大阪府にお住いの36歳女性(流通・小売系:軽作業)が2022年3月頃に読んだ『エネルギー400年史』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめておりますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
『エネルギー400年史』を購入したきっかけ
HONZというノンフィクション専門のレビューサイトで紹介されていて、面白そうだったからです。
また、昨今の世界情勢を見ていて気になる点の一つがエネルギー問題だったので、それについて学びたいと思っていました。
流れに沿って説明されているとのことだったので、わかりやすそうだったのも決め手の一つです。
世界史を一から勉強し直したばかりで、次は一つに絞って掘り下げたいと思っていたのでエネルギーについての本を選びました。
候補に挙げていた書籍1:『エネルギーをめぐる旅 文明の歴史と私たちの未来』
『エネルギー400年史』の概要
人類がいかにしてエネルギーを発明・進化させてきたかという歴史について詳しく解説されています。
薪から石炭に移り変わっていく様子、その石炭確保にまつわる重労働、など舞台は産業革命前のイギリスから始まります。
そこから蒸気機関、電気、原発エネルギーや現代の自然エネルギーまで、世界史の流れに沿って非常に厚みのある歴史が描かれています。
発明が起こる瞬間、そしてそれが少しずつ洗練されていく様子が非常に面白いです。
『エネルギー400年史』の基本情報
基本情報
- 出版社:草思社
- 著者:リチャード ローズ
- 定価:本体3,800円+税
- 発行年月: 2019年07月25日
- ページ数:663ページ
- ISBN:978-4-7942-2407-1
- 言語:日本語
- 公式サイト:http://www.soshisha.com/book_search/detail/1_2407.html
『エネルギー400年史』の目次
目次
- 第1部 動力
- 第2部 照明
- 第3部 新しき火
『エネルギー400年史』のYouTube(ユーチューブ)
『エネルギー400年史』についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
残念ながら本書を紹介しているYouTubeチャンネルはなかったため、本ブログにて要点をまとめてお伝えできればと思います。
『エネルギー400年史』から学んだことの要約とまとめ
『エネルギー400年史』から私が学んだポイントは大きく3つの内容です。
私が学んだこと
- 人類の歴史はエネルギーの歴史
- 発明は一人で完成するものではなく、のちの時代に洗練されていくということ
- 世界史の重要な転換がいかにエネルギーの進化によって起きてきたかということ
人類の歴史が好きな方が楽しめるような本です。
その中でも、エネルギーという一点に絞った視点で描かれているため、一つの要素を深く掘り下げるには最適です。
世界史を勉強した方なら、歴史上の流れとエネルギーの流れが繋がり、点と点が線になる様子に知識欲が満たされると思います。
また、戦争に繋がる、あるいは戦争によって起こるエネルギー問題に対しても解像度が上がります。
世界史上で重要な各イベントにもエネルギーが絡んでいることが多いので、世界史の理解も深まります。
人類の歴史はエネルギーの歴史
エネルギーの進化がなければ、人類の文明もここまで進化しませんでした。
より効率的により多くの物を得ようとして、人間が試行錯誤してきた結果、今のような文明があるのだと改めて思いました。
同時に、エネルギーがなければ何も出来ないほど、人類はエネルギーに依存しています。それが戦争にも繋がるほどの価値の重さであることを理解しました。
公害や核実験の弊害、事故などについてもしっかり説明があり、光と影の両方があります。
発明は一人で完成するものではなく、のちの時代に洗練されていくということ
発明をした人は、その発明品を"完成"させることは出来ません。
大抵の場合、後続の人たちがより効率的により使いやすく完成度の高いものに洗練させていきます。ときには、切磋琢磨しながら発明を競い合い、より流通しやすいものが生き残ったりします。
生き残らせるために、企業が競争したりもしてきました。連綿と繋がってきた人々の歴史、私たちはみなその恩恵を受けているのだと再認識しました。
商品開発などにも通ずることではありますが、エネルギーの発明という歴史の大イベントも同じなのだなと感じます。
世界史の重要な転換がいかにエネルギーの進化によって起きてきたかということ
やはり顕著だったのは、産業革命とIT革命、核兵器の登場です。
それらは全て、蒸気、電気、核エネルギーが発明されなければあり得なかったことでした。その中でも、エネルギーの進化は戦争の歴史も変えてきたということです。
機関銃が登場し、やがて核兵器が発明されます。核エネルギーまで来てしまった人類は、エネルギーを進化させすぎたのでしょうか。
しかしそこからは、再生可能エネルギーの説明があったり、「未来の発明に期待する」という構成になっており、少し希望が持てます。
『エネルギー400年史』の感想
エネルギーに特化した非常に重厚な歴史本で、とても面白かったです。
特に最近、世界史を勉強し直し、戦争によって起こった各国のエネルギーの駆け引きなどを日々ニュースで見ていたので大変勉強になりました。
歴史の流れを順番に追えたのもわかりやすかったです。目次を見ているだけでも楽しいくらい、言葉が凝っていました。「火で水を汲む」など、一目で興味を引くのが上手く飽きにくかったです。
特に、アメリカの著書が書いたということで、クジラ漁の描写はかなりダイナミックで記述も多く知らないことがたくさんありました。
『エネルギー400年史』の評価や口コミ
他の方が『エネルギー400年史』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
『エネルギー400年史』は面白い。最初「4000年史だと思って買ったのに」とがっかりしたけど、面白い
— 蝉川夏哉 (@osaka_seventeen) July 10, 2020
今読んでる『エネルギー400年史』でも、軍艦のメインマストには相応に太くて長い木材が必要だが大抵そんなに育つまでに待てず(植えても一代ではそこまでいかない)伐採して金にしてしまうと。
— HA (@HarpoonArrow) July 10, 2020
エネルギー400年史、読了。人間が薪を燃やしてた頃から蒸気機関、石炭、石油、電気、天然ガス、原子力発電を得るまでの歴史、苦労、弊害についてとてもわかりやすく面白い本だった。
ロシアの天然ガス不安が叫ばれる今、タイムリーな内容。 pic.twitter.com/b2zB0ARL60— 水田かなめ (@kmizta) March 16, 2022
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
世界情勢に対する解像度が上がりそうです。
世界史に一歩踏み込んだ感じで、歴史を少し違う角度から見てみるという行為は視野を広げてくれるはずです。国内のエネルギー問題にも関心が出てきました。
少しでも本で読んで理解できたことは頭に入ってきやすく、調べるハードルが下がります。実際、再生可能エネルギーの種類の違いや原発、未来のエネルギーのことなどを調べたりしました。
核融合実験がされているけれど、まだ実働には至らずあと30年はかかりそう、という知識も得ることが出来ました。
次に読みたいと思っている本は『世界2.0 メタバースの歩き方と創り方』です。
メタバースについて学びたいです。これからメタバースがどのように拡散していくのかを知っておきたいです。
また、メタバース革命が起きた世界でどうやって生き延びていけばいいか、クリエイターとしてどう動いていいかなどを理解しておきたいと思っています。