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映画のレビュー

【ネタバレ注意】映画『朝が来る』のレビュー|映画を見た感想は「本当の親子の絆とは?」

埼玉県にお住いの55歳女性(サービス系:給仕)が2023年1月頃に「Amazon Prime Video」で見た映画『朝が来る』のレビューをご紹介します。

映画を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説しておりますので、映画を見る前に面白いのか知りたい方、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。

この映画の見どころ

  • 佐都子と清和の関係
  • 朝斗の実母、ひかりの人生
  • 本当の”親子”とは…?

映画『朝が来る』を見ようと思ったきっかけ

朝ドラ「舞いあがれ!」で大阪の町工場を切り回す、ヒロインのお母ちゃんを演じている永作博美さんを見ていて思い出した作品です。

本作では全く異なる母親像を演じている永作さんですが、その感情表現の濃やかさと、それを引き出した河瀨直美監督の静かなパワー、そして情景の描写の美しさが凄く好きだったことを思い出して、Amazonのプライムビデオで探しました。

じっくり、のめり込むような139分、ちょっと長めですが、観終わってやはり「好きだ」と思える作品でした。

映画『朝が来る』の内容

栗原佐都子(永作博美)は41歳。

同い年の夫・清和(井浦新)と、幼稚園に通う年長さんの息子・朝斗と都心のタワーマンションの高層階に暮らしていました。

穏やかな生活が続くかと思われたころ、不穏な気配が迫っていたのです。

朝斗は、二人の実子ではありませんでした。

長い間不妊治療をしてきた佐都子でしたが、夫が無精子症だと判明し、子供を持つことを諦めかけたころに出会った、特別養子縁組の斡旋団体から、朝斗を引き取ったのです。

仕事を辞めて一生懸命に朝斗の育児に向き合ってきた佐都子でしたが、ある日、朝斗の母親を名乗る人物が現れ「子供を返して欲しい」と言われてしまうのです。

作品情報

  • ジャンル:サスペンス・ミステリー ドラマ
  • 製作国:日本
  • 製作年:2020
  • 公開年月日:2020年10月23日
  • 上映時間:139分
  • 製作会社:「朝が来る」Film Partners(制作プロダクション:キノフィルムズ=組画/共同制作プロダクション:KAZUMO)
  • 配給:キノフィルムズ/木下グループ
  • 公式サイト:http://asagakuru-movie.jp/

映画『朝が来る』の見どころをネタバレ覚悟で解説

私がネタバレ覚悟で解説したい映画『朝が来る』の見どころは大きく3つです。

この映画の見どころ

  • 佐都子と清和の関係
  • 朝斗の実母、ひかりの人生
  • 本当の”親子”とは…?

佐都子と清和の関係

キャリアを順調に重ねて経済的にも社会的にも恵まれたポジションを獲得していた清和と佐都子でしたが、残念ながら、実子を得ることは叶いませんでした。

二人で悩んだ末に、不妊治療を断念した頃に、若くして妊娠した結果”育てられない”という少女の子供を引き取ることに決めたのです。

そのために、佐都子は仕事を辞めました。

しかし、そうして迎え入れた朝斗との生活は幸福に満ちており、佐都子と清和は自然に”親”になっていったのです。

朝斗の実母、ひかりの人生

ひかり(蒔田彩珠)は中学生のときに付き合っていた男子との子供を妊娠してしまいましたが、地方の厳格な家庭でそれは受け入れがたい事実であり、産んでも育てられる環境になかったことから手放さざるを得ませんでした。

しかしその後親戚や周囲にそのことがバレてしまい、居場所を失って家出同然にたったひとりで東京にやってきたのです。

度重なる苦難から、ひかりは朝斗をひきとってくれた栗原夫妻に連絡をとり、言ってしまったのです。

「子供を返して欲しいんです。

それがダメなら、お金を下さい」そうして佐都子たちの前に現れたひかりは、14歳の時に朝斗を産んだ少女とは同一人物と思えないほどに変わり果てていました。

本当の”親子”とは…?

