沖縄県にお住いの23歳男性(サービス系:会社員)が2022年5月頃に「紙の書籍」で読んだ小説『本屋さんのダイアナ』のレビューをご紹介します。
小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
小説『本屋さんのダイアナ』を読もうと思ったきっかけ
職場の女性の同僚と読書が好きだという話になり、お互いの好きな本を紹介する流れでこの本を教えてもらいました。
文庫化されていたので紹介された数日後に書店で探し、試し読みをして面白そうな内容だったのでそのまま購入し、自宅に帰るまでのバスで読んでそのまま一気に読み切りました。
どちらかというと女性向けの小説だと思うのですが、男性の自分も楽しんで読む事が出来ました。
Amazonでの評価も高かったので、著者を知るきっかけにもなった作品です。
小説『本屋さんのダイアナ』の内容
小学生のダイアナは自分の「大穴」という名前がコンプレックスで大嫌い、本が大好きな女の子です。
三年生になった時に出会ったクラスメイトの彩子だけはダイアナの全てを褒め認めてくれ、ダイアナにとって初めて出来た友達でした。
しかし、ふとしたきっかけで仲たがいをした二人はお互いを気にかけながらもすれ違ったまま中学、高校とそれぞれの道に進んでいき・・・。
かつての親友同士が再び交わるとき、子供だった頃とは違う気持ちで向かい合う事になるのです。
小説『本屋さんのダイアナ』の作品情報
作品情報
- 出版社:新潮社
- 著者:柚木麻子
- 定価:本体630円+税
- 発行年月:2016年07月01日
- ページ数:400ページ
- ISBN:978-4-10-120242-6
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.shinchosha.co.jp/book/120242/
小説『本屋さんのダイアナ』のあらすじ
私の名は、大穴(ダイアナ)。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれ ど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれた――。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。地元の公立と名門私立、中学で離れても 心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が……。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説。
小説『本屋さんのダイアナ』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい小説『本屋さんのダイアナ』の読みどころは大きく3つです。
この小説の読みどころ
- ダイアナの母の秘密
- 素直になれない「優等生」の彩子
- ダイアナの父の正体
ダイアナの母の秘密
ダイアナの母であるティアラはキャバクラで働いており、娘にキラキラネームをつけたり、まだ幼い娘の髪を金髪に染めたりと傍から見ると「とんでもないお母さん」に感じます。
しかし、本心では誰よりも娘の事を考え、心配する親としての一面が小説の随所に感じられる優しい母親です。
ダイアナは中学へ進学する直前に偶然、元々は私立学校に通う真面目で優秀な人であった事を知る事になるのですが、そこで見聞きした今の母とかけ離れた姿に戸惑ってしまう姿には心が痛みました。
素直になれない「優等生」の彩子
高校までを女子高で過ごし、品行方正で成績優秀、真面目だった彩子。
大学でもそのままかと思われましたが、偶然参加した飲み会でレイプされてしまったショックと、自分がされてしまった事を認めたくない一心で髪を染め今までにない程荒れた生活を送る事になってしまいます。
心配する両親の言葉も、それを皮肉るかつての同級生の言葉も素直に受け止められず突っぱねる彩子の言動の根底にあるのは、自分が被害者だと認めたくはないという自尊心でした。
ダイアナの父の正体
高校卒業後に大好きな本屋さんで書店員として働きだしたダイアナ。
かつて引っ込み思案だった少女は、職場で自分の居場所を獲得し「本の虫」としてコラムを任されるまでになっていました。
そんな中、ダイアナの働く書店である作家のサイン会を開く事になり、いつも以上に仕事に力が入るダイアナ。
しかし、その作家はあろうことか書店で万引きを働こうとし、それを咎めたダイアナにある捨て台詞を言った事でまた傷ついてしまうのですが、これがきっかけで疎遠だった彩子とまた結びつくきっかけにもなるのです。
小説『本屋さんのダイアナ』を読み終わった感想
随所に様々な小説が出てきて、読書好きとしてもとても楽しい作品でした。
女性であればなお作品に共感できる箇所がたくさんあると思うのですが、幼い頃の友達に対して素直になれない所や、それがきっかけとなって大事な友人と疎遠になってしまいふとした時に思い出して長年胸を痛める姿は、自分も読んでいて胸が痛くなりました。
2人の少女の成長を通して一筋縄ではいかない人生の難しさを感じる事が出来る作品ですが、読了後はすっきりとした爽快な気持ちになれます。
小説『本屋さんのダイアナ』で印象に残った名言
私が小説『本屋さんのダイアナ』を読んで特に印象に残った名言です。
「ダイアナ」のセリフ
「本当にいい小説は何度だって読み返せるんですよ。
小さい頃でも大人になっても、何度だって違う楽しみ方が出来るんですから。」
小説『本屋さんのダイアナ』の評価や口コミ
他の方が小説『本屋さんのダイアナ』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
本屋さんのダイアナ
柚木麻子#読了
洋風美少女のダイアナと
和風美少女の彩子の
少女から大人までの物語ダイアナの理想は彩子のすべて
彩子の理想はダイアナのすべて隣の芝生が青く見える呪いに縛られたまま成長し運命に翻弄される
生地獄の呪いを解く方法はあるのか?
✨読んでよかった!✨☺ pic.twitter.com/ABJHRjmp9k
— 歯科事務員の本棚@読書垢 (@dental_clerk) January 14, 2023
『本屋さんのダイアナ』#柚木麻子 著#読了
読んでる間、女子中学生から大学生時代まで思い出しながら読みました。女子あるあるです。柚木麻子さんの作品は女性同士を描くといつも凄いなぁ。#のベルズ#本好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/CDAsaG9AKc— チエ@本好き (@4gtcnOAIBxWVlv7) October 4, 2020
本屋さんのダイアナ、読了。
うるっときたり、ちょっとハテナが浮かんだり、イラッときたり
面白かった。展開が全く思い通りにいかなくて、現実ってこうよねって思う。
読み直すと変わるんだろうなあ、ダイアナの言う通り。 pic.twitter.com/ujQ1M71avm— ぬんぬ@読書垢 (@NunNu0_0) June 30, 2017
おわりに
私が小説『本屋さんのダイアナ』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。
次に読みたいと思っている小説は『その手をにぎりたい』です。
先述した本と同じ著者が書いているからです。