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小説のレビュー

【ネタバレ注意】小説『星を掬う』のレビュー!小説を見た感想は「心揺さぶられ、深い感動を得られる、読み応えある名作。」

香川県にお住いの56歳女性(医療系:看護師)が2022年9月頃に「紙の本」で読んだ小説『星を掬う』のレビューをご紹介します。

小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。

この小説の読みどころ

  • 心の持ちようで、自分の人生はいくらでも変えられるということ。
  • 人のふり見て我がふりなおせ。
  • 本当に人を動かすのは、強引な行動や言葉ではなく、深い愛情であるということ。

小説『星を掬う』を読もうと思ったきっかけ

本屋大賞を受賞された作品で、ずっと読みたいと思っていたのですが、これまで機会が無く、先月、たまたま本屋さんででおすすめの本のコーナーに設置されているのをみつけて、購入して読んでみました。

表紙の淡い切ない雰囲気の絵柄にも心惹かれましたし、おおまかなあらすじ紹介を読んで、読んでみたいとも感じました。

町田そのこさんの作品で以前読んだ「コンビニ兄弟」がとても面白かったし、心癒されたので、彼女の原作だというのも購入した理由の一つです。

小説『星を掬う』の内容

世の中はたしかに甘くないし、大変なこともたくさんありますが、一方で、信じられないほど幸福なことや素晴らしいこともたくさんあると教えてくれた一冊です。

主人公のすたれた心が、まわりの人々の温かさや支えによって、少しずつ、前向きに変化していく過程が、本当に丁寧にこまやかに描かれています。

眼をそむけたくなるような残酷なシーンもありますが、その分、ラストでは深い感動を得られる、重厚で読み応えのある作品だと思います。

小説『星を掬う』の作品情報

作品情報

  • 出版社:中央公論新社
  • 著者:町田そのこ
  • 定価:本体1,600円+税
  • 発行年月:2021年10月18日
  • ページ数:336ページ
  • ISBN:978-4-12-005473-0
  • 言語:日本語
  • 公式サイト:https://www.chuko.co.jp/tanko/2021/10/005473.html

小説『星を掬う』のあらすじ

千鶴が夫から逃げるために向かった「さざめきハイツ」には、自分を捨てた母・聖子がいた。他の同居人は、娘に捨てられた彩子と、聖子を「母」と呼び慕う恵真。四人の共同生活は、思わぬ気づきと変化を迎え――。

小説『星を掬う』の読みどころをネタバレ覚悟で解説

私がネタバレ覚悟で解説したい小説『星を掬う』の読みどころは大きく3つです。

この小説の読みどころ

  • 心の持ちようで、自分の人生はいくらでも変えられるということ。
  • 人のふり見て我がふりなおせ。
  • 本当に人を動かすのは、強引な行動や言葉ではなく、深い愛情であるということ。

心の持ちようで、自分の人生はいくらでも変えられるということ。

主人公の状況自体は、それほど変化しておらず、むしろ悪化している場面さえあるのに、その考え方は前半と後半で大きく変わってきています。

その様子が実に丁寧に細かく描写されており、短時間のドラマにおいて極端に心情が変わるような不自然さがないため、その心境が深く心にしみわたってきます。

現実の自分自身ももしかしたら、こんな風に変われるかもしれないと思わせてくれるリアリティの感じられる内容で、読み終えた後、生きる力がわいてきます。

人のふり見て我がふりなおせ。

主人公は、最初、母親に対する憎しみの感情を捨て去ることができず、もがき苦しみます。

そんな中、自分の人生が失敗したことをすべて母親のせいにしようとする、新たな同居人の姿をみたり、それに対する第三者の言葉を聞いたりすることによって、はっと自分自身の状況に気づくのです。

私も主人公と同じような感情を抱いたことがあり、一緒に新たな同居人を批判ばかりしていた自分自身に気づき、まさに「人のふり見て我がふりなおせ」とは、このことだと感じました。

「20歳をこえたら自分の責任だ」という第三者の言葉も胸に染み入りました。

本当に人を動かすのは、強引な行動や言葉ではなく、深い愛情であるということ。

最初は主人公や同居人の傍若無人なふるまいや言葉に「どうして、わからないのか」とふつふつと怒りが沸き上がり、そばにいたら、思わずどなりつけていたかもしれないほど、感情移入していた私でしたが、結局、本の中でも怒りや感情に任せた言葉では彼らを動かすことができませんでした。

彼らを動かしたのは根気強くて深い愛情と、それを浸透させる年月だったのだと思います。

読み終えた後、こころからそのことが感じられ、とても満ち足りた気分になりました。

小説『星を掬う』を読み終わった感想

暗いシーンも多いですが、全体を通して浮かんでくるのは、人と人とのつながりや愛情、ぬくもりといった、ポジティブな言葉ばかりです。

とくに主人公の心情が徐々に変化していく繊細な描写は実に見事で、読んでいて嬉しくて、何度も涙しそうになりました。

落ち込んだ時、負けそうなとき、ぜひ手に取って欲しい一冊です。

特に、最初の数ページは辛いシーンが多いのですが、めげずに全部読み切って欲しいですね。

表紙の絵もすごく内容のイメージと合っていて、いい本だなあと感じました。

小説『星を掬う』の評価や口コミ

他の方が小説『星を掬う』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

おわりに

私が小説『星を掬う』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきました。

一言でいうなら「この本と出会えて良かった」というのが正直な感想です。

主人公ほど過酷な状況ではありませんが、私自身も毎日、辛い事や悲しいことがあったり、落ち込むことがあったりするのですが、この本を読んで、自分自身の心持を変えることで得られることがたくさんあるということを学びました。

何事も希望をもって、なかなか普段は気づくことができない、まわりの人たちや環境に感謝の気持ちを持って、日々を過ごしていきたいと感じるようになりました。

「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。







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