千葉県にお住まいの41歳の女性(職業:塾講師)が、2023年8月頃に読んだ『成瀬は天下を取りに行く』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約し、整理しておりますので、書籍で学んだことや感想、評価や口コミに興味がある方は参考にしてください。
目次
『成瀬は天下を取りに行く』を購入したきっかけ
我が子は野球の埼玉西武ライオンズのファンで、読書はあまり好まないタイプでした。
そこで西武のファンが集まるSNSで「西武の栗山巧さんのファンなら是非読んでみてください!」と書かれたポップについている写真を見たところ、表紙には西武のユニフォームを着た女の子の絵が描かれていました。
これは読書の良いきっかけになると思い、書店に足を運んで子どもにその本を実際に見せ、一緒に読むことを提案しました。
帯には様々なジャンルで活躍している方々からの推薦文が書かれており、これも興味深い点でした。
『成瀬は天下を取りにいく』の概要
一風変わった中学生の女の子「成瀬」が主人公で、周囲とは馴染むものの、物語は基本的に成瀬の友達からの視点で進行します。
成瀬は変わっているがゆえに面白いという視点を持ち、自己をしっかり保ちながらも屈することなく、多様な挑戦に取り組む前向きな女の子の姿を描き出しています。
目立つのは彼女が一つのことに固執するのではなく、様々なことに全力で取り組む姿勢で、そのポジティブなエネルギーが物語を彩っています。
目標が達成できなくても挑戦した経験が大切であるということを子供たちに教えるには十分すぎるほど魅力的な物語です。
基本情報
- 著者:宮島未奈
- ISBN:9784103549512
- 出版社:新潮社
- 判型:4-6
- ページ数:208ページ
- 定価:1550円(本体)
- 発行年月日:2023年03月
- 発売日:2023年03月17日
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
『成瀬は天下を取りにいく』のYouTube(ユーチューブ)
『成瀬は天下を取りにいく』についてYouTube(ユーチューブ)で分かりやすく解説している動画があるか調べてみました。
「けんご📚小説紹介」チャンネルが詳細に解説しているため、本を読む時間がない方にはこちらのYouTube(ユーチューブ)動画をおすすめします。
『成瀬は天下を取りにいく』から学んだことの要約とまとめ
『成瀬は天下を取りにいく』から学んだポイントは、主に3つのテーマに集約されます。
学びのポイント
- 物事への取り組みの在り方
- 目の前の全てに全力を尽くす
- 結果が伴わなくても前を向いて進む
この本からは、挑戦の価値と、果たして報われるとは限らない現実が描かれています。
だが、挑戦という行為自体とそのための努力が人生を豊かにすると、具体的に感じられます。
さらに、子どもへの接し方のヒントも得られると思います。
挑戦を望む子どもを信頼し、応援し、サポートすることで、子どもの自己肯定感が高まり可能性が広がることを教えてくれます。
物事への取り組みの在り方
「シャボン玉を作る」たった一つの目標にも全力で取り組む姿勢が、「大きくて割れにくいシャボン玉を作る」という新しい目標を生み出します。
具体的な目標を設定しなくても、挑戦すること自体が新たな目標を見つける手助けになることを教えてくれます。
何事にも全力を尽くす主人公の姿勢を友人を通して学ぶことができます。
目の前の全てに全力を尽くす
一つのことに熱中できる人は素晴らしく、尊敬するに値します。
一流のアスリートや料理人、技術者、研究者となる人々の姿を見て、自分は何か一つに全力を尽くせないと悲しく感じることが多いです。
しかし、それが普通のことであり、万能ではない自分を卑下する必要はないと気づかせてくれます。
一つのことに熱中できないなら、様々なことに全力で挑戦する姿勢を持てば良いと学びます。
結果が伴わなくても前を向いて進む
有言実行で結果を出すことは難しいことです。
成功しそうにないと感じれば、挑戦自体が馬鹿げたものに感じてしまい、全力での取り組みを諦めてしまうこともあるでしょう。
しかし、挑戦する権利は誰にでもあります。
結果が思うように出なくとも、その挑戦を通じての努力は生きていく力になります。
結果が伴わなくても恥じることはなく、嘘つきでは決してないと教えてくれます。
『成瀬は天下を取りにいく』の感想
大変爽快な気持ちになりました。
新たな挑戦心が呼び起こされました。
それが周囲から見れば馬鹿馬鹿しいことや些細なことでも問題ないと感じました。
自分が「やりたい」と思った瞬間が挑戦する時なのだと改めて認識しました。
私自身はもう大人ですが、自分の子ども含む若者たちには、まだ時間と体力と大人の支援がありますから、思う存分に多様なことに挑戦してほしいと切実に願いました。
結果が伴わなくても挑戦することが無駄であるなどとは思わない。
全ての経験がその人の人生を肥やすのです。
『成瀬は天下を取りにいく』の評価や口コミ
他の方が『成瀬は天下を取りにいく』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈 #読了
爽快でおもしろかった!仕事でのごたごたを精神的に引きずったまま休日に突入。1日をモヤモヤしたまま過ごしてしまいそうになったが、ひとまず20ページだけ読むつもりが一気読み!頭が完璧に切り替わって気持ちがいい😊かなり魅力的な主人公でした✨感謝です。 pic.twitter.com/417e5femxK— びんちゃん@マイペース🦫📚 (@binchanbinchan_) November 3, 2023
宮島未奈著「成瀬は天下を取りにいく」#読了
成瀬は最強!!!!
