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書籍のレビュー

【書評】『冷たい豆満江を渡って』のレビュー|書籍を読んだ感想は「北朝鮮の実情が分かる1冊」

宮城県にお住いの38歳女性(主婦)が2023年5月頃に読んだ『冷たい豆満江を渡って』のレビューをご紹介します。

本書の概要や内容をわかりやすく要紹介しますので、書籍で学んだこと、感想、評価や口コミが気になる方は参考にしてください。

この本から学べるポイント

  • 帰国者増加の理由、北朝鮮の策略
  • 豆満江、様々な思いが詰まった涙の川
  • 兄の思い、著者を助けた要素

『冷たい豆満江を渡って』を購入したきっかけ

GWに特別に出かける予定もなかったため、読書をしようと決めた時に購入した本です。

偶然、古本屋さんで見つけて立ち読みしていましたが、予想以上に面白く、全部読みたいと思いましたので購入しました。

帰国者の脱北体験談は、これまで読んだことがなく、想像を絶するような生活が描かれていて衝撃的でした。

続きが読みたいと思いましたが、立ち読みだけでは内容が深刻過ぎて、しっかりと購入して家でじっくり読むことを決めました。

『冷たい豆満江を渡って』の概要

日本で生まれ、日本で育った著者・梁葉津子さんが、両親の祖国である朝鮮半島に帰国するノンフィクションの物語です。

帰国したものの、想像と異なる生活が家族を待ち受けています。

その結果、飢餓に苦しむこととなり、脱北して再び日本に帰るまでの壮絶な半生が描かれています。

また、帰国者の視点で北朝鮮の良さや悪さ、中国や日本の見え方などが記述されている書籍でもあります。

脱北の真実を知りたい方や、北朝鮮の実情を理解したい人におすすめの1冊です。

基本情報

  • 著者:梁 葉津子
  • ISBN:9784802401173
  • 出版社:ハート出版
  • 判型:4-6
  • ページ数:272ページ
  • 定価:1500円(本体)
  • 発行年月日:2021年05月
  • 発売日:2021年05月08日
  • 国際分類コード【Thema(シーマ)】:DNB

『冷たい豆満江を渡って』のYouTube(ユーチューブ)

