北海道にお住いの31歳男性(運輸業:フードデリバリー)が2023年11月頃に読んだ『52ヘルツのクジラたち』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめておりますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
『52ヘルツのクジラたち』を購入したきっかけ
少しでいいので、ジェンダーなどの何らかの社会的メッセージのある小説を読みたいと思いました。
書店で偶然この本を手に取り、パラパラめくってから読むと決めました。
パラパラめくった時に目に付いたのは、女性が感じている社会への目線についてだったと思います。
具体的には、本の最初に出てくる、人を見た目で判断することに対して感じた主人公の怒りの感情が挙げられます。
この本を読めば、新たな視点の獲得に繋がるのではないかと思い、購入しました。
『52ヘルツのクジラたち』の概要
端的に述べると、主にヤングケアラーと虐待についてリアルな描写が出てくる小説です。
主人公と、主人公が偶然出会った少年が受けてきた境遇についてが重要な内容で、それぞれ述べます。
主人公は高校を卒業して約3年経つまで、病気の父親の介護をして過ごします。
食事を貰えないなどの虐待を受け続けますが、21歳くらいの時に、偶然同級生と再会し、それをきっかけに家を出ることになり、毒親から解放されます。
次に、少年は母親と祖父から虐待を受け、声を出すことができません。
主人公と少年は偶然出会い、その後物語は二人にとって良い方向へと進みます。
基本情報
- 著:町田そのこ
- ISBN:9784122073708
- 出版社:中央公論新社
- 判型:文庫
- ページ数:312ページ
- 定価:740円(本体)
- 発行年月日:2023年05月
- 発売日:2023年05月25日
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
- 国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ
『52ヘルツのクジラたち』のYouTube(ユーチューブ)
『52ヘルツのクジラたち』についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
「ギャガ公式チャンネル」チャンネルが細かく解説してくれているので、本を読む時間がない方はこちらのYouTube(ユーチューブ)動画をおすすめします。
『52ヘルツのクジラたち』から学んだことの要約とまとめ
『52ヘルツのクジラたち』から私が学んだポイントは大きく3つの内容です。
私が学んだこと
- ヤングケアラーや虐待の事例について触れることができます
- ヤングケアラーや虐待に苦しんでいる子どもたちを毒親から解放するヒントについて学べます
- 毒親は子どもに対する加害者であると同時に、親から受けた虐待などの被害者でもあったという事例が世の中には存在しているということに触れることができます
リアルな描写からヤングケアラーと虐待の事例について触れることができます。
主人公が毒親から解放される過程は、現在社会問題になっているヤングケアラーや虐待に苦しんでいる子どもたちを毒親から解放するヒントの一つになり得ると思います。
ヤングケアラーや虐待に直面している子どもたちの「助けて」という小さなサインを見逃す可能性を少しでも減らすことに繋がると思います。
さらに大人が毒親になってしまう社会背景にも少し触れることができます。
毒親の親もまた毒親であって、酷い育てられ方をした子どもが親になって、自分がされたことをそのまま実行してしまうという悪循環が描写されています。
ヤングケアラーや虐待の事例について触れることができます
一つ目は、ヤングケアラーや虐待の事例について触れることができるという点です。
現在、社会問題として認知されている二つの内容について、この本を読む前よりも想像力を働かせることができるようになります。
読者の周囲にいるかもしれない、ヤングケアラーや虐待の被害に苦しむ子どもたちのSOSに対して、この本を読む前よりも敏感になることでしょう。
どうすればこれらの問題を解決できるかを考えるきっかけにもなるでしょう。
ヤングケアラーや虐待に苦しんでいる子どもたちを毒親から解放するヒントについて学べます
二つ目は、この本がヤングケアラーや虐待に苦しんでいる子どもたちを毒親から解放するヒントについて学べるという点です。
主人公は出会った人物たち、すなわち元同級生やその知人との接点によって、結果的に毒親から解放されます。
さらに、その後以前の主人公と似た境遇にある少年を、主人公が解放しようともがく描写がこの本には出てきます。
これらは読者に、ヤングケアラーや虐待の問題を解決する手段について考えるきっかけを提供しているとも言えます。
毒親は子どもに対する加害者であると同時に、親から受けた虐待などの被害者でもあったという事例が世の中には存在しているということに触れることができます
三つ目は、毒親は子どもに対する加害者であると同時に、親から受けた虐待などの被害者でもあったという事例が世の中には存在しているということに触れることができるという点です。
適切な愛情を受けて育った親が子どもに適切に愛情を注げることは良いのですが、反対に毒親が自分の親から受けてきた酷い仕打ちをそのまま自分の子どもに与えてしまうという事例も当然存在します。
読者は「毒親の悪循環」を断ち切るためにどうすれば良いかを考えるきっかけとして、この本を利用することができます。
『52ヘルツのクジラたち』の感想
ヤングケアラーや虐待という社会問題について、この本を読む前よりも関心が生まれました。
これらの問題への関心を高め、具体的にどうすれば解決できるかを考えるきっかけをこの本は提供していると思います。
この本は本屋大賞という賞を受賞していますが、そのような賞を受賞するだけの価値ある本だと思いました。
多くの人に読んでほしいと思います。
ヤングケアラーや虐待という社会問題を扱った本としては、非常に読みやすい部類だと思います。
『52ヘルツのクジラたち』の評価や口コミ
他の方が『52ヘルツのクジラたち』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
邦画や邦ドラのキャスティングにおいて当事者性が皆無なことに対して、抵抗感はあるのだけど、映画『52ヘルツのクジラたち』でトランスジェンダー男性を演じている志尊淳のコメント、かなり真摯でびっくりしてしまった。見てみようかな。https://t.co/fwjyLV653L pic.twitter.com/CjbbQqdnDh
— まっくるG🏳️🌈 🏳️⚧️ (@macletan) February 23, 2024
抽選で #映画「52ヘルツのクジラたち」 ムビチケ を、10名様に #プレゼント
【応募方法】
① @tss_otoku をフォロー
② この投稿をリツイートする
③ https://t.co/RgiEVkje33 でTwitter連携して結果をチェック!【応募期間】
2月25日 23:59まで #懸賞 #キャンペーン pic.twitter.com/LtskTbBtnP— TSS知っトク情報(テレビ新広島) (@tss_otoku) February 19, 2024
📣JR博多シティの8Fにて、「52ヘルツのクジラたち」の公開を記念して衣装展を開催中🎉
3月21日(木)までの期間中、#志尊淳 さんと #宮沢氷魚 さんの衣装を展示しております✨T・ジョイ博多での鑑賞前後にもぜひお立ち寄りください!… pic.twitter.com/pCspmeJzkT
— 映画『 52ヘルツのクジラたち 』公式 (@52hzwhale_movie) February 24, 2024
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
この本は、読者の周囲にいるかもしれない、ヤングケアラーや虐待に苦しんでいる子どもたちのSOSを見逃さずに、彼ら、彼女らを解放するための、あらゆる方策を社会的に進展させるために、何ができるかを考えることに活かせると思います。
これらの問題について、さらなる学習を深める読者が少しは出てくるだろうと予想できます。
加えて、この本の読者が、そのような問題に直面している子どもたちだけでなく、別の社会問題に直面している子どもたちへの想像力をも働かせるものになるだろうと思います。
次に読みたいと思っている本は『JR上野駅公園口』です。
高度経済成長期における労働者を想像することです。