香川県にお住いの56歳女性(医療系:看護師)が2022年11月頃に「紙の本」で読んだ小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』のレビューをご紹介します。
小説を見た感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、小説を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』を読もうと思ったきっかけ
大好きでミステリー作家として尊敬している「綾辻行人さん」の作品であったことが第一の理由ですが、タイトルにも強く惹かれました。
「人間じゃない」のなら、いったい何なんだろうと感じ、ぜひ読みたいと思ったのが最初のきっかけです。
なんともいえない恐怖感をそそる表紙の挿絵にも心奪われましたし、短編集なので時間が無くても読みやすそうだったこと、いろんな綾辻行人作品が楽しめると思ったのも読もうと感じたことなども大きな理由でした。
小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』の内容
とある精神科病院に入院する青年の口から語られる廃屋同然の別荘、星月荘で起こった殺人事件は、とても信じがたい内容でした。
一緒に滞在していた女性が、見るも無残な姿で殺されているのが発見され、しかも、その部屋は窓が封鎖され、いくつもの鍵が取り付けられた密室だったのです。
精神科の医師たちは、彼の発言自体の奇抜な内容を彼の妄想だと判断するのですが・・・・・
表題作「人間じゃないーB〇四号室の患者ー」 その他に「赤いマント」「洗礼」などの作品が収められた短編集です。
小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』の作品情報
作品情報
- 出版社:講談社
- 著者:綾辻 行人
- 定価:本体1,550円+税
- 発行年月:2017年02月24日
- ページ数:252ページ
- ISBN:978-4-06-220446-0
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000190176
小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』のあらすじ
持ち主が悲惨な死を遂げ、今では廃屋同然の別荘<星月荘>。ここを訪れた四人の若者を襲った凄まじい殺人事件の真相は?――表題作「人間じゃない――B〇四号室の患者――」ほか、『人形館の殺人』の後日譚「赤いマント」、『どんどん橋、落ちた』の番外編「洗礼」など、自作とさまざまにリンクする5編を完全収録。
小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』の読みどころをネタバレ覚悟で解説
私がネタバレ覚悟で解説したい小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』の読みどころは大きく3つです。
この小説の読みどころ
- おどろおどろしくもグロテスクで奇抜、背筋がぞっとする綾辻行人ワールド満載
- 読んでいるうちに眩暈に襲われているような不思議な感覚におちいる彼特有の文章構成がクセになる
- 大どんでん返しと、読み終えた後から押し寄せてくる恐怖感が、短編集として最高
おどろおどろしくもグロテスクで奇抜、背筋がぞっとする綾辻行人ワールド満載
綾辻行人さんの作品と言えば、グロテスクでおどろおどろしく、ホラー色の強い作品が多いイメージがありますが、今回の短編集も、けっしてそんな読者の期待を裏切りません。
もちろん、なかにはソフトな印象のストーリーや、正統派ミステリーの要素が濃いものもありますが、それでもやはり綾辻さん独特のスパイスがきいた仕上がりとなっています。
ファンの「やはり綾辻作品はこうでなくちゃ」という思いをしっかりとくみ取った内容の濃い短編集です。
読んでいるうちに眩暈に襲われているような不思議な感覚におちいる彼特有の文章構成がクセになる
綾辻行人さん特有の、得体のしれない恐怖感がどんどん増してくる独特の文章構成が随所にちりばめられています。
とくに2作目の「崩壊の前日」は、読んでいるうちに眩暈に襲われているような不思議な感覚にとらわれてしまう、他の作家さんではけっして味わえない文章です。
ファンタジーっぽいけど、やはり恐ろしくて、綾辻さんらしいこの作品、ぜひ実際に読んで堪能してみてください。
この感覚を楽しむだけでも一読の価値ありです。
大どんでん返しと、読み終えた後から押し寄せてくる恐怖感が、短編集として最高
全体を通して、大どんでん返しと、読み終えた後から押し寄せてくる恐怖感が最高です。
もちろん、そうでない作品もありますが、いろいろな作品が楽しめるというのも短編集の醍醐味だと思います。
とくに4番目の短編「蒼白い女」においては読み終えてから鳥肌がたちましたし、5番目の短編「人間じゃないーB〇四号室の患者ー」のいい意味での後味の悪さは、さすがの綾辻作品だと思いました。
ぜひ、本書を読んで、彼の作りだした最上級のホラーを味わってほしいと思います。
小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』を読み終わった感想
これまで綾辻行人さんの長編作品をいくつか読んできましたが、短編集もなかなか面白いなあと感じました。
彼の素晴らしい表現力のおかげで、短い文章でも読者はしっかりと恐怖の世界を自分の中に作り上げることができるんだなあと思います。
じわじわと怖さが後から押し寄せてくるので、夜眠る際に、この本を思い出して、ちょっと眠れなくなりそうで怖いです。
それでも、なぜか読んでしまう、クセになる魅力が彼の本にはあると思いました。
小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』で印象に残った名言
私が小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』を読んで特に印象に残った名言です。
「道沢希早子」のセリフ
あかーいマントをかぶせましょうか?
小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』の評価や口コミ
他の方が小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』読了!
綾辻行人さんの作品は読んでいるうちにどんどん惹き込まれる。
『洗礼』、『人間じゃない-B〇四号室の患者-』が特に好きだった。#読書好きな人と繋がりたい #読了 pic.twitter.com/AF4SZ0uIed— 活字中毒@読書垢 (@non_1710) September 11, 2020
人間じゃない_綾辻行人未収録作品集 /綾辻行人
過去に出版された作品の番外編ともいえる短編5作
残念ながら読んでない私だが面白かった「崩壊の前日」発想が凄い
ミステリーダメダメの私には正解率100%の「洗礼」もダメダメです😂
「蒼白い女」あっさりしていてホッとする
「人間じゃない」グロイ pic.twitter.com/r1sq2Em4Sn— はる (@UXUMR8JT4qVIpJq) September 24, 2022
綾辻行人さん『綾辻行人未収録作品集 人間じゃない』読了。いくらでも眺めてられる素敵な装丁にまず感嘆。カバーもかっこいいし外した本体も美しい……。収録作品では表題作「人間じゃない―B〇四号室の患者―」が個人的白眉。凄惨と幻想、現実と妄想の境の曖昧さがたまらん。「蒼白い女」も大好き。
— はなだん (@hanadasei) February 26, 2017
おわりに
私が小説『人間じゃない 綾辻行人未収録作品集』を読んだ感想や読みどころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ読んでください。