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書籍のレビュー

【書評】『はじめての哲学』のレビュー!書籍を読んだ感想は「著者の達見から得る物が多い哲学的生き方総合講座」

神奈川県にお住いの37歳男性が2022年12月頃に読んだ『はじめての哲学』のレビューをご紹介します。

本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめておりますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。

この本から学べるポイント

  • 誰かのために何かをしてみる、という発想
  • 自分の付属物よりも自分自身である魂を大切にしよう
  • 幸せは、すでに身の回りにある

『はじめての哲学』を購入したきっかけ

私は以前から哲学に興味を持っていたのですが、正式な教育を受けた事はありませんでした。

ソクラテス、プラトン、アリストテレスが古代ギリシャの著名な哲学者である事を知っている位で、プラトンの万物の元となるイデアという考え方が現在のアイディアという言葉につながっている事を知った時、哲学も面白そうだなと思い、哲学の本を読むようになったのが哲学に興味を持ったきっかけであり、その程度のレベルでした。

そこで、本書のように、哲学を初めから学ぶ事ができる本に強い魅力を見い出し、購入しようかどうしようか悩みました。

その結果、実際に読んだ方の評価や値段といった点を考慮して、購入する事にしました。

『はじめての哲学』の概要

現代社会に生きている時、生きがいを持てないという事はあると思います。

私も、やる気を注いで熱中できる何かを見つけたいと思うのですが、なかなか良い目標が見つからず、何となく生きている程度のしがない普通の人間でしかありません。

そこで、人はどのような時に生きがいを見い出し、人生を充実させる事ができるのか、という点について、著者は、神谷恵美子さんの言葉を引用してくれています。

そこでは、自分の人生の目標を明確に持っていて、その目標に向かって全力を注いで進んでいる時、人は最も生きがいを見い出せると言います。

しかも、それが目標の途上にある段階でも、それが未来につながっているというだけで、生きがいを見い出し得るのであり、それによって日常は潤うというのです。

確かに、目標をもって生きている方を見ると、行動している時のパワーが違いますし、その姿も輝いているように見える時があります。

目標を設定しながら全力で生きていく、確かに魅力的な生き方だと思います。

本書には、この他にも生きるための指針が多数紹介されているのですが、このような部分は、私がこの本から学んだ良い所であり、実践していきたい部分だと思いました。

『はじめての哲学』の基本情報

基本情報

  • 出版社:岩波書店
  • 著者:藤田 正勝
  • 定価:本体902円(税込)
  • 発行年月:2021年06月18日
  • ページ数:202ページ
  • ISBN:4005009352
  • 言語:日本語
  • 公式サイト:https://www.iwanami.co.jp/book/b583372.html

『はじめての哲学』の目次

目次

  • 第1章 生きる意味
  • 第2章 「よく生きる」とは
  • 第3章 自己とは何か
  • 第4章 生と死
  • 第5章 真理を探究する
  • 第6章 ほんとうにあるもの
  • 第7章 言葉とは何か

『はじめての哲学』のYouTube(ユーチューブ)

残念ながら本書を紹介しているYouTubeチャンネルはなかったため、本ブログにて要点をまとめてお伝えできればと思います。

『はじめての哲学』から学んだことの要約とまとめ

『はじめての哲学』から私が学んだポイントは大きく3つの内容です。

私が学んだこと

  • 誰かのために何かをしてみる、という発想
  • 自分の付属物よりも自分自身である魂を大切にしよう
  • 幸せは、すでに身の回りにある

プラトンが書いた「ゴルギアス」において、カリクレスは、自然なままに生きる事、つまり欲望を抑える事ではなく、その充足をはかる事こそが正義であり、善であるという主張をします。

それに対して、ソクラテスは、欲望は底のない感情であるから、欲望を抑えて心を秩序正しい状態に保ち、他の人への配慮を行って互いに力を合わせる事が、私達が目指すべきものであると考えました。

この、心を秩序正しい状態に保つ、というのは、仏教やヒンドゥー教の梵我一如、つまり、自然世界の流れと一体となり、その流れのままに清く正しく身を任せる、という思想と似通かったものであると捉える事もでき、東洋思想の源流が、古代ギリシャの西洋思想にも見出されるのは、それが本当に大切な事であるからだと思います。

このように、本書には、哲学を通して、様々な考えに思いを巡らせ、善く生きるためのヒントが多数掲載されており、そこからは、多くの事を学ぶ事ができました。

誰かのために何かをしてみる、という発想

日々自分の目標のために努力する事は大切な事なのですが、それが欲望のためだと良い事がない、と著者は言います。

私も、現在の目標として、TOEIC900を取る、本を出来るだけ読む、という目標を掲げて努力していますが、それもふと気が付いてみれば自分のためです。

そこには、他人のために何かしてあげようとか、ボランティア活動に参加するといった自分以外に目を向ける余裕がありません。

自分をもっと高めたい、自分の価値を分かってほしい、そういった精神も大切ですが、私の場合、そのために家族との交流が疎かになってしまっていたため、何か違うな、と思うものがありました。