朝斗が生まれた名付けて、大切にその時から引き取って懸命に育ててきた佐都子と清和。

反対に、生まれた直後に手放さざるを得なかったひかり。

これまでの5年間、それぞれが朝斗のことを思って生きてきました。

しかし、追い詰められたひかりは「なんで私がこんな目に?!」と自暴自棄になり、佐都子らにお金をせびるようになってしまったのです。

しかし、佐都子と清和は、ひかりのことを「広島のお母ちゃん」と呼んで、その存在を朝斗に伝えていたのです。

確かに、ひかりは朝斗の母親であり、朝斗を手放した際に佐都子に渡された手紙に残された消された文字「なかったことにしないで」という一言が、彼女の心の叫びでした。

映画『朝が来る』を見終わった感想

欲しくて欲しくて熱望したにもかかわらず子供を得られなかった夫婦と、望まない妊娠をしてしまった14歳の少女が一人の赤ちゃんを介して結びつくという物語です。

妊娠という人生の節目の重たさが、ずしりとのしかかってきます。

産んで手放せば終わりではなく、身ごもって産んだという事実を一生抱えていきていかなければならないひかり。

ラストで「広島のおかあちゃん」として朝斗に引き合わされたひかりの人生は、これでようやく少しだけ解放された気がしました。

叶うならば、ここからもう一度再起を図って欲しいですね。

朝斗にまっすぐ向き合えるお母さんに、なってほしいと思いました。

映画『朝が来る』で印象に残った名言

私が映画『朝が来る』を見て特に印象に残った名言です。

「佐都子(永作博美)」のセリフ

「朝斗と、名付けます」

映画『朝が来る』の評価や口コミ

他の方が映画『朝が来る』を見てどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

お姉ちゃんは奈良学園で優秀、ピアノもお手のもの、母親にとっては自慢の娘。かたや、妹のヒカリは顔だけはいいが、よくできる姉と比べられる日々のせいで自己肯定感が低いのだろう、バスケ部の男子に告白されてニヤつきが止まらない。中学生の「付き合う」って何?って、いろんな大人がまず思うだろう。根底には「SEXするなよ」という大人達からの暗黙の了解が押しつけられる。しかし男の子は性欲が猿の時期に突入なのでチャンスがあればいたしたい。自己肯定感の低い女の子は愛されていると勘違いして身を捧げてしまう。これらは風俗に売られる少女達もだいたいこの自己肯定感の無さで、愛を勘違いするところから始まる。みんな居場所が無くて寂しいのだ。案の定、男に捨てられ常識からどんどん逸脱していくヒカリ。母親は体裁を守るのに必死で娘を厄介者扱い。広島の施設ではワケアリの娘ばかりがお腹を大きくしていく。純愛で(一時の勘違いだとしても)妊娠したヒカリは世の中の底辺を知っていく。寂しいもの同士がほんの少しの友情ごっこをしたり、誕生日ごっこをしている皮肉。少女達は養子を出したあともまた間違いなくダメな男に引っかかって望まない妊娠をまた、するのだろう。彼女達の自己肯定感の心は穴のあいたザルなので、一生埋まることはない。刹那的な愛を繰り返し繰り返し、身も心もボロボロになって社会の底辺になっていく。奇跡的に抜け出したとしても、ふとした瞬間に情緒が不安定になったり精神薬のお世話になることであろう。それほどにだ。それほどに、自己肯定感っていうのは特に女の子にとっては大切なのだ。この映画を鑑賞したお母さん達、もし娘さんがいらっしゃるのならどうか惜しみない愛情を乳幼児や幼少期の頃から注いであげてください。健康ならそれでいい、そう思って、生まれた時の喜びの原点を忘れないで育ててください。欲張らないでください。どうか親のエゴを子供に押し付けないでください。母親と血がつながっていても、ジャングルジムで落とされたとウソをつく子供がいましたね。その母親は予想通り、人間性を疑うバカな哀れな女でしたね。育てたように子は育ちます。そして類は友を呼ぶとは本当です。ヒカリが落ちぶれた先には同じ落ちぶれた少女達がいます。借金を肩代わりさせられてもなお優しく友人を介抱するヒカリはそれもまた愛情に飢えているからです。無気力なのです。怒る元気もない。そしてその友人も目の前から消えます。無敵のスカジャンを残して「くれた」とヒカリは思ったのでしょうか、有り金数千円も残して「くれた」と…。ベビーバトンを継いでくれるスタッフがいない皮肉。浅田美代子のすっぴんの女優魂。心配しているよと泣きながら声をかけてくれる新聞配達の雇い主。それを冷めた目で聞くヒカリ。(もしかしてお金を貸してくれたのはこの人だったのか??)ヒカリが借金を完済したのかまだ続くのか最後までわからないのが唯一のモヤモヤでした。そして何よりドキュメンタリータッチの映像、桜のアップで季節の流れを何度も表現するやり方、時折あった波の映像、羊水は海水のようであることから海沿いの施設が、あなた達が、守られていると言った浅田美代子、陳腐なセリフ、陳腐な演出、皮肉なセリフ、皮肉な展開、いろいろ散りばめられたからこそ、胸にくるシーンが際立ち、泣けました。良い映画でした。初河瀬作品でしたが、他の作品も見てみたい。そして永作博美さんはこの世代ではトップクラスの女優さんだと思います。続きを読む