揺るぎなく自分を信じられることってなんてまばゆくて素敵なのか!
大きな世の中の荒波によって日常が予想もしない展開を迎えることもあるとみんなが知ったこの数年間で、成瀬は目を伏せることなく前へ前へと進み続けていたんだね。— よむこ (@ZiZf7) November 3, 2023
『成瀬は天下を取りにいく』の繫体中国語版『奪取天下的少女』が本日11/1発売です。成瀬の世界進出の第一歩です。膳所から台湾へ! #成天 pic.twitter.com/GOz2B71Wax
— 宮島未奈 (@muumemo) October 31, 2023
こんばんは🌛夜分に失礼します🍀#丸善ジュンク堂に住んでみる2023エア参加 始まりました♪読むのは【成瀬は天下を取りにいく】📖
私がリクエストした「脇役がいい味だしてる本」でジュンク堂書店松坂屋高槻店さんが紹介された一冊です😊#キレートレモン でリフレッシュしつつ楽しみます🍋姉 pic.twitter.com/zWUrpSv0Rl
— ポッカサッポロフード&ビバレッジ🍋 (@pokkasapporo) October 28, 2023
『成瀬は天下を取りにいく』とミシガンクルーズのコラボ、レッツゴーミシガンキャンペーンは10月31日で終了しました。たくさんの人が単行本を持って乗りにきてくださり、琵琶湖汽船の方も喜んでいらっしゃいます。ミシガンは引き続き運行中ですので、ぜひ聖地巡礼にいらしてください #成天 pic.twitter.com/EDKrfMCbuP
— 宮島未奈 (@muumemo) November 2, 2023
一気読みしていまいました。
Amazonの口コミ
一言で言えば、強烈。ある角度で見ると、奇人かもしれない。でも異なる角度からは、非常に興味を惹かれる不思議な存在の主人公 成瀬。そんな彼女に、奇しくも惹かれてしまう人々との掛け合いもまた不思議かつ強烈なもので、一人の人間の、その後の人生すらも変えてしまうほど。現実ではありえないだろうと薄々感じながらも、だけどここは自分たちが知っている日本であることを実感させられる描写が確かにあって…、成瀬という存在の前では全て起こり得るかもしれないと植え付けられてしまう。結局何が言いたいかまとまらず、語彙力のない言葉で片付けてしまうけれど、とにかく不思議で強烈な最高傑作。
Amazonの口コミ
絵姿が見える。勇姿が浮かぶ。映像化したら痛快だろう。
Amazonの口コミ
人生における重要なキーワードが込められている。行動して経験を重ねて行くことで何かが見える。
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友人に差し入れました。喜んでました。
Amazonの口コミ
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
子どもを育てる上で、否定はしないということを改めて学びました。
もちろん、危険なことや法に触れるようなことは除きます。
子どもが「やってみたい」と少しでも思ったことがあれば、それをしっかりとサポートします。
手は出さず、口も挟みません。
要求があればいつでも助けてあげられる距離から見守ることを心がけます。
「スーパーで買ってきたもやしの袋に何本のもやしが入っているのか平均値を出したい」というようなことでも意欲を尊重します。
全力で取り組む喜びを伝える存在でありたいと思います。
次に読みたいと思っている本は『種の起源』です。
1859年に出版されたダーウィンの有名な著書ですが、まだちゃんと読んだことがありません。
自然科学の分野だけでなく、社会学や文化学などにも影響を及ぼしたこの作品を、そのまま見過ごすことは避けたいと思っています。
本が書かれた時代背景と合わせて、現在に至るまで何がどう変化しているのかを理解しながら読み進めたいと考えています。