埼玉県にお住いの55歳女性(サービス系:給仕)が2022年12月頃に「DVD」で見た映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』を見ようと思ったきっかけ
2023年1月からNHKで同作品をドラマ化して放映することが決まったので、その予習を兼ねて観なおしてみました。
本作の公開が2012年ということでしたが、主人公の右衛門佐(えもんのすけ)を演じた先雅人さんはこの作品で共演したことで徳川綱吉役の菅野美穂さんとご結婚されたのだなと思うと感慨深いものがありますね。
原作が昨年完結して、今でも時々通して読み返しますが、いろんな意味でクライマックスな展開を見せてくれるのがこの「大奥~永遠~」で描かれている時代なのです。
映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の内容
謎の奇病”赤面疱瘡”によって男性人口が激減した江戸期、五代将軍徳川綱吉の代になってようやく政情も安定し、文化の爛熟期を迎えてきた頃、一人の公家の男が京から野心を持って大奥に入ってきました。
彼は”右衛門佐(えもんのすけ)”と名乗り、最初は綱吉の側室候補として御台所の信平に招かれたのですが、年齢を理由にそれを辞退し、大奥総取締という役目を得たのです。
側室とは違う形の権力を掴んだ右衛門佐は大奥で暗躍していきますが、そんな中で綱吉はたった一人の世継ぎの松姫を病気で失ってしまいました。
それに伴って大奥が混乱を極めていくことになったのです…。
映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の作品情報
作品情報
- 監督:金子文紀
- 脚本:神山由美子
- 原作:よしながふみ『大奥』
- キャスト/出演者:
- 堺雅人
- 菅野美穂
- 尾野真千子
- 柄本佑
- 要潤
- 宮藤官九郎
- 西田敏行
- 主題歌:MISIA「Back In Love Again (feat. 布袋寅泰)」
- 日本公開日:2012年12月22日
- 上映時間:124分
- 公式サイト:https://www.shochiku.co.jp/cinema/database/04762/
映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』のあらすじ
時は元禄、5代将軍・徳川綱吉の時代。3代将軍の時代に誕生した男女逆転の世も定着し、徳川の治世は最盛期を迎えていた。そんな中、綱吉の娘が急死したことで後継者をめぐる争いが勃発する。
映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の予告編
映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- 綱吉の美貌と悲劇
- 右衛門佐の野心
- 一番”大奥”らしいストーリー展開
綱吉の美貌と悲劇
菅野美穂さんが演じた『徳川綱吉』は三代将軍徳川家光の娘であり、その父・桂昌院は側室時代から絶大な権力をもって綱吉を守り、将軍に仕立ててきました。
わがまま放題の綱吉は一見チャーミングで妖艶、よしながふみさんが描いていたコミック作品のなかの艶やかなキャラクターををのままに菅野さんが演じており、その美貌は眩しいほどです。
しかし、だからこそ奔放で人の気持ちを顧みることなく家臣の夫を奪い、やりたい放題に生きてきたのですが、その報いは一番大切なものを失うというかたちで彼女に降りかかってきます。
一人娘の松姫の死は、それだけでは終わらず、後に生類憐みの令などで大きな悲劇を生み出すもとになっていくのです。
右衛門佐の野心
江戸期中期の京都、公家のことは映画やドラマであまり描かれることがなくてミステリアスな世界に思われますが、そこから野心を持って江戸城にやってきた右衛門佐の回想シーンで、その困窮ぶりがうかがえます。
名家に生まれた数少ない良質の血筋を継いだ男子ということで、彼は引く手あまたでしたが、それは子種と引き換えに金品を得る、という、ほとんど売春と変わらないことをして親や姉妹の暮らしを支えていたのです。
そんな地獄のような日々から抜け出すために彼は御台所の招きに応じて大奥にやってきました。
そして綱吉をある意味誘惑し、権力を得たのです。そこからの彼は、まるで水を得た魚のようでした。
一番”大奥”らしいストーリー展開
松姫を失った綱吉は、大奥に集う若い男たちを毎晩のように閨に引き入れて子供を作ることを強制されました。
それは将軍の義務であって、そこに彼女の心はありませんでした。
彼女は強要してくる父の桂昌院を突き放すこともできず、やがて子宝祈願のために天下の悪法「生類憐みの令」を発布し、世の中を大混乱に陥れていくのです。
そして民衆の憎悪は綱吉に向けられるようになり、次々と悲劇が巻き起こされていきました。
過去の「大奥」作品で描かれてきた、男女の生々しい物語がここでも展開されて、シリーズ中で最も”大奥らしい”描写が詰め込まれています。
映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』を見終わった感想
美しく、奔放で艶やかな女将軍の人生を描いていますが、実はその心のうちは荒み、誰よりも本当の愛を求めていた、という物語です。
そして若さを失い、老いさらばえていく自分をみつめなおしたとき、初めて誰よりも自分を愛してくれていた存在に気づく、という切ない話です。
やっとそのことに気づき、桂昌院の手を振り払って駆け出していく綱吉の晴れ晴れとした表情と、美麗ではあるけれどずしりと重たい脱ぎ捨てた彼女の足取りの軽やかさが何とも言えない余韻をもたらします。
彼女の想いは間に合ったのか、それとも…という原作の頁の空気がそのまま再現された、見事なラストでした。
映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』で印象に残った名言
私が映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』を見て特に印象に残った名言です。
「右衛門佐」のセリフ
「生きなさい!」
映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』の評価や口コミ
他の方が映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
「大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]」
久々に観たけど、やっぱり堺雅人の演技がすごい。綱吉と初めて夜を過ごした翌朝、ようやく唯一の想い人と結ばれた幸せを噛みしめる右衛門佐の表情や言葉の一つひとつが胸に迫る。「大奥」という作品自体との親和性が高いんだと思う。— EURAS (@euras_pop) February 14, 2023
映画「大奥 ~永遠~ 右衛門佐・綱吉篇」を久々に観た。よしながふみ先生原作の男女逆転のやつです。
おもしろいけど悲しい~。。当時は右衛門佐役に堺さんはどうかな、、と思ったけど、今観ると悪くない。
映画には描かれてない続きを読みたくて原作読み始めたら止められなくなってしまった。。— マリ (@maritojenny) May 16, 2021
大奥の右衛門佐・綱吉篇を見ておったのじゃが、泣けて泣けてよき映画であった。この右衛門佐・綱吉篇の前にドラマで有功・家光編が、映画であったか吉宗編もあるのではあるが、やはりこの右衛門佐・綱吉篇が格別にわしは好きなのじゃ。
来年の家光からはじまるドラマが楽しみであるなぁ。— chimata(ちまた)5/28インテ2号館K95a (@chimata11) August 26, 2022
おわりに
私が映画『大奥~永遠~[右衛門佐・綱吉篇]』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『シン・ゴジラ』です。
東京湾に未知の生物(後に”ゴジラ”と命名)が出現し、その不測の事態に立ち向かう若き官僚や自衛官の姿をつぶさに描いている怪獣パニック映画です。