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小説のレビュー

【ネタバレ注意】小説『青空と逃げる』のレビュー|小説を読んだ感想は「家族の再生と成長の物語」

愛知県にお住まいの42歳の女性(マスコミ系:ライター)が2022年1月頃に「紙の本」で読んだ小説『青空と逃げる』のレビューをご紹介します。

小説の感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を読む前に面白いかどうか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。

この小説の読みどころ

  • 主人公の成長
  • 早苗の変化
  • 家族の再生

小説『青空と逃げる』を読もうと思ったきっかけ

辻村深月さんが好きで、彼女の小説を常にチェックしています。

繊細な心理描写や人間の闇までも丁寧かつリアルに描いてくれる点が魅力で、よく読む小説家の1人です。

今回の物語もあらすじを読んだだけで興味が湧き、真相を知りたい気持ちと単純に面白そうだと感じて読みました。

この小説の主要人物は家族で、父・母・小学生の息子の3人です。

その家族構成が自分の境遇とピッタリと重なり、感情移入しやすいと感じました。

これが更に読み進めたいという気持ちを引き立てました。

小説『青空と逃げる』の内容

本庄早苗と小学5年生の息子、力は東京で舞台俳優をしている父・拳と3人で暮らしていました。

ところが、深夜に届いた病院からの一本の電話から、彼らの日常は突如として崩れ始めます。

拳は女優が運転する車で交通事故に遭い、女優は顔を大怪我し自殺、拳は怪我を治療した後、家族に内緒で退院し、そのまま失踪します。

その後、早苗と力はマスコミや女優の所属事務所から追い詰められ、夏休みに東京を離れ、逃げることを決意します。

四万十、兵庫、別府、仙台、北海道と逃げ続ける母子は最後にどこへ辿りつくのでしょうか。

そして、拳の失踪の謎とは何なのでしょうか。

作品情報

  • 著者:辻村 深月
  • ISBN:9784122070899
  • 出版社:中央公論新社
  • 判型:文庫
  • ページ数:464ページ
  • 定価:800円(本体)
  • 発行年月日:2021年07月
  • 発売日:2021年07月19日
  • 国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
  • 国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ

小説『青空と逃げる』の読みどころをネタバレ覚悟で解説

小説『青空と逃げる』の読みどころをネタバレ覚悟で解説します。

この小説の魅力は大きく分けて3つに絞られます。

この小説の読みどころ

  • 力の成長
  • 早苗の成長
  • 家族の再生

力の成長

東京から逃げ出した2人が最初に訪れた場所は、早苗の大学時代の同級生が住んでいる高知県四万十市です。

残念ながら、彼女の所属事務所に所属する肝心の人々に見つかり、再び逃げ出さざるを得ませんでした。

その後、2人が辿り着いたのは兵庫県の家島という小さな離島です。

そこで力は2歳年上で中学1年生の優芽と出会い、初めての恋心を経験します。

また、力の一人称が「僕」から「俺」に変化するなど、精神的な成長を遂げたのもこの地だったのです。

早苗の成長

次に2人が訪れた場所は、大分県別府市です。

ここは過去に一緒に巡業で訪れた思い出の地でもありました。

早苗はここで温泉街で打たれ工さんとして働くことになり、彼女自身が新たな輝きを見つけるのです。

一方で力に対する心配から解放され、自己啓発の一環として力仕事をこなすことができたのです。

別府に居場所を見出した早苗は、逃亡生活中に最も成長を遂げたと言えるでしょう。

家族の再生

別府での生活が軌道に乗り、力の転校手続きまで考える余裕が出てきたとき、自殺した女優の息子が現れ、拳が仙台にいることを知らせます。

仮に彼が嘘をついていたとしても、既に所属事務所に別府にいることがバレてしまったため、再び逃げ出すことを余儀なくされます。

そこから力と早苗は紆余曲折を経ながら仙台へと向かい、拳との再会を果たします。

それにより三人の家族が再び結ばれ、新たな家族の形が生まれたのです。

小説『青空と逃げる』を読み終えた感想

なぜ逃げているのか真相がよく分からないまま話がどんどん進むので、謎を解き明かすミステリー小説だと思って読んでいました。

しかし、逃げた土地での人々との温かな交流や早苗と力の成長こそが本筋でした。

それに気付いたとき、心温まるヒューマンストーリーと感じました。

早苗と力の視点から交互にストーリーが展開されていたため、どちらの事情や心情も理解できます。

しかし、力が逃げる前から父の事情を知ってずっとその後も連絡を取り続けていたことには驚かされました。

その点については、やはりミステリー作家である辻村深月を感じました。

小説『青空と逃げる』で印象に残った名言

私が小説『青空と逃げる』を読んだ際に特に印象に残った名言を紹介します。

「本庄早苗」のセリフ

前進。

小説『青空と逃げる』の評価や口コミ

他の方が小説『青空と逃げる』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

母と息子のこの緊張感を強いられる逃避行がいつまで続くのだろうと、こちらの気持ちも萎えそうになりながら読み進めました。最後にこんな結末が待っていたなんて……逞しい少年に成長していく力にがんばれーとエールを送ります。
Amazonの口コミ

プレゼント用で不明
Amazonの口コミ

子を連れて逃げながら、それぞれの土地での出会いが素晴らしい。そこで感じる感謝の気持ちと、離れる時の喪失感の大きさ…夫の裏切りへの懸念、息子への疑念を抱えながらの日々…時には自分が主人公になったような気分で読み、時には息子になったような気分で読み…読み終わってからも胸のざわつきがおさまりませんでした。
Amazonの口コミ

素晴らしい作品です。島は僕らに登場するカウンセラー谷川ヨシノさんも登場します。作風がこれに似てますかね。心が温かくなる作品です。ぜひ読んでみてください。
Amazonの口コミ

力と早苗、旅をしながらお互いが成長していくのを一緒に体験させてもらえた傲慢と善良とのリンクも面白い
Amazonの口コミ

みなさんの小説を読んだ感想が面白いですね!

結論

私が小説『青空と逃げる』についての感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきました。

「面白い」と感じた方は、ぜひ読んでみてください。

また、次に読みたいと思っている小説についてお伝えしますと、現時点では特に決まっておりません。

何も決まっていない状況です。







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