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小説のレビュー

【ネタバレ注意】小説『本を読む女』のレビュー|小説を読んだ感想は「本を愛する全ての人へ」

東京都在住の33歳女性(サービス系:デザイナー)が2022年1月頃に「紙の本」で読んだ小説『本を読む女』のレビューをご紹介いたします。

小説の感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しています。

未読の方でも物語が面白いのか知りたい方や、評価や口コミが気になる方は是非参考にしてください。

この小説の読みどころ

  • 「優等生」に縛られる主人公
  • 人生の苦難を支える「本」そして「読書」
  • 勉強も仕事も優秀なヒロイン・万亀の魅力

小説『本を読む女』を読もうと思ったきっかけ

林真理子さんの他の作品は読んできましたが、本作は他の作品とは全く違うという声を耳にしたため、興味が湧きました。

レビューサイトにて「恐らく作者はこの作品が書きたくて作家になったのではないか、それくらい魂が宿っていると感じた」という感想を見て、ますます興味を持ちました。

私は個人的に、林さんの言葉遣いが好きで、過去に数作品読んできました。

しかし、その他の作品はストーリー性として昭和的な価値観を持つ恋愛話が多かったことから、新たな試みとなる本作に挑戦してみたいと思い、手に取りました。

小説『本を読む女』の内容

主人公・万亀は子供の頃から無類の本好きで、大正時代、山梨県の商家に生まれ、三人姉妹の末っ子として育ちます。

教育熱心な母親に育てられた万亀は、成績優秀な優等生として頭角を現し、東京の女学校へ進学します。

小学生の頃には、学校で書いた作文が雑誌に掲載され、時には新聞にも取り上げられるほどの文才を持つ少女でした。

山梨での子供時代から東京へ出て成人し、やがて戦争の始まりと共に大陸へ渡りました。

激動の人生を歩みながらも、ストーリーはどの時代でも万亀の読んでいる本、そして彼女が常に抱いている文学や言葉への愛と共に進んでいきます。

作品情報


小説『本を読む女』の読みどころをネタバレ覚悟で解説

私がネタバレ覚悟で解説する小説『本を読む女』の読みどころは大きく3つです。

この小説の読みどころ

  • 「優等生」という言葉に縛られる主人公
  • 苦難の人生を支える「本」と「読書」
  • 勉強も仕事も優秀で有能なヒロイン・万亀の魅力

「優等生」という言葉に縛られる主人公

万亀は少女時代から常に「優等生」として周囲から評されています。

その反面、本人はその言葉に苦しみを抱いています。

学業の成績は常に優秀で、地元の有名校で級長を務めるなど、教育熱心な母親から「口答えはしない」という教えを守り続ける万亀。

しかし、その性格からも「優等生」のレッテルをはがすことができず、大人になってからも自分の道を歩む際には周囲の意見を聞き入れ、自己決断ができずにいます。

このような万亀が、優秀で魅力的なだけでなく、甘さや世間知らずな面も見せるエピソードは読者からすると、「こんな素敵な人が、なぜ」と悔しく感じるほど不遇の人生を歩むことになります。

夢や情熱、能力すらあるにも関わらず、家族の意向に逆らうことができず、自分自身の殻を破ることなく何度も挫折する万亀の姿は、自分なりの生き方を模索している21世紀の私たちにも共感を呼びます。

苦難の人生を支える「本」と「読書」

大人になると、万亀の人生は辛い試練が続くようになります。

親の反対で進学できるはずだった大学に進むこともできず、外国での生活という夢も挫折。

嫌だった結婚も回避できず、人生は田舎の実家に縛られるようになります。

さらにすること無くいくつもの問題が持ち上がります。

これらの苦しみの中、万亀の心を救うのが、彼女が没頭する詩や文学作品です。

そしてそれらは万亀を支え続けます。

終戦してほぼ全てを失った万亀も、やはり本を読み続けます。

本を読むことの意味、情熱の源は何か。

これらを、万亀の人生を通じて読者自身が感じ取ることができます。

勉強も仕事も優秀で有能なヒロイン・万亀の魅力

万亀は地方の一般的な家庭出身で、教養がある以外は戦前の日本社会の平凡な女性に見えます。

しかし、その内面は魅力に満ち溢れています。

本人は「優等生」であることを嫌い、周囲に求められる自身の姿勢に苦しみています。

学力に秀で、級長も務めるなど地元での評判も良く、仕事においても高い評価を受けています。

しかし彼女は、三姉妹の姉たちほど美しくない自分に自信を持つことができず、女性の仕事能力が評価されにくい時代背景から「えらい女の人」などではないと考えています。

しかし現代人の視点から見れば、万亀の優秀さは尊敬の対象となるでしょう。

商家育ちであり学習能力にも秀でた万亀の仕事への情熱には注目が集まります。

小説『本を読む女』を読み終えた感想

戦前の女性の一代記として、また一人の人間の人生の物語として、深く感動する小説です。

「本を読む女」というタイトルの通り、主人公の万亀は常に本を読んでおり、その姿に読者自身を重ねてしまうことでしょう。

作中には、本を愛する人々に深く resonating 表現が随所に散りばめられています。

万亀自身も、彼女が出会った同じ「本好き」の田代さんも、文学や読書についての熱い思いや哲学を口にします。

本を読んでいる時の自身の感情に共感できる一節が必ず見つかるでしょう。

小説『本を読む女』における印象深い名言

私が小説『本を読む女』を読んだ際に特に印象に残った名言を紹介します。

「小川万亀」の名言

この世にたった一人だけ残されたかのような静寂の中で、本を読む。

それこそが最高の幸福と言えます。

小説『本を読む女』の評価や口コミ

他の方が小説『本を読む女』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

みなさんの小説を読んだ感想が面白いですね!

おわりに

私が小説『本を読む女』についての感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきました。

「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。







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