静岡県にお住いの33歳女性(サービス系:事務職)が2023年1月頃に「Amazon Prime Video」で見た映画『LAMB ラム』のレビューをご紹介します。
映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
映画『LAMB ラム』を見ようと思ったきっかけ
以前から気になっていたのですが、地元での公開時期と自分のスケジュールが合わずにいてたらAmazonプライムビデオでの配信が1月から始まったからです。
子羊を抱くノオミ・ラパスのポスターが印象的な作品だったため興味が沸きました。
私自身はもともとホラー映画が苦手だったのですが、先に見た知人から『LAMB/ラム』はいわゆるホラーではから、とおすすめされたことも見るきっかけでもありました。
アイスランド映画というものも多くは視聴したことがなかったことも興味をひかれた要因の一つだったと記憶しています。
映画『LAMB ラム』の内容
アイスランドの荒野でマリアとイングヴァルは牧羊を生業としていました。
羊たちは出産時期を迎えており、生まれてくる羊たちを取り上げ淡々と処置を施していくマリア。
ある日異形の子羊が誕生しました。
マリアとイングヴァルの夫婦はアダという娘を亡くしており、異形の子羊をアダと名付けまるでわが子のように育て始めました。
幸せに暮らしている三人の元にイングヴァルの弟ペートゥルが転がり込んできました。
家族の中に不穏な空気が流れ始めます。
結局弟ペートゥルは出ていくことになり、アダと出かけていたイングヴァルはアダの本当の父親に殺害され、アダは本当の父親とともに霧の中に去っていきました。
作品情報
- ジャンル:ホラー ファンタジー ドラマ
- 製作国:アイスランド スウェーデン ポーランド
- 製作年:2021
- 公開年月日:2022年9月23日
- 上映時間:106分
- 製作会社:Go to Sheep=Black Spark Film & TV=Madants
- 配給:クロックワークス(提供:クロックワークス=オディティ・ピクチャーズ)
- 公式サイト:https://klockworx-v.com/lamb/
映画『LAMB ラム』の見どころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい映画『LAMB ラム』の見どころは大きく3つです。
この映画の見どころ
- アイスランドの静謐な大自然の中の怖さを象徴した、アダの本当の父親である、半羊半人の得も言われぬ怪物の恐ろしさ
- 異形の子羊に死んだ我が子の名前を付けて大切に育てるマリアの狂気
- 家族の幸せのためにアダを愛し、マリアに寄り添う夫イングヴァルの献身
アイスランドの静謐な大自然の中の怖さを象徴した、アダの本当の父親である、半羊半人の得も言われぬ怪物の恐ろしさ
『LAMB/ラム』の最大のポイントで恐怖の対象である、アダの父親は冒頭で動物たちが怯え深い霧の中から姿を現します。
見た目は羊の頭と屈強な成人男性の胴体を持つ怪物です。
まるでその姿はキリスト教の宗教絵画の中の悪魔のようでした。
映画の中ではデザイン的にも美しく表現されていたため、個人的には恐怖は感じられませんでしたが、その怪物は、アイスランドの大自然の雄大さやままならさを表現したものだったのかもしれません。
異形の子羊に死んだ我が子の名前を付けて大切に育てるマリアの狂気
半羊半人の怪物の姿よりも恐ろしかったのは、異形の子羊に死んだわが子の名前を付けて育てるマリアの姿は、静かなのに狂気を孕んでいました。
本当の娘のアダの死から立ち直れておらず、アダを生んだ母羊がアダを取り戻そうとまとわりつき鳴き続けることを疎ましく思い、アダが一瞬失踪し、発見されたとき裸で倒れている横に一頭だけ立ち尽くしていた事にマリアは表情を歪め、大声で追い払ってしまいます。
自分の飼育している家畜であるはずなのにそこには確実に嫉妬や憎しみが覗いていました。
家族の幸せのためにアダを愛し、マリアに寄り添う夫イングヴァルの献身
一番かわいそうなのは夫のイングヴァルだったと思います。
イングヴァルはアダを育てるマリアに何も言わず、一人耕運機の上で涙を流します。
そしてアダをわが子のように愛情をもって育てていきます。
破天荒な弟ペートゥルが転がり込んできた時も温かく迎え入れ、居候させます。
ペートゥルがアダを羊のように扱うと、イングヴァルはひどく怒り、幸せを壊すなとアダを抱きかかえていきました。
マリアの狂気に寄り添い、幸せのためと受け入れ続けるイングヴァルの献身的な姿にも胸打たれました。
映画『LAMB ラム』を見終わった感想
終始BGMが少なく陰鬱なアイスランドの霧深い荒野が映し出されます。
3人の人間狭い鬱屈した人間関係が生々しさをより濃厚にしていて、何とも言えない気持ちになります。
マリアのアダを生んだ母羊に対してのあまりにも湿度のある感情にぞっとしました。
夫のイングヴァルはマリアの様にアダを生んだ母羊を殺したわけでも弟ペートゥルの様に不義を働こうとしたわけでもアダに銃口を向けたわけでもないのに、結局アダの父親に殺されてしまったところをみて無常観に襲われました。
ホラーが苦手な自分でも全くホラー的な恐怖は感じなかったので、とても楽しめました。
映画『LAMB ラム』で印象に残った名言
私が映画『LAMB ラム』を見て特に印象に残った名言です。
「ペートゥルがアダに草を食べさせようとしたところを見てイングヴァルが駆け寄りとアダを連れていくときのセリフです」のセリフ
「人の幸せを壊す気か!」
映画『LAMB ラム』の評価や口コミ
他の方が映画『LAMB ラム』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
映画紹介マンガ
【LAMB/ラム】
(1/2)再掲 pic.twitter.com/1NI38GEAGf— 大友しゅうま (@ranpan21) January 27, 2024
映画『LAMB ラム』観た。好き。 pic.twitter.com/42qe2M5Zwc
— さとうはな (@s_hana111) January 27, 2024
#LAMB/ラム
恐怖心煽る画に1時間40分以上ゾワゾワし通し。羊から生まれた『アダ』の正体。愛情注いでもそれは羊でも人でも無くましてや死んだ子供でもない。ノオミ・ラパスの何とも冷たい表情はマジ恐ろしく、ラストはちょっと理解出来なかったが揺さぶられる恐怖感と人のエゴをさらけ出す良い映画だ pic.twitter.com/YJVLbqvaT2— 沼倉マサユキ 改‼︎ (@ePfIsyyTkanik) January 25, 2024
「ヤギ少女観察記録」J.C.オーツ 藤井光/訳
ヤギの仔を使われなくなったトウモロコシ小屋に住まわせる家族。誰が拾ったか産んだのか妹なのか、姉の視点で語られる。雪のように白い毛だから名前はアストリッド。映画『LAMB/ラム』のヤギ版みたいだが、オーツのは1988年の作品。#ゴシック短編小説集 pic.twitter.com/ixLQbDfcKJ— 幻怪短編三昧 (@tanpenzanmaikyo) January 30, 2024
みなさんの映画を見た感想が面白いですね!
おわりに
私が映画『LAMB ラム』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。
次に見たいと思っている映画は『異端の鳥』です。
第二次世界大戦中にナチスのホロコーストを逃れた少年が行く先々でひどい差別や迫害、いじめや虐待を受け続けいく長編モノクロ映画です。