『冷たい豆満江を渡って』について、YouTube(ユーチューブ)でわかりやすい解説動画がないか探しました。

しかし、残念ながら詳しくこの本を紹介しているYouTubeチャンネルを見つけることはできませんでした。

そこで、本ブログで要点をまとめて伝えられればと考えています。

『冷たい豆満江を渡って』から学んだことの要約とまとめ

『冷たい豆満江を渡って』から学んだポイントは主に3つあります。

学んだこと

  • 帰国者増加の背後にある北朝鮮の策略
  • 豆満江――様々な想いが詰まった涙の川
  • 兄の思いと著者への援助

この書籍から、北朝鮮の政策の恐ろしさが理解できました。

しかし、恐ろしい国や政策であるとしても、どの国にも良い人々が存在しているという希望も見つけることができました。

生活の苦しさから人を欺く者や酷い行動をする者が登場しますが、それでも皆一生懸命に生きていることが感じられました。

つまり、国の教育や方針は、人間を変えてしまう恐怖性があるということです。

その恐怖の中でも信念を貫き続ける人々が存在し、人間の生きる力の素晴らしさを再確認できました。

帰国者増加の背後にある北朝鮮の策略

朝鮮総連は、「北朝鮮は地上の楽園だ」「高度な教育が受けられる」といった虚偽の情報を伝え、日本に住む朝鮮人を大量に北朝鮮へ帰国させました。

著者の両親は、住んでいた地方が現在の韓国であり、それでも帰国先は北朝鮮でした。

そして、北朝鮮に赴いてその言葉が全て虚偽であったことを痛感します。

結果、北朝鮮に移住したことで家族はばらばらになり、皆が飢餓による苦しさを経験しました。

そして、同じような経験をした帰国者が北朝鮮に多く存在することを知り、その事実に心を痛めました。

豆満江――様々な想いが詰まった涙の川

書籍のタイトルでもある豆満江は、中国と北朝鮮を繋ぐ重要な川です。

著者はこの川を二度渡り、脱北を果たしました。

そして、この川は朝鮮人が独立運動を起こすと大量の命が失われる場所としても知られています。

また、著者の次男の恋人もこの川で自ら命を絶っています。

このように、豆満江には命を失うしかなかった人々の悲痛な涙が詰まっています。

そして、彼らを想う遺族の涙もこの川に詰まっており、心を打つ場所であることが明らかとなりました。

兄の思いと著者への援助

著者は両親と共に北朝鮮に帰国しましたが、当時成人だった実兄だけは日本に残りました。

そこで、この兄がおりたからこそ、著者が日本に戻ることが可能となりました。

実は、兄は北朝鮮に移住した家族を救うために、朝鮮総連の幹部となっていたのです。

その結果、彼の子どもたちは差別を受けざるを得ませんでしたが、それでも兄は家族のためにその道を選びました。

その兄の強い思いが伝わってきて、深く感動しました。

『冷たい豆満江を渡って』の感想

北朝鮮という国で庶民が生きる難しさを、痛感しました。

生き抜くために人が人らしさを失いがちで、それを読むにつれ、大いに心が痛みました。

ですが、そんな状況の中でも生きる希望を忘れず、必死に立ち向かった著者の姿は、尊敬しきりでした。

国籍などは関係なく、人間の善悪は常に明瞭です。

どの地で暮らすかに関わらず、誰もが自由に生きる時代が早く訪れることを、心から願わずにはいられませんでした。

『冷たい豆満江を渡って』の評価や口コミ

他の方が『冷たい豆満江を渡って』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

日本から北送され脱北して失敗して北に送還され再び脱北して、日本領事館に救いを求め冷たい対応を受けて最後に日本にたどり着くと云う事例は余り多くないだろう。北送者が低い成分あり、脱北失敗者がますます低い成分に置かれる状況に置かれて生活する状況が本書の文章の背後に見えるのが興味深い。北朝鮮の高い成分の上級生活者が日本のメディアで屡々報道されるが、下級の成分に属する者がどのような環境で暮らして居るのかは漠然としか伝えられて居ない。著者は、本書で北の政治分析をする意図は無く、また、著者は作家ではなく素朴な文章で実態を語るだけであるが、脱北失敗者が苛酷な制裁を受けるわけでもないのにやや意外な感じを受けるも、役人、監視者、目に見えぬ密告者に取り囲まれて生活する人々の姿に、返って監視国家の生の姿が文章の背後に透けて見える。脱北者を食い物にして儲ける仕事があることも知って勉強になる。て見えるのが興味深い。続きを読む
Amazonの口コミ

本人が自分の意志でなく、親に連れられて行って大変な思いをして、食べ物も無く言葉も通じにくいのに、苦労の連続で、生きるか死ねかの境目を耐え忍んで帰ってこれた喜び感動しました。
Amazonの口コミ

著者の梁葉津子氏は、昭和35(1960)年、17歳(本書では18歳と表記されているが、数え年と思われる)の時、帰国事業で両親と長兄を除く兄弟と共に北朝鮮に旅立つ。両親は共に南朝鮮出身で、北朝鮮に行くことは”帰国”などではなかった。また北朝鮮に行きたがったのは父親だけだったが、父親への同情心と両親との別れがたい気持ちから、気が進まないまま北朝鮮へ向かったのである。一家を待っていたのは、日本にいた時よりもはるかに貧しく希望のない生活だった。その後、著者は同じ帰国者の男性と結婚するが、夫はほとんど働く姿勢を見せず、生活や子育ては著者が女手一つで引き受けることになる。約20年後、日本から長兄が訪ねてきて、事情をよく把握していた長兄はその後、毎月送金してくれ、著者らを支えてくれた。1994年、金日成が死去してから北朝鮮の食糧事情が悪化し、餓死者が出るようになり、著者は1997年、末息子の三男と脱北を決意する。豆満江を渡って中国に渡り、事前に連絡していた中国朝鮮族に匿われる。初めは親切だった彼らは、日本の兄から送金がくる中で次第にビジネス的になっていく。そして何者かの密告によって、著者らは先に脱北していた長女と共に捕らえられ、北朝鮮に強制送還されてしまう。脱北者の中には、捕らえられた後、北朝鮮のスパイとして仕立てられ、同じ脱北者を密告する役割をする者もいるのである。そして著者らは、山奥の電気もろくにない村に追放されるが、著者はその寒村でむしろ、人々の厚い人情を感じ、純朴な生活に喜びを感じたという。しかし居心地のいい村とはいえ、そこはやはり北朝鮮であり、三男が脱北のルートを用意したことにより、著者は再び、三男と豆満江を渡る。しかしそこでも、他の脱北者に密告され、中国国内の拘置所に収容されてしまうが、逮捕前に日本からの救援NGOに接していたことが幸いし、著者は取調官から「北朝鮮には送還しない。日本に行くことになるかもしれない」と告げられる。この拘置所でかなり待たされ、1年半も過ごすことになるが、著者は多くの脱北者と出会う。お金を稼ぐために子供を置いて中国に渡っている間に子供が餓死してしまい、正気を失った人も何人かいた。しかし悲惨な話ばかりではなく、雑居房の仲間と歌ったり踊ったりして楽しんだこともあった。また彼女はリーダー的存在になり、できるだけ清潔にきちんとした生活をするよう仲間に指示し、副所長の信頼を得た。著者は帰国時点での日本人官僚の酷い対応に怒りを感じたが、食べ物の苦労のない日本に子供達と一緒に帰ってきて本当に良かったと思っている。そして北朝鮮という国が崩壊して、かつての同胞に平和と自由が手にできる日が来ることを願っている。著者の性格が良いので、暗さや深刻さは感じられない。最初の拘置所で窓から見た杏の花に感動したり、寒村の掘立小屋で酷い雨漏りを経験した時も、昔本で見たヴェニスを思い浮かべ、シャンソンを口ずさみ、見回りに来た人を驚かせたという。解説者の三浦小太郎氏も、「著者が全体主義体制下で数十年暮らしながらも、決してその精神を破壊されなかったのは、自然の美しさに感応し、想像力によって日常生活に潤いを与え、人々の善意と精神の美しさを感じ取る姿勢を持ち続けることができたからだ」「どんな抑圧体制下でも決して精神の自由を失わなかった人々、時として体制側の人間にすら見られる善意や良心が確かに存在したこと、それが読者に希望を与えてくれるのだ」と述べている。続きを読む
Amazonの口コミ

