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小説のレビュー

【ネタバレ注意】小説『風とにわか雨と花』のレビュー|小説を読んだ感想は「離婚した一家にまつわる心温まるお話」

新潟県にお住まいの67歳の男性(警備員:アルバイト)が2023年2月頃に「紙の本」で読んだ小説『風とにわか雨と花』のレビューをご紹介いたします。

小説の感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説いたしますので、小説を読む前に面白さを知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。

この小説の読みどころ

  • 父親と子供たち(風花と天水)の会話。
  • 老いた女流作家と風花(中学生の娘)との会話。
  • 風花(姉)と天水(弟)の会話。

小説『風とにわか雨と花』を読もうと思ったきっかけ

読書を趣味にしている人の多くがそうなのでしょうが、私も常に「何か面白い本はないか」と探しています。

その日も、図書館の本棚の間をウロウロと本を探していました。

そんな時、ふと目に止まったのが、この作家さんでした。

これまで読んだことはなく、正直言ってあまり聞いたことのない作家名でした。

それでいて、なぜか気になり、一冊手に取ったのがこの本でした。

奥付にある作家紹介を読んでみると「メフィスト賞受賞」と書かれています。

私の中では、「メフィスト賞」と言えばミステリーの賞という固定観念がありました。

そのイメージと、手に取った本の表紙の実にのどかなイラストが、一致しません。

その不一致が、逆に好奇心を刺激し、少し読んでみようかと思った次第です。

小説『風とにわか雨と花』の内容

こちらは離婚した夫婦と、その二人の子供たちについてのお話です。

離婚といっても、お互いが嫌いになって喧嘩別れしたわけではなく、夫が「小説家になりたい」という一心からの協議離婚でした。

夫はその積極的な決断を通すために、多額の財産を妻子に残し、海辺のあばら家で一人暮らしを始めます。

夫婦の子供たち(中学生の姉と小学生の弟)は、学校の夏休みの間に、お父さんの家に泊まりに行きます。

お父さんは子供たちに自分の気持ちを正直に伝えます。

その他にも、人生についての考えを存分に語ります。

こうして、一家四人の心情が描かれていくのです。

作品情報

  • 著者:小路幸也
  • ISBN:9784198947712
  • 出版社:徳間書店
  • 判型:文庫
  • ページ数:256ページ
  • 定価:680円(本体)
  • 発行年月日:2022年08月
  • 発売日:2022年08月09日
  • 国際分類コード【Thema(シーマ)】1:FB
  • 国際分類コード【Thema(シーマ)】2:1FPJ
  • 公式サイト:http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198947712

