小説のレビュー

【ネタバレ注意】小説『護られなかった者たちへ』のレビュー!小説を見た感想は「心を打つ社会派ミステリー、あなたも最後は泣いています」

東京都にお住いの45歳女性(IT・通信系:広報)が2021年8月頃に「Kindleストア」で読んだ小説『護られなかった者たちへ』のレビューをご紹介します。

小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。

この小説の読みどころ

  • どんでん返し 
  • 日本のしられざる闇
  • 意外な犯人

小説『護られなかった者たちへ』を読もうと思ったきっかけ

同僚と夏休みの過ごし方の話をしている際に、読書を勧められました。

その際に一緒に進めていただいた一冊です。

少々重い内容でしたが、たしかその当時に映画かも決定されていて、阿部寛が出演されるとのことで、本を読んでから映画を鑑賞しようと思いました。

そこまで長期休みを取る予定ではなかったのでサクッと読める小説を探していました。

また、その時にアマゾンのキンドルがセールをやっていてとても安い値段での購入が可能だったため選択しました。

小説『護られなかった者たちへ』の内容

2011年に起きた東日本大震災の影響を色濃く残す宮城県を舞台にした連続殺人事件を題材にした社会派ミステリーです。

その殺人方法は残虐で、全身を縛られ身動きが取れない状態で放置され餓死させるというものでした。

被害者の一人である三雲は仙台市の保健福祉センターの課長を務めており、人格者として周囲から好かれていた被害者が強い怨恨を感じさせる殺害をされたことは大きな謎として残ります。

また、同じく仙台福祉に関わる城之内が同じような手口で殺害されます。

この連続殺人事件の担当の笘篠は、捜査戦場に浮かび上がる利根を追い詰めていきます。

利根は、模倣犯として刑期を終えたばかり、さまざまな憶測が飛び交う中、笘篠は二人の模範囚と利根との接点を見つけていきます。

そしてその接点がつながった時、大きなどんでん返しが待っています。

小説『護られなかった者たちへ』の作品情報

作品情報

小説『護られなかった者たちへ』のあらすじ

仙台市の保健福祉事務所課長・三雲忠勝が、手足や口の自由を奪われた状態の餓死死体で発見された。
三雲は公私ともに人格者として知られ、怨恨が理由とは考えにくい。
一方、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。
三雲の死体発見からさかのぼること数日、一人の模範囚が出所していた。
男は過去に起きたある出来事の関係者を追っている。男の目的は何か。
なぜ、三雲はこんな無残な殺され方をしたのか? 誰が被害者で、誰が加害者なのか。

本当に“護られるべき者"とは誰なのか
怒り、哀しみ、憤り、葛藤、正義……
万般の思いが交錯した先に導き出される切なすぎる真実――。

小説『護られなかった者たちへ』の読みどころをネタバレ覚悟で解説

私がネタバレ覚悟で解説したい小説『護られなかった者たちへ』の読みどころは大きく3つです。

この小説の読みどころ

  • どんでん返し 
  • 日本のしられざる闇
  • 意外な犯人

どんでん返し 

著者である中山七里氏は『ネメシスの使者』や他の作品で「どんでん返しの帝王」と呼ばれています。

こちらの作品も、話はすべて容疑者である利根が犯人であるという方向に向かっていきます。

唯一の疑問を挙げるならば「模倣因」であったこと。

しかし、それも殺人のため?!という運びになります。

そもそも利根が逮捕された原因は被害者二人が努める仙台の福祉保健所に放火したからです。

小説を読み進めていくにつれてどんどんと利根が怪しくなってきます。

幼かった利根に優しく接し、本当の親子のようにしてくれた遠島けいは生活保護が受給されず、餓死します。

この憎悪が被害者二人を殺害するには十分な理由になります。

しかし、利根は犯人は思わぬところから出てきます。

小説が上手にフォーカスする人物を狭めているので読んでいる間に忘れてしまうのですが、そう、一人、みんなが忘れていた人物がいます。

そしてその人物こそが犯人です。

日本のしられざる闇

題名のとおり「護られなかった者」を扱った社会派ミステリーです。

この本はあくまでもフィクションですが、おそらく、理不尽なことは実際に起きているのだろうと想像するに難くないです。

生活保護とはなんであるのか、保護を受ける人は人間としての地位さえも失うのか、そもそも人間自体に優越があるのか、さまざまな疑問をなげかけられてた一冊でした。

表面だけをみると「悪いことした」とうつるかもしれないが、それしか逃げ道がなかった。

のであったなら、罪とは?正義とは?私たちの見えていないところで、多くの罪がかさねられ、多くの人が虐げられ、助けが必要な人たちの声はもしかしたら私たちに届いていないのかもしれません。

護られる者は今も確実に存在ます。

意外な犯人

小説は容疑者として上がってきた利根にフォーカスをあてて進められます。

利根の現在、利根のすさまじい過去、逮捕歴。そのため読者もある人物の存在をすっかり忘れてしまします。

内容は利根を通して社会問題に触れ、生活保護の実態や理不尽さを浮き彫りにします。

そして、読者に「正義とは」を強く訴えかけてきます。

すっかり内容と、訴えに心を奪われてしまい、終盤に差し掛かると、あれ?そういえば、もう一人いなかった?その人はどうなった?と気づきます。

終盤はさまざまな伏線がつながり、犯人へと辿り着きます。

そして、心に傷を負い、苦しみ、どうしても自分で消化できなかったその犯人の悲痛を感じずにはいられませんでした。

小説『護られなかった者たちへ』を読み終わった感想

「護られなかった者たちへ」という題名が目を引く作品ですが、読み終わった後はこの題名がとても心に刺さります。

人間の尊重や尊厳は何を基準に測るのであろうか、そもそも測ることができる者なのであろうか。

「平等」といいながら不平等の中の均衡をとって生活をしているが、一度何かを失い、二本足で立つことができなくなった時、転がり落ちるのは簡単なのだろうと感じました。

世界はみな平等!と大きなスローガンを掲げる気はないが、実際に護られるべき者がいて、はたしてその声は誰の耳に届いているのだろうかと疑問ののこる小説でした。

小説『護られなかった者たちへ』で印象に残った名言

私が小説『護られなかった者たちへ』を読んで特に印象に残った名言です。

「遠島けい」のセリフ

人から受けた恩は別の人間に返しな。

小説『護られなかった者たちへ』の評価や口コミ

他の方が小説『護られなかった者たちへ』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

おわりに

私が小説『護られなかった者たちへ』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。

次に読みたいと思っている小説は『切り裂きジャックの告白』です。

臓器が抜かれた遺体の発見を皮切りに連続殺人が始まる。「護られなかった者たちへ」とおなじ中山七里氏の作品です。







   

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