神奈川県にお住いの22歳女性(流通・小売系:出版)が2022年12月頃に読んだ『マリアージュ・マリアージュ』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめておりますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
『マリアージュ・マリアージュ』を購入したきっかけ
著者の金原ひとみさんに注目しています。
金原ひとみさんの小説をいくつも続けて読んでみたいと思い、そのうちの1冊に選びました。
読んだことのない金原さん作品を全て読んでみるつもりでした。
芥川賞作家でありながら、まだとてもお若いお綺麗な女性作家さんです。
金原ひとみさんの小説の中でもジャンルがあると思っています。
そのジャンルわけを自分の中でもっと明確にできたらいいな、そういう思いがあってもっと読み込んでみようと思いました。
『マリアージュ・マリアージュ』の概要
小説集で、短編集です。
男女の恋愛ものばかりで、ちょっぴり刺激的でした。
若い男女カップルの話や、父や母になって間もない夫婦の話が多いです。
全体的に未熟な印象の主人公たちにはらはらと危なっかしさを感じつつも、切実な恋愛ものがたりとしてどきどきと、とても心を動かされながら読みました。
6つの短編からなる本作は、どれも個性的な短編小説でありながらどれもとても面白く、たのしい読み心地を堪能させてくれました。
『マリアージュ・マリアージュ』の基本情報
基本情報
- 出版社:新潮社
- 著者:金原ひとみ
- 定価:本体520円+税
- 発行年月:2015年11月01日
- ページ数:209ページ
- ISBN:978-4-10-131333-7
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.shinchosha.co.jp/book/131333/
『マリアージュ・マリアージュ』の目次
目次
- 試着室
- 青山
- ポラロイド
- 仮装
- 婚前
- 献身
『マリアージュ・マリアージュ』のYouTube(ユーチューブ)
『マリアージュ・マリアージュ』についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
残念ながら本書を紹介しているYouTubeチャンネルはなかったため、本ブログにて要点をまとめてお伝えできればと思います。
『マリアージュ・マリアージュ』から学んだことの要約とまとめ
『マリアージュ・マリアージュ』から私が学んだポイントは大きく3つの内容です。
私が学んだこと
- 恋愛の苦しさ
- 人の心の難しさ
- 美と醜の紙一重
人の気持ちの難しさをひしひし感じながら読みました。何度か自分を重ねて泣いてしまったほどです。
恋愛はそう簡単ではないと、多くの人が知っているかと思います。人の気持ちはとても難しいです。
この本の単行本表紙は、フルーツに虫たちが集まっている写真です。
一見、おいしいフルーツを喜んでお腹いっぱいになる可愛さを感じます。
がよく見るととても画質がよくて、虫が苦手な人には怖い思いをさせるでしょう。
すこしグロテスクな面が恋愛そのままを表しているようでした。
恋愛の苦しさ
セクシャルマイノリティなど、恋愛の多様化についてある程度の知見が広まりつつある中で、でもやはり当人たちはとても肩身の狭い思いをしていると言います。
実際にわたしは恋愛とは、クラシックに男女のものであってもとても難しく苦しいものであると思っているので、そこに世間の狭い目が加わるなど耐えがたく痛いのではないかと思います。
恋人たちも、夫婦たちも、この本の中でそれぞれ多様な景色を見ています。
わたしもそこにご一緒させてもらいました。
人の心の難しさ
人の心を掴むのは難しく、人の心を見つめるのもまたとても難しいと思います。
残念なことにどれだけ尽くしても、人の心が自分から離れてしまうこともあるでしょう。
それはきっとお互いに仕方のないことで、理屈では埋められないのかもしれません。
そう書きながらもわたしにそんな事態が起こればとても耐えられないと思います。非道なことを、きっとします。
人にどれだけ執着をしてしまっているのか。
それを見直しその恐ろしさを考えました。
美と醜の紙一重
美しさと、その裏側に確かに存在している醜さについて。
これは小説の内容よりも表紙の写真から想起したように思います。
かわいらしく熟れたフルーツに集まる姿。
いやにクローズアップし、怖いと思わせてしまう一面。
恋愛もきっとそうだと思います。
特別甘美でしおわせであったとしても、もし苦しい結末が訪れた際にはなかなか立ち直ることができません。
人の心を主とするので、人為的に恐ろしいことになる可能性もあります。ときに憎しみも生まれることでしょう。
『マリアージュ・マリアージュ』の感想
金原ひとみさんは芥川賞作家であり、純文学書きです。
ですが時にとてもエンターテイメント小説に近いものを書かれます。
それらはとてもインパクトが強く、人の心のうちに焦点を当てていると思っています。
金原ひとみさんが恋愛についてを書く時、わたしはそこに広がる大人のきゅんとする世界を楽しみにして読まずにはいられません。
そして毎度、悲しい面や切ない面も読みながら、恋は少女小説のようにはいかないな、と思うのです。
『マリアージュ・マリアージュ』の評価や口コミ
他の方が『マリアージュ・マリアージュ』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
#読了 金原ひとみ「マリアージュ・マリアージュ」(個人的評価B+)
結婚がテーマの一つになっていると
思いますが不倫話があったりとかなり
リアルでざらつくような女性心情の描写が
多かったですね。
特に「仮装」と「婚前」は怖すぎます😱
窪美澄さんの解説も結構強烈ですよ。#読書 pic.twitter.com/lyQEsmIuTu— Moonstone, The (@Kohsg23) May 5, 2021
金原ひとみ
『マリアージュ・マリアージュ』男女、夫婦、彼氏彼女
並ならぬ努力をすれば、
分かってあげることができるでも個人
名前をもつ相手のことを
自分本位で分かるすべなんてないと思う。
そこは相手が伝えてあげなきゃ
直接的でも間接的にでも何言ってんだか俺
意味不明w pic.twitter.com/2Cb1Bvbjjd— ナオ(読書垢、時々お酒垢) (@bookNO318) July 2, 2017
こういう気持ちにさせてくれる作家さんはほかにいません。金原ひとみ著『マリアージュ・マリアージュ』。最初の一編「試着室」は泣いた。『マザーズ』に感じるものがあった方はぜひぜひ。
— 窪美澄 (@misumikubo) December 21, 2012
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
わたしは自分の人生はまだ相当に長い気がしています。
半分も過ぎていないと思います。
そして、自分の中でこうやって生きて行きたいな、いつくらいまで働いていたいな、将来はこんな家庭で過ごしたいな、というビジョンが確かにあります。
ただ、大人の人生の先輩たちの話を聞いている限り、わたしの今の歳では人生は到底見越せるものではないようです。
特に人の気持ちを扱ったり、誰かとの交際を考える時、己の些細な過ちで狂わせてしまわないように力を尽くしたいと思いました。
それは自分の大切な人をも守ることになると思います。
次に読みたいと思っている本は『マスカレード・ゲーム』です。
シリーズを全て読んでいます。
恐らく最終巻かと思われるこの畳まれ方が気になります。