愛媛県にお住いの49歳女性(流通・小売系:事務職)が2022年3月頃に「紙の本」で読んだ小説『余命10年』のレビューをご紹介します。
小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
小説『余命10年』を読もうと思ったきっかけ
2022年3月に映画化された65万部のベストセラーであったためです。
切なすぎる小説として、SNSを中心に、反響が広がっていました。
コロナ禍ということもあり、先に、小説を読んでから映画を見に行きました。
小説を読む前に、作者の小坂流加さんの紹介文を読んで驚いた。
この作品の編集が終わった直後、病状が悪化しました。
刊行を待つことなく、38歳の若さで亡くなりました。
自身が死と向き合いながら書いた作品なんだろうと思いました。
小説『余命10年』の内容
20歳の茉莉は数万人に1人の不治の病に倒れました。
余命が10年であることを知ります。
よくある余命ものの話かなと思いましたが、命について深く考えてしまいます。
恋愛の内容が多いのかと思っていましたが、友情愛も家族愛もあります。
作者自身の闘病と登場人物茉莉の生きかたが重なっていると思いました。
作者自身が死と向き合い書かれているので心に刺さるところが多かったです。
若い人にはぜひ読んでもらいたいと思いました。
小説『余命10年』の作品情報
作品情報
- 出版社:文芸社
- 著者:小坂 流加
- 定価:本体620円+税
- 発行年月:2017年05月15日
- ページ数:360ページ
- ISBN:978-4-286-18492-0
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/promotion/yomei10-origin/
小説『余命10年』のあらすじ
20歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。笑顔でいなければ周りが追いつめられる。何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが……。刊行後またたく間に10万部を突破し、SNSを中心にさらなる感動の輪を広げた涙より切ないラブストーリー。
小説『余命10年』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい小説『余命10年』の読みどころは大きく3つです。
この小説の読みどころ
- 沙苗との友情
- 和人との思いでめぐり
- 茉莉との別れ
沙苗との友情
沙苗とは、同級生で親友です。
かわいいけれど、アニメオタクだからとクラスの女子から敬遠されていました。
転入したばかりで、ひとりぼっちだった茉莉と初めてちゃんとした会話をしてくれる人でした。
この沙苗の世界へどんどん茉莉が惹かれていくのが楽しめました。
メイド・コスプレ・アニメ番組。どれも茉莉にとって刺激的なものばかりでした。
そこから中学生以来の漫画の絵を描いてみようという気になっていくのです。
茉莉はやっと居場所を見つけられた気がしていました。
和人との思いでめぐり
同窓会で出会った同級生の和人。翌日、卒業した小学校で茉莉と待ち合わせをします。
昔の教室にしのび入り、そこからどんどん過去に戻っていく様子が描かれています。
図画工作室の棚の一番下の段には「マツリ」と彫った跡が残っていました。
この棚にはべニア板が積まれているから絶対に見つからないのを茉莉は知っていました。
「マツリ」の横に「和人」の名前が彫られていました。
しかもその間には、マジックで相合傘が描かれていたのです。
自分の小学校時代を思い返してしまいました。
茉莉との別れ
斎場での茉莉との別れの場面は涙なくしては読めれないです。
「巡りあえてよかった…それだけで幸せだったよ…ありがとう茉莉…」(抜粋)茉莉は沙苗の結婚式にドレスを作ったので、沙苗も茉莉に純白のドレスを縫っていました。
二人の絆の強さがわかります。
和人は茉莉に次期家元として頑張ることを告げ、茶会に出たら見合いをすることを伝えました。
本当は茉莉は和人のことを好きでしたが、痩せ衰えて、色も影も失っていくような今の自分を見せるのは嫌でした。
和人も三年間諦めきれずにいましたが、結婚することを告げました。
和人が頑張っているのは茉莉に認めてもらいたい、褒めてもらいためでした。
茉莉と和人は深い愛でつなっがていました。
小説『余命10年』を読み終わった感想
「あと10年しか生きられないとしたら、あなたは何をしますか」という問いに思わず考え込んでしまいます。
10年という時間は長いのでしょうか。短いのでしょうか。この小説は、恋愛が描かれていますが、友情愛や家族愛も感じました。
茉莉は時間の長さではなく、人生の中味を濃く生きました。
精一杯生きることで、死ぬ準備をしました。
作者小坂さんの生き方と重なりました。
死を意識せずに生きていれば、時間は無限にあるように感じます。
しかし、10年という限られた時間の中で何ができるのかを考える時、本当に大切なことが見えてくる気がしました。
茉莉と同じように、一分一秒を大切に生きようと思いました。
日々の生活の中で、命を大切に感謝をもって生きたいと思わせてくれた一冊でした。
小説『余命10年』で印象に残った名言
私が小説『余命10年』を読んで特に印象に残った名言です。
「冒頭の小坂流加さんの言葉です。」のセリフ
「あと10年しか生きられないとしたら、あなたは何をしますか」
小説『余命10年』の評価や口コミ
他の方が小説『余命10年』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
余命10年
小坂流加図書館の本。返却日が迫っていたので急いで読んだ。
でももう一度読みたい。ゆっくり、じっくり主人公の言葉を読みたい。読んだ後で、著者のことを知り、なお一層、そう思った。#読了#読書好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/izrgARKI2a— はっさく (@lCXuhpef4Fc14wC) September 11, 2022
作家の今村翔吾先生が仰ってた。
自身の経験に基づく本を書くからこそ、読者の胸に迫る物が出来上がると…この本はまさにそれ。
文章自体は拙いとこもあるが、それを補ってあまりある真に迫るものが…ただの涙を誘うだけの話ではない。
素直に人生を楽しまねば… pic.twitter.com/CvbvLKh07R— すす@読書にいたる病 (@kochanhrv1) September 10, 2022
『余命10年』 小坂流加 #読了
途中からずっと泣いて読んでて、自分がこんなに泣けることに驚きました。
とにかくこれは読んでほしい。お薦めです。
今まで読んできた本で1番お勧めの本とか教えてもらえると喜びます笑 pic.twitter.com/h7NluCVpEF
— 麻里 (@rottenapple1412) September 13, 2022
おわりに
私が小説『余命10年』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。
次に読みたいと思っている小説は『マインドフルネス瞑想法』です。
サブタイトル「脳パフォーマンスがあがる」です。マインドフルネスについてわかりやすく書かれています。