小説『風とにわか雨と花』の読みどころをネタバレ覚悟で解説

ネタバレ覚悟で解説する小説『風とにわか雨と花』の読みどころは大きく3つです。

この小説の読みどころ

  • 父親と子供たち(風花と天水)との会話
  • 老いた女流作家と風花(中学生の娘)との会話
  • 風花(姉)と天水(弟)との会話

父親と子供たち(風花と天水)との会話

この小説のストーリーは至って単純です。

読みどころは会話です。

その中でも特に、父親と子供たち(風花と天水)との会話が魅力的です。

子供たちは夏休みに父の家を訪れ、様々な会話を交わします。

それらの会話は深みがあって、心が温まります。

例えば、風花が大人の事情を少し理解していると感じた父は、自身たちが離婚した理由を包み隠さず語ります。

それは、自分の我儘で、それを通すことが結果に対して責任を取ることだと説明します。

また、子供たちが大人になるまでの費用を妻に預けてきたことも言います。

賛成か反対かは別として、自分の思考を持ち、それを正直に子供に打ち明ける父親の姿は、印象的でした。

老いた女流作家と風花(中学生の娘)との会話

父親の家から歩いていける場所に素敵なプライベートビーチがあります。

そのビーチは、父がこれまでに発表した小説を賞賛してくれた、80歳の女流作家が所有しています。

そこへ父親と子供たちは訪れます。

その場所で女流作家は、主に風花と会話を交わします。

この会話が素晴らしいのです。

80歳の女性が、孫のような歳の風花に、いつでも逃げたりごまかしたりせず、子供が理解しやすい言葉で説明します。

その熱意は胸を打ちます。

例えば、世界の戦争や争いについて、避けられない側面があると語ります。

それは人々がそれぞれ異なるからで、もし全てが同一であれば、それが逆に恐ろしいと説明します。

彼女のすっきりした説明は、私を唸らせました。

風花(姉)と天水(弟)との会話

父の家での滞在を終え、子供たちは自宅に帰ります。

その際、風花(姉)と天水(弟)との会話が交わされます。

そのシーンはまた、心が温まります。

風花は弟が寂しくないか心配し、尋ねます。

天水は、いつでも来れるから寂しくないと答えます。

表面的な対立や傷つけあうだけの家族も少なくない中、離れて暮らすこの家族は温かさを感じさせます。

また、風花は父を大好きで、中学を卒業し高校に進学する際には、父と一緒に住み、通学できる高校を選びたいと思っています。

一方の天水は、母の傍にいたいと考えていますが、皆がバラバラになる可能性も考慮しています。

しかし、その前はみんなで一緒に過ごしたいと思っています。

その思いが強固で、これもまた心温まる瞬間でした。

小説『風とにわか雨と花』を読み終わった感想

普段私が好きなのは、ハラハラドキドキさせるストーリーが存在し、ページをめくる手が止まらない小説です。

主に、主人公がこれからどうなるのかという興味に引きつけられる小説を好みます。

一方、本作品「風とにわか雨と花」には、そうしたドラマチックなストーリーは存在せず、各人の心情を語るモノローグや、人物同士の会話が中心となっています。

これは私にとっては必ずしも得意なタイプの小説ではないのですが、それでもしっかりと読ませてくれたことに驚きました。

そして、読み終わった後の感想は、何とも言えない安らぎと幸せな気持ちに包まれたことです。

結果的に、これは私にとって意外な読書体験となり、そのような作品に出会えたことは大変嬉しく思っています。

小説『風とにわか雨と花』で印象に残った名言

小説『風とにわか雨と花』を読み、印象に残った名言。

「蒲原喜子」のセリフ

「子供を生んだ大人は、自分の子供を必ず小学校と中学校を卒業させなければならない。

それは、国で定められた義務である。

何故そんな義務を設けたかというと、子供に生きる力を与えるためだ」

小説『風とにわか雨と花』の評価や口コミ

他の方が小説『風とにわか雨と花』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

小路幸也さんの小説は好きで、ほとんど読んでいます。この作品は、ちょっと変わった印象の小説でした。本当の自然な自分、自分にとっての幸せ、について、ぼんやりと考えさせられる作品でした。
Amazonの口コミ

離婚、という重いテーマと、生き方、という誰もが持っている選択肢を、真摯に伝えようとしている物語だと感じました。我儘、責任、お金、事実と真実、うっすらとした諦め、悲しいことなのに、楽しさや気楽さもあって、海辺のBBQに一緒に参加してたら、私ならどう話をするだろうと、物語の世界に自分も入って、そして振り返り考えさせられるところもある作品。何より、あったかさと楽しさとそれを包む海辺の景色に癒やされる。
Amazonの口コミ

何となく勘違いしそうだが、「大人びた子供を大人扱いする大人」って余り良くない気がする全員大層物分りよく、理解と寛容に満ちたポジティブ思考すぎて、少し食傷自分の子供時代を想定すると「期間限定のおもてなし」でなら相手出来るけど、「生活」するには邪魔なんだ、と理解してしまいそうだ。で、家に帰ると「自分たちが居なくてせいせいしたトコで『あー、帰って来ちゃったよ』と思われてないか不安になりそうだ普通に読めば「いいお話」で良いと思います
Amazonの口コミ

何が言いたいのか?よくわからない。もしかして著者は本書の主人公のように二人の子供がいたけれど、小説を書きたいからけじめだ!ということで離婚したのだろうか?元夫・持つ妻は別々に暮らしていて、子供は元妻と一緒にいる。夏休みに入り、二人の子供が父親の住んでいる浜辺の家にやってくる。少しだけ人生とやらを少し学んでみる。創作にしても物足りないし、自分をモデルにして書いたものならば最悪である。こんな家族があっても良いのではないか?という提言でもしようというのだろうか?こんなくだらない話に付き合った時間がまるっきり無駄であった。著者には、こういう見切り発進的な作品があるのでがっかりすることもある。本書もその一つである。家族の状況はそれぞれ違う。説教がましい話をするにはまだまだ若造。それとも自分の生き方を肯定して認めてほしいと願っているのであろうか?ナンセンスである。続きを読む
Amazonの口コミ

みなさんの小説を読んだ感想が面白いですね!

終わりに

私が小説『風とにわか雨と花』について、自身の感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してまいりました。

興味を持たれた方はぜひ一読ください。

次に読む予定の小説は『さえづちの眼』です。

これは澤村伊智氏によるホラー小説で、比嘉姉妹が登場するシリーズ初の中編集となっています。







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