も感動作‼️ 『#そして、バトンは渡された』
本屋大賞受賞🏆の大ベストセラー小説の映画化🎥
家族の愛を描いた感動の物語です‼️
ぜひご覧ください🤗#永野芽郁、#田中圭、#石原さとみ#金曜ロードショー pic.twitter.com/Omrti7uEpm— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) November 4, 2022
2021/6/11 18冊目
瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』この小説をひとことで表すなら「幸福」しかないと思う
主人公の育ちは、普通に考えれば不幸そのものだ
それでも普通の家族と同じように、周りの全ての人に愛されながら幸せに生きているこんな温かい小説に初めて出会った
#読了 pic.twitter.com/gBERRWRykn
— ふじい@読書垢 (@0723_fujii_book) June 11, 2021
みなさんの小説を読んだ感想が面白いですね!
おわりに
小説『そして、バトンは渡された』についての感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しました。
「面白い」と感じた方は、ぜひ読んでみてください。