北朝鮮への帰還事業で、日本人妻や子供達合わせて93.000人以上が海を渡った。その帰還事業の意図するところは、別にあった。過酷な条件を生き抜く性格特性がうるようだ。(1)楽天的であること(2)困難にも工夫して立ち向かう積極性(3)他者に優しいこと(4)一度決めたら大胆に行動する…私には無理だな😩
Amazonの口コミ

1990年代の北朝鮮には国中が飢餓状態となり、おそらく100万人レベルの餓死者が出現、そして中朝国境を超える脱北者が出現しました。本書は10代の時に両親と共に帰国運動で北朝鮮に渡り、この時期に脱北した女性の手記です。この本の中心は、北での生活以上に、脱北して暮らした中国での体験、特に捕えられて牢獄に入れられた時の様々な出来事が書かれています。残念なことですが、脱北者は単純に「北朝鮮独裁政権の気の毒な被害者」というだけではありません。同じ脱北者が脱北者を密告することもあれば、犯罪を犯す人もいます。実際、著者は密告されて中国で二回にわたり逮捕されているのです。そして、彼らを中国で匿い、保護する中国朝鮮族も、最初は善意で気の毒な同胞を保護したのかもしれませんが、彼らを韓国や日本の親類からお金を引き出すための「脱北ビジネス」として利用するようにもなります。本書にはそのあたりの現実もきちんと描かれています。正直、在日朝鮮人の人権問題や差別問題を議論するなとは言いませんが、20世紀以後の現代史において最も朝鮮人を虐待し、かつ殺していったのは、どう考えても日本でもアメリカでもなく金日成に始まる北の独裁者たちです。大東亜戦争中も戦場にならなかった朝鮮半島を地獄の戦果に変えたのは北朝鮮の引き起こした朝鮮戦争だし、その後、北に確立されたのは抑圧と飢餓の収容所国家です。そして、もちろん日本の知識人や政党がそれに賛同した責任は免れないけど、帰国運動という名のもとに、その地に在日朝鮮人を甘言と偽宣伝で送り込んだのは朝鮮総連でしょう。このことを無視した「人権」論って正直何なのかと思うし、この歴史にこそ「責任」と「犯罪者の処罰」が必要だと思います。本書はこの現代史を生きた女性の貴重なドキュメントと思いますので、興味のある方はぜひご一読ください。続きを読む
Amazonの口コミ

みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!

おわりに

日本人が偏見なく朝鮮人と接することは、非常に大切だと感じました。

脱北者と聞くと、その事実だけで集中的な注目を浴びることが多いと思われます。

また、朝鮮人と聞くと、何となく関わりを避ける傾向にある日本人も少なくないように感じます。

しかし、それでは何年経っても、彼らはどこにも居場所を見つけられないと思われます。

日本国籍を取得できない朝鮮人もいるため、そういった人たちが罪悪感を抱くことなく堂々と生活できる日本を築きたいと思います。







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