兵庫県にお住いの65歳男性(商社系(総合商社・素材・医薬品他):営業)が2023年1月頃に読んだ『2040年の日本』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめておりますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
『2040年の日本』を購入したきっかけ
業界の新年会で5分程度のご挨拶をすることになりまして、未来志向の話をしたく、タイトルを見てまずは読んで勉強してみようと思った次第です。
新年会と言っても、コロナの感染状況を見極めながら開催の可否を検討して2月中旬に開催することになりましたので、発売ほやほやのこの本を読めるタイミングに恵まれました。
著者の野口悠紀雄氏はファイナンスの専門家ですが、我々の生活を取り巻く環境について幅広く書かれているので参考になると思いました。
『2040年の日本』の概要
10年後、20年後の社会を考える時に自分と家族は歳をとっていくと考えるものの、社会が変化することを無視しがちである。
しかし、社会の基本的な構造が変わってしまうと、多くの人が就いている職業がなくなるかも知れないし、年金でどこまで生活出来るか定かではない。
企業が事業を進めるに当たっては、未来の世界がどのように変わって行くか的確に見通すことが必要不可欠である。
日本と世界の将来予測が極めて必要であること解いて、予測を試みている。
『2040年の日本』の基本情報
基本情報
- 出版社:幻冬舎
- 著者:野口悠紀雄
- 定価:本体980円+税
- 発行年月:2023年01月20日
- ページ数:320ページ
- ISBN:9784344986831
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.gentosha.co.jp/book/b14812.html
『2040年の日本』の目次
目次
- 第1章 1%成長できるかどうかが、日本の未来を決める
- 第2章 未来の世界で日本の地位はどうなるか
- 第3章 増大する医療・介護需要に対処できるか
- 第4章 医療・介護技術は、ここまで進歩する
- 第5章 メタバースと無人企業はどこまで広がるか
- 第6章 自動運転とEVで生活は大きく変わる
- 第7章 再生可能エネルギーで脱炭素を実現できるか
- 第8章 核融合発電、量子コンピュータの未来
- 第9章 未来に向けて、人材育成が急務
『2040年の日本』のYouTube(ユーチューブ)
『2040年の日本』についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
「本要約チャンネル【毎日19時更新】」の「【ベストセラー】「2040年の日本」を世界一わかりやすく要約してみた【本要約】」がわかりやすくまとめられていたので、動画で見たい方はおすすめです。
『2040年の日本』から学んだことの要約とまとめ
『2040年の日本』から私が学んだポイントは大きく3つの内容です。
私が学んだこと
- 日本の未来は楽観できない。
- 経済予測に関しては短期予測よりも長期予測の方が確実な側面がある。
- 逆に将来の世界のほとんどの人が想像しなかった姿になることがあるので、基本となるシナリオを持って、情報を取り込みながら修正して行くことが必要である。
2040年までの日本の経済成長率は、良くて1~2%という厳しい予測が避けられない。
日本の社会保障はもっと高い成長率を前提に計画されているので、未来の日本の暮らしは明るいとは言い難い。
未来は与えられるものではなく、主体的に選択して作られていくものである。
しかし、コロナ禍での「バラマキ施策」を見るにつけ、政治と行政は近視眼的なバイアスで未来に対してはまったく無責任と言わざるを得ない。
こうした中では、国民が未来の問題を自分自身のこととして意識して、必要な政策を政治や行政に求めていかなければ開けない。
日本の未来は楽観できない。
日本の社会保障の負担と受益をどのような水準で維持できるかは、成長率で変わってしまう。
2%の成長率をベースに財政収支を試算されているが、1%の成長も極めて高いハードルと言わざるを得ないのが現状である。
経済成長には技術進歩が必要不可欠である。
日本のように人口が減少する社会では、デジタル化の推進によって、どこまで引き上げられるかが課題となる。
医療・介護が医療技術の進歩によって、支出を減らすことが出来れば必要な成長率を下げることが出来る。
その他の要因からは明るい見通しは見つからないのが現状である。
経済予測に関しては短期予測よりも長期予測の方が確実な側面がある。
