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小説のレビュー

【ネタバレ注意】小説『チュベローズで待ってる AGE32』のレビュー|小説を読んだ感想は「八年後を描くサスペンス小説」

新潟県にお住まいの67歳の男性(サービス系:警備員)が2023年2月頃に「紙の本」で読んだ小説『チュベローズで待ってる AGE32』のレビューをご紹介いたします。

この小説の感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を未読の方や評価や口コミが気になっている方は参考にしていただければと思います。

この小説の読みどころ

  • 近未来SF小説の要素
  • どんでん返しの連続のミステリの要素
  • 苦悩する青年の描写としての青春小説の要素

小説『チュベローズで待ってる AGE32』を読もうと思ったきっかけ

本書は「チュベローズで待ってる AGE22」の続編になります。

第一部というべき先に出版された本を、私は非常に面白く読みました。

冒頭から引き込まれるストーリーテリングの才能が素晴らしいと感じました。

小説の内容は、就職活動に失敗した大学生の光太が、ホストにスカウトされ、ホストとしての体験を通じてさまざまな人と出会うというものでした。

ジャンルとしては青春小説に分類されるでしょう。

「チュベローズで待ってる AGE32」は、その続編に当たります。

再び光太の物語に触れられると思い、読むことを楽しみにしていました。

小説『チュベローズで待ってる AGE32』の内容

金平光太はゲーム会社に就職して八年が経ち、ゲームクリエーターとして活躍しています。

しかし、彼が開発したゲームにより中学生たちに健康被害が出ているという抗議が寄せられました。

その問題を解決すべく奔走する中で、妹の芽々が失踪します。

健康被害の問題はかつてのホスト仲間の助けを借りて解決され、芽々の失踪問題は、かつて彼に関わり自殺した斉藤美津子の甥であるユースケの助けを借りて解決します。

光太はユースケに借りを返すべく、故・斉藤美津子が起こした過去のパワハラ事件を調査します。

驚くことに、事件の首謀者は光太が信頼を寄せていた上司であり、さらにその上司は、兄に操られる人形だという事実も判明したのです。

作品情報

  • 著者:加藤 シゲアキ
  • ISBN:9784101040226
  • 出版社:新潮社
  • 判型:文庫
  • ページ数:336ページ
  • 定価:670円(本体)
  • 発行年月日:2022年07月
  • 発売日:2022年06月27日
  • 国際分類コード【Thema(シーマ)】1:FB
  • 国際分類コード【Thema(シーマ)】2:1FPJ