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はじめに…文明批判、原始回帰を訴えるつもりはありません。さて、これが原始社会だったら… あるいは、古代、いや中世社会であっても… 母親が子供をなんらかの理由で育てられないのなら、病弱であったり、あるいは死別であっても、同じ共同体の中で別の女性が母親の代わりとしてその子を育て、周りもそれを当たり前のこととして受けとめ、また当の子供も育ての親をそれと知りつつ実の母親と同様に愛し受け入れて、そうして社会は回っていくのだろうと思います。近世以降現代に至るまで、社会はより便利になり、法制度も整備され、また人権意識なども高まる中で、一方でこの作品に描かれるような"悲劇"は、現代でこそ生み出されることとなりました。先に述べた中世以前の社会で、このようなことが問題になったでしょうか?そんなことよりも、戦乱や飢饉、生きること、シンプルにただ今日明日生きていくことこそが、現代より喫緊の課題だった時代では、あの子の親が誰で今は誰が育てているということなんか気にしている暇はない、今その子が現に生きていて明日を生き抜いていく…ということ以上に問われることはなかったのではないかと思います。社会は快適になり、我々はその文明の恩恵にあずかり生活していますが、その快適な社会の隙間にたまたま落ち込んだ人々は、その落差が大きいほど、落ち込む前の高みに過ごす人々を見上げ自らに起こった悲劇に涙するに違いないのだと思います。養子縁組、あるいは特別養子縁組の制度はとても大切なものです。多くの子供たちに、より文化的に生きていくチャンスを再びあたえてくれます。しかしなぜ、子供は実の両親に会うことができなくなるのか? 実の両親は自分の子供の所在さえ教えられずに余生を過ごすことが義務付けられるのか? 再び親子として生活する機会を完全に閉ざされなければならないのか?…それぞれのルールにそれなりの正当な理由があるのはもちろん承知します。しかしそれらは、複雑すぎ、あるいは硬直しすぎたものではないか…人々を幸せにし、社会を潤滑に回すためのルールが、逆に人々の足かせになり、人々の当たり前にも思えるささやかな幸せを奪ってはいまいか???法令の厳格な適用、制度の画一的な運用と、より柔軟に個々の事情に対応できる血の通った社会の実現を両立させることは本当に難しいな…と思いました。ルールも法律の遵守も、特別養子縁組の制度も運用にも、それ自体に全く異をとなえるつもりはありません。全ては人間が社会を築き発展させていく上で必要なものでした。一方で、そのような社会だからこそ生まれたひずみ、悲劇のようなものがあり、必ずそういう社会の矛盾に生きづらさを味わっている少数者がいるんだということは忘れずにいることは大切なことだと思います。P.S. はっ!C&Kさんの主題歌、そのものずばり"アサトヒカリ"… 作中の親子の名前やん…気づいたとき、なんか二人の未来に少しだけ救いを感じさせてくれ嬉しかったです。続きを読む
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普通
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結局どうなるか、どのような経路をたどるか、なぜそうなるかが全く予測できない。最初は特別養子縁組の話かと思ったら、主題は別のところにあった。栗原佐都子は本当の母親ではないが、本当の母親と同じかそれ以上にこどものことを思っている。片倉ひかりは本当の母親になるにはあまりに未熟すぎた。それは6年経っても変わらない。片倉貴子はこどもを守ることと私物化することを混同している。このことが娘を転落の道に落とし入れた。彼女が今回の悲劇の元凶といっても差し支えない。栗原佐都子の最後の決断は感動的である。しかしもし実際の話なら、こどもの将来のためにやってはいけないと事だと思う。映画を見終わってふと思った。何が正解か分からない。おそらく見る人の今まで歩んだ人生によって異なるのだろう。
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誰にでもあり得る日常からワンカット、ワンシーンの描写がぶっ刺さるリアル感人として琴線に触れる映画ですやはり監督奈良県は外せないw
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みなさんの映画を見た感想が面白いですね!

おわりに

私が映画『朝が来る』を見た感想や見どころをネタバレ覚悟で解説してきましたが、「面白い」と感じられた方はぜひ見てください。

次に見たいと思っている映画は『エゴイスト』です。

コラムニストの高山真さんの自伝的小説の実写化です。

鈴木亮平さんと宮沢氷魚さんがゲイのカップルを演じています。







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