日本の経済の長期的な成長率は、労働力人口の増加率、資本ストックの成長率、技術進歩率から評価出来る。
日本は人口が減少していて、15~65歳の労働力人口の減少することが予想されているが、就業者数は労働力人口の減少ほどには減らないことが予想されている。
高齢者や女性の労働力化の高まりが想定されている。
資本ストックについては、ここ10年の日本の設備投資は、ほぼ、資本減耗を補填するに過ぎないものであったので、今後も成長率ゼロとすることが適切と思われる。
カバーできるとしたら、技術進歩率であり、デジタル化の進展が決め手になる。
逆に将来の世界のほとんどの人が想像しなかった姿になることがあるので、基本となるシナリオを持って、情報を取り込みながら修正して行くことが必要である。
半世紀前に中国がここいまで発展することを想像した人は極めて少なかったはずである。
中国の動向が日本に大きな影響を与えることになってしまった。
今後の世界において、これと同じようなことが将来起こる可能性がないとは言えない。
そう考えると未来を考えることに意味がないと考えがちであるが、変化が生じた時に、できるだけ早くそれをキャッチし、従来描いていたシナリオにどのように影響を与えるかを考えて対処することが重要である。
日本が停滞してしまっていることは憂慮しなければならないが、まだまだ修復可能な段階であるので、何とか日本の再建に全力を尽くして手遅れにならないようにしなければならない。
『2040年の日本』の感想
小学生の頃は高度経済成長の真っ只中でしたが、その後オイルショックなどがあり、低成長に移行する中で大人になりました。
大人になっても、しばらくは経済成長率世界第2位の経済大国だったのですが、中国に抜かれてからはあっという間に引き離されてしまいました。
2人の我が子は平成生まれであり、日本が経済成長する時代を経験していません。
話していても考え方のベースが違うと考えることがあります。
我々世代も未来のために何が出来るか考えることを止めないつもりですが、全く違う環境で育った世代の力が日本の再建には大きな力になるような気がして期待するようになりました。
『2040年の日本』の評価や口コミ
他の方が『2040年の日本』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
野口悠紀雄氏が、興味深い本を出した。このままだと、2040年の日本経済は大変な状況になると警告する。例えば、一人当たり社会保証負担は4割増加に。長期予測は難しく、その予測が全て当たることはないにしても、近視眼的な政策しか考えない今の政府、国会、メディア、国民には、重大な警告だ。
— 竹中平蔵 (@HeizoTakenaka) February 26, 2023
野口悠紀雄著「2040年の日本」を読みました。
韓国やアメリカは大学ランキング上位100校中のシェアがGDPシェアより高い(教育に力を入れているということ)が、日本はそうではなく、経済力に相応しい「大学力」を持っていない、という事がわかりました。
特にコンピュータサイエンス、情報システム分野で pic.twitter.com/qSNvx46vjp— 前島けいた【岡山市議会議員・維新】26歳 (@maeyan_running) February 19, 2023
外部環境変化適応のための今週の読書2冊
未来の年表 業界大変化 河合雅司さん
2040年の日本 野口悠紀雄さん目を背けず戦略的な対応が必要
・「まずは目の前の課題をこなすことが先だ」
と言い訳しながら、時だけが過ぎていく
・われわれは、未来の世代に対する
責任を果たしているか? pic.twitter.com/PVfOISIf0V— HAMA.T @ キャリア共奏Lab (@HAMAT18002558) March 12, 2023
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
第一線を卒業する世代ですので、出来ることは限られるかも知れませんが、少なくとも時代に取り残され過ぎずについて行きたいです。
年寄りだけの付き合いに終始するのではなく、若い世代とお酒を酌み交わそうとして、応じてもらえるような老人を目指したいと思います。
具体的には、メタバースを意識して勉強し、大いに活用して行きたいです。
日本が成長するためにはDXを無視することは出来ませんので、メタバースを十分に活用することが発展に寄与する結果になると思います。
次に読みたいと思っている本は『メタバースの経済と未来』です。
メタバースの経済と未来
「2040年の未来」を読んで、メタバースについて詳しく知りたくなりました。メタバースを実際に活用することによって発展に寄与したいです。