小説『チュベローズで待ってる AGE32』の読みどころをネタバレ覚悟で解説

小説『チュベローズで待ってる AGE32』の読みどころは、私がネタバレ覚悟で解説したい3つのポイントがあります。

この小説の読みどころ

  • 近未来SF小説の要素
  • どんでん返しの続くミステリの要素
  • 苦悩する青年を描いた青春小説の要素

近未来SF小説の要素

作品の設定は2025年です。

見逃しがちなのですが、この本の刊行年は2017年であり、刊行時から8年後の未来を描いた近未来小説となります。

その近未来では、ゲームに3Dホログラムの技術が用いられるようになっています。

2023年現在でも、バーチャルアイドルが3Dホログラム技術を使い、ステージでライブを行うケースなどが見られます。

これがさらに小型化して、ゲームに使われる世界を想像すると、楽しさとワクワク感があります。

どんでん返しの続くミステリの要素

物語を追っていくと、連続的に事件が発生し、解決していきます。

その解決のたびに意外などんでん返しが待ち受けています。

例として、光太の妹の芽々が失踪するという事件があります。

当初は新宿で相次いでいる女子高生失踪事件の被害者になったのかと思われます。

しかし、光太が警察に行き、「家庭内暴力があったのではないか?」といった予想外の事態に直面します。

女子高生失踪事件が思わぬ形で解決し、芽々の失踪との関連性はないという事実が明らかになります。

そして、最終的に見つけ出された芽々が意外な理由で失踪していたと判明します。

このようなどんでん返しの連鎖が、この作品の魅力の一つと言えます。

苦悩する青年を描いた青春小説の要素

主人公の光太は、前作では就職活動に失敗した青年でしたが、今回では優秀なゲームクリエーターとして、社内から一目置かれる存在になっています。

一見成功しているように思えますが、彼の中には青年としての悩みが常に存在します。

たとえば、システムとして彼が実家を出て働いてきたことが、結果的に妹を傷つけてしまう原因となります。

この事実が彼を苦しめます。

加えて、光太はかつての恋人であり自殺した斉藤美津子の居た家に住んでいます。

経年で心の傷は癒えたかと思われましたが、美津子の甥から依頼された調査を通じて、彼の心の傷がなお生々しく存在していることが明らかになります。

このような青春の悩みや心の痛みも、見どころの一つといえるでしょう。

小説『チュベローズで待ってる AGE32』の読了感想

作者の方は素晴らしいストーリーテラーだと感じました。

読み始めると、ジェットコースターに乗せられたかのように物語に引き込まれます。

冒頭は主人公の光太が子会社のDDLへ出向くところから描かれ始めます。

簡潔な文章で、状況が的確に描写されています。

その後すぐに、会社に対する抗議行動や新宿で起きた女子高生の失踪事件など、次から次へと事件が起き、息をつく間もありません。

これらの事件が一つ一つ意外な解決を見せ、最終的には光太がかつて愛した女性からのメッセージを受け取る場面で物語は結末を迎えます。

そのメッセージが、ハラハラドキドキの連続だった私の感情に深い余韻を残してくれました。

小説『チュベローズで待ってる AGE32』の印象に残る名言

私が小説『チュベローズで待ってる AGE32』を読んで、特に印象に残った名言を紹介します。

「アンダーウッド副社長」のセリフ

「君には人を惹きつける力がある。

優しくしたくなる何かがあるんだ。

君の最大の才能は、きっとそれだと思うよ」

小説『チュベローズで待ってる AGE32』の評価や口コミ

他の方が小説『チュベローズで待ってる AGE32』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

「君主論」の解釈を軸に物語を読むと、それぞれの立場、事情の中、自分の思い通りに物事を運ばせる為の狡猾さや憐れみ深さ、事実よりも評価の世界で認められていく過程や、権力者や上に立つものの資質がそれぞれ描かれていて面白い。AGE22と共に一気に読み終わった。私達は、常に誰かの脇役であり、誰かの思惑によって行動していること。「知る」ことへの責任。「そう思い込みたい」から「そうである」としてしまう価値観に気付かされた感覚がある。感情と言葉のズレ、それが続くと人はおかしくなってしまう。牙は愛するものへこそ向くんだという側面も描かれていて良い。君主論の咀嚼の仕方も表現も好き。ラストに関しては、とてもシンプルかつ慈しみ深く、光也が救われるものであったことが嬉しい。きっかけはどうであれ、関係性や感情は相手によって大きく変化し、いつしかそれが真実になっていく様子も、彼の視点で見ていたはずが、一気に美津子の視点になりAGE22でのやり取りの記憶が甦る。あとがきも、いつの時代も人間の本質は変わらない…と改めて感じ、作者の思想を多少なりとも知れる素敵な内容でした。続きを読む
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前編よりサスペンス感が増し、スピード感もありサラサラ読めます。伏線回収が上手くて気持ちよくはまります。ラストは涙が止まりませんでした。
Amazonの口コミ

こちらの商品は欲しかった商品でお願いをしていて品物は問題無いんですが、配達方法で置き配で玄関前を指定していたのに何故宅配ボックスに入れられるんでしょうか?インターフォンに出て対応したのに宅配ボックス入れられるのは配達指示をしている意味が無いですよね?
Amazonの口コミ

おもしろい!入り込んだ!アッと言う間に読み終わった!
Amazonの口コミ

AGE 22, AGE32と一気に読ませます。主人公はAGE22は主にホスト時代、AGE32はゲーム開発者になった青年・光太の物語。光太は就活が上手くいかず、焦りを募らせていた。そんな中、ホストにスカウトされて店で働くことに。そこに美津子という女性が現れるが、彼女は実は光太が面接を受けた会社関係者だったー。この女性が物語のキーパーソンのような人物で、後々も外して語ることのできない存在なのです。それにしても怒涛のAGE32はスピード感が早く、伏線に秘密や事件、虚実綯い交ぜになったキャラクターらに読んでいて振り回される感がある。それにしてもよく書けたな〜と関心してしまうのです。
Amazonの口コミ

みなさんの小説を読んだ感想が面白いですね!

おわりに

小説『チュベローズで待ってる AGE32』についての私の感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しました。

「面白い」と感じた方は、ぜひ読んでみてください。

次に読む予定の小説は『変な絵』です。

一見何気ない絵に見えますが、よく見ると奇妙な点が見つかる。

その絵の謎を解き明かすミステリ小説です。







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