小説のレビュー

【ネタバレ注意】小説『東京ロンダリング』のレビュー!小説を見た感想は「傷心の女性が立ち直っていく人生再生物語」

千葉県にお住いの38歳女性(介護・福祉系:介護相談員)が2022年6月頃に読んだ小説『東京ロンダリング』のレビューをご紹介します。

小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。

この小説の読みどころ

  • ロンダリングの仕事が分かる
  • りさ子の過去に何があったか、離婚の真相が明らかになっていく
  • りさ子と食堂「富士屋」の店員、亮との関係が進展していくところ

小説『東京ロンダリング』を読もうと思ったきっかけ

この本の著者である、原田ひ香さんの小説が読みたかったので手に取りました。

以前、原田ひ香さんの「三千円の使いかた」という小説を初めて読み、身近な問題を丁寧に描く方だなと感じていたので、違う小説も読んでみたいと思っていたのです。

事故物件などをロンダリングし、次の借主に物件を貸すといったことがあるとは知っていましたが、ロンダリングを仕事として、どのようにやっているのかも気になりました。

主人公が自分と同じ30代女性ということも、本著を手に取ったきっかけです。

小説『東京ロンダリング』の内容

主人公は32歳の女性、りさ子。夫と訳あって離婚し、帰る家をなくしてしまいます。

住む家がなかなか見つからない中、ひょんなことから入った相場不動産で「ロンダリング」という仕事を紹介されます。

その仕事は、都内の事故物件を短期間転々とする風変わりな仕事でした。家賃はいらず、住むだけで良い、目立たないように心がけていればよいとのことで、りさ子はその仕事を引き受けます。

無気力に過ごすりさ子でしたが、移り住んだ先々で出会う人との繋がりが、次第にりさ子の心境に変化をもたらしていくといった小説です。

小説『東京ロンダリング』の作品情報

作品情報

小説『東京ロンダリング』のあらすじ

変死などの起こった物件に一ヶ月だけ住み、また次に移るという奇妙な仕事をするりさ子。心に傷を持ち身一つで東京を転々とする彼女は、人の温かさに触れて少しずつ変わっていく。

小説『東京ロンダリング』の読みどころをネタバレ覚悟で解説

私がネタバレ覚悟で解説したい小説『東京ロンダリング』の読みどころは大きく3つです。

この小説の読みどころ

  • ロンダリングの仕事が分かる
  • りさ子の過去に何があったか、離婚の真相が明らかになっていく
  • りさ子と食堂「富士屋」の店員、亮との関係が進展していくところ

ロンダリングの仕事が分かる

りさ子が相場不動産の相場から、ロンダリングについて詳しく教えてもらいます。

事故物件に住むことは、ほとんどの人が嫌がります。不動産業者には、次の店子にそれを伝える義務がありますが、正直に伝えると誰も住んでくれません。

家賃を安くすると、大家さんが被害をこうむります。しかし、ロンダリングを生業とした人が1か月間住むことにより、また何事もなかったかように部屋を貸し出せます。

一度誰かが住めば伝える義務はなくなるのです。そのことを、ロンダリングとか、浄化と呼びます。

ロンダリングする際は、周りに不審に思われてはいけません。

にこやかに愛想よく、でも深入りせず、礼儀正しく、清潔で目立たないように。そうしていれば、絶対に嫌われないという心構えを相場不動産屋からりさ子は言い渡されました。

りさ子の過去に何があったか、離婚の真相が明らかになっていく

りさ子は以前結婚していた時、佐伯という男とカルチャーセンターで出会い、不倫をします。そして、それに気が付いた夫は、探偵を使いりさ子に証拠を突き付けました。

りさ子は佐伯にのぼせていたので、これで離婚ができる、佐伯と一緒になれるとすぐ離婚に応じました。

佐伯も喜んでくれましたが、次の日から佐伯と連絡がつかなくなります。家を追い出されたりさ子は、家無し、金なしの状態でしたが、ロンダリングという仕事で何とか食つなぐことができました。

ロンダリング生活も落ち着いてきた中、夫の父(義父)からりさ子に電話が入ります。会って話したいことがあるというのです。

義父より、元夫は、今は再婚して子どもがいることを聞かされます。そして「あれは皆、息子が…仕組んだことなんです」と言うのです。

元夫には、元々女性(今の妻)がいて、彼女と結婚するために、りさ子を佐伯に誘惑させたということでした。

りさ子は、怒りはわかず、自分が不倫していたのは事実なのだから、申し訳ないことをしたことに変わりはないと、義父に伝えるのでした。

りさ子と食堂「富士屋」の店員、亮との関係が進展していくところ

りさ子は何軒かロンダリングの仕事をした後、台東区谷中「乙女アパート」のロンダリングを引き受けます。

りさ子の食事は毎日外食で、お気に入りの店の一つに「富士屋」という定食屋がありました。その店員の亮と顔見知りになり、言葉を交わすようになります。

ある日、亮の父親で「富士屋」店主が入院することを聞きます。そして、店を一時手伝ってくれないかと大家や亮に言われ、しぶしぶ引き受けます。

最初は慣れない仕事に四苦八苦しますが、仕事にも慣れ、亮とも色々と話せるようになります。しかし、次のロンダリング先が急遽決まり、亮に会えなくなります。

次のロンダリング先で、孤独感や無気力なりさ子に戻ってしまいますが、そこへ亮が訪ねてきます。「帰ってきてほしい」とまた一緒に働いてほしいというのです。

一緒に住んでもよいという亮に、ロンダリングの仕事を続けながら「富士屋」で働くと宣言するりさ子なのでした。

小説『東京ロンダリング』を読み終わった感想

りさ子は傷心から、誰とも関わりたくない、もうこれ以上傷つきたくないとの思いで、孤独で無気力な生活をします。

しかし、孤独が傷心を癒すことはなく、傷心を癒してくれるのも「人」なのだなあと感じました。生活をしていると、人間関係が煩わしくなり「もう誰とも会いたくない」となることが自分にもあります。

でも、独りぼっちになったらどういう気持ちになるか考えると「寂しし」「悲しい」という感情が沸くと思います。今、そばにいる人を大切にしたい、そんな気持ちになる小説でした。

小説『東京ロンダリング』で印象に残った名言

私が小説『東京ロンダリング』を読んで特に印象に残った名言です。

「富士屋の店員、亮」のセリフ

谷中に帰ってきてくださいよ。

小説『東京ロンダリング』の評価や口コミ

他の方が小説『東京ロンダリング』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

おわりに

私が小説『東京ロンダリング』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。







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