自分、自分、自分、自分から、自分、他人、社会、自分くらいの割合で行動すると、それはバランスの良い優れた行動になるのではないか、と、本書を読む事で考えを改める事ができたような気がします。

そのように、社会では自分ひとりで生きているのではない、皆がそれぞれの役割をもって生きているんだ、という事に気付ければ、自分をもっと変わった視点から見られるのではないか、と思いましたし、本書はその手助けになったと思います。

自分の付属物よりも自分自身である魂を大切にしよう

ソクラテスは、自分自身の事について気づかう事は、自己の付属物について気づかう事ではない、と強調しています。

ここでは、付属物とは、身体や金銭という言葉でも表されています。

著者は、この思想を、自分を美しく装う事や、富をどこまでも蓄える事、といった付属物を大切にする考え方であるといったイメージで説明していますが、これは普通に考えれば悪くないような気がしますよね。

著者は、ソクラテスは、それらの付属物よりも、自分自身という魂について気づかう事が大切だと言っている、と説明されており、この魂を大切にする事で、体の美や富も、良いものとして生かされる、というのがポイントだそうです。

善良な心や倫理観なくして、富や美意識を増やす事だけに傾注するのはよくありません。

富や美などには、善い魂を基礎とした精神が根付いていなければならないのだ、と言います。

これなどは、私もはっとさせられる部分がありましたし、心を大切にするという最も大切な要素に気付けたような気がしました。

幸せは、すでに身の回りにある

学問の世界や政治の世界などで、重要な人物になる事を目標にする事は大切です。

そして、そのような幸せは、この世で最も偉大な幸せであるという事ができるでしょう。

しかし、それ以外にも幸せはあるよ、と著者は言います。

そのような大きな自己を発展させる以外にも、小さな自己を発展させる事も考えてみてはどうか、という意見です。

例えば、庭に朝顔の種を植えて、毎日少しずつ水やりをして、やがて花が咲いた時の喜び、そういった小さな事にも幸せは宿っています。

そのような、身の回りにたくさんある小さな幸せに気付く事ができると、人生をより楽しめるのではないか、と著者は述べており、これなどは大変参考になる意見だと思いました。

『はじめての哲学』の感想

著者によると、デカルトは、記憶力や想像力については人によって大きな違いがあるが、物を考える力である理性は、全ての人に公平に分配されていると考えた、と言います。

私などは、普通に考えてそれはないのではないだろうか、と思いました。

デカルトも、理性が人によって異なるというのは、体感的に分かっていたのではないか、と思います。

しかし、それでも、全ての人に公平に分配されている、と述べたのは、誰もが理性を鍛えれば、その力は向上するものであり、その考える力は、訓練する事ができる、という事でしょうか。

そして、このように考えた時、鍛えれば向上するものならば、誰もが勉強を頑張ろう、という気になれますし、私のような人間も希望をもって、数学を頑張ろう、と思えるようになるかもしれません。

考える力というのは、要は鍛え方次第、捉え方次第、という事でしょうか。

これなどは、読んでいて個人的に嬉しかった部分であり、デカルトの物を見る慧眼はすごいな、と思いました。

このような面白い記述から得る物が多かったのが本書の特徴であり、読み終えた時には大きな満足感がありました。

『はじめての哲学』の評価や口コミ

他の方が『はじめての哲学』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!

おわりに

著者の記述の中で、個人的に好きになったのは、自分の物を大切に想う気持ちです。

著者は、例えば、今使っている机や万年筆は、ただ単に物としてそこにあるわけではなく、そこには歴史がある、と説明します。

机は、父親から譲り受けた物であり、大切に使い続けてきたから愛着があるんだ、と言います。

つまり、物質としての机も万年筆も、使い続ける事によってそこに感情が付与されていくのであり、それゆえ大切にしていきたくなる、と著者は言います。

これなどは、サンテグジュペリの「星の王子さま」に出てくる5000本のバラよりも1本の特別なバラを育てる方が大切だ、という精神と似ていると思いますし、大切な概念であると同時に、何かを好きになる上で有効な手段だと思います。

何かを欲する前に、今自分が持っているものを見返してみて、それに愛着を育んでいくという事も、大切な事なのだと思います。

そこには確かに魅力がありますし、それは、この本を読んで学んだ事のひとつです。

これなどは、物に対する態度が変わる良い考え方だと思いましたし、これからの物との付き合い方に活かしていけそうだと思いました。

次に読みたいと思っている本は『世界の神話 (岩波ジュニア新書)』です。
世界の神話 (岩波ジュニア新書)

神話というのはよく出来ていて、想像力に富んだ面白いものが多いと思います。
そのような神話を比較検討しながら読み解いていけたら楽しいだろうな、と思い、この本を読んでみたいと思いました。

この本と同じ岩波ジュニア新書のシリーズですし、このシリーズは良い本が多いので、ぜひ読んでみたいと思います。







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