愛知県にお住いの42歳女性(主婦)が2023年1月頃に読んだ『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由−麹町中学校で工藤勇一先生から学んだこ』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめておりますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』を購入したきっかけ
本を購入しようと思ったきっかけは、発達障害についてネットで記事を見ていたところ、この本の紹介にたどり着きました。
タイトルの「死にたかった」と「自己変革」に心引かれ、Amazonで検索し、専門家の本よりも参考になった、手元に置いておきたいなど本の口コミを見て、さらに読みたい気持ちが高まりました。
私自身発達の凹凸のある子を育てていて、当事者の視点で書かれた本から、なにかヒントや成長の道筋のようなものが少しでもキャッチできたらと思いました。
『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』の概要
前半は、著者の自己紹介や発達の特性にまつわる出来事、当時の混乱した気持ちが丁寧に書かれています。
著者は特性によって幼稚園は2時間で退所、小学校時代も死にたいと思う毎日でしたが、麹町中学校で工藤勇一先生に出会い、先生の教えに心を動かされます。
家族や先生方の温かく真摯な支えの中、自身が自分を変えたいと強く思い行動にうつしていく記録です。
後半は、学習面の困り事と対応策、生活面の改善点や注意点など生活の質を上げるスキルが紹介されています。
恩師の工藤先生が書かれた中学時代の著者とのエピソードや、今現在死にたいと思っている発達障がい児に向けての著者からのメッセージも記されています。
発達の凹凸により大変な思いをされてきましたが、ユーモアや人生に真剣に向き合う人柄が感じられます。
『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』の基本情報
基本情報
- 出版社:時事通信社
- 著者:西川 幹之佑
- 定価:本体1,600円+税
- 発行年月:2022年02月08日
- ページ数:256ページ
- ISBN:9784788718036
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://bookpub.jiji.com/book/b598520.html
『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』の目次
目次
- はじめに 少し長めの自己紹介もかねて
- パート1 発達障がい児にとって学校生活はこんな感じ
- パート2 僕を成長させてくれた工藤先生の教え
- パート3 発達障がい児は勉強ができないという「当たり前」を疑う―教室を脱走していた僕が中3で英検準2級に合格するまで
- パート4 発達障がい児のQOLを上げるライフハック―僕が怒る自分を認めるようになったわけ
- パート5 死のうと思っている発達障がい児に伝えたい、苦しみの先にある「未来」を拓くための戦略
- おわりに
『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』のYouTube(ユーチューブ)
『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
「日本ママ起業家大学TV」さんが細かく解説してくれているので、本を読む時間がない方はこちらのYouTube(ユーチューブ)動画をおすすめします。
『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』から学んだことの要約とまとめ
『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』から私が学んだポイントは大きく3つの内容です。
私が学んだこと
- 発達障がい児の気持ちと行動
- 最上位目標をはじめとする自己変革
- 発達障がい児の学習面と生活面の工夫
学んだことは、発達の特性があっても、人はトライ&エラーを繰り返しながら進むことができるということです。
感情のコントロールが難しかったり、学習面や生活面でも様々な困り事がありますが、自分が何に困ってどういう状態なのか客観的に知り、一人では解決できないことは家族や周りの人たちの知恵や助けを借り、強い思いで行動することで自分は変えていけるということです。
麹町中学校で学んだことや、学習面、生活面の工夫が実際の体験をもとに細やかに記されているので、発達障がい児がどういった場面でつまずき苦悩するかや解決策、家族や周りの理解や支えがいかに重要かわかります。
発達障がい児の気持ちと行動
発達障がい児の気持ちが、著者の言葉で記されていてよくわかりました。
著者の正義感が強く、自信がなく、感情の揺れ幅が大きく、理不尽なことに激しく反応する性質は、我が子にも通じるところがあり、とても参考になりました。
目を見ない、言葉が返ってこない発達障がい児に向けられる心ない言葉や挑発に、人一倍傷ついていることも知りました。
学校という場で望んでいたことは、ただ一つ、今のままでいいんだよという言葉、これは発達障がいがあるかないかに関わらず、どんな子どもも思っていることだと改めて思いました。
最上位目標をはじめとする自己変革
自分で見出だした人生の最上位目標を設定することの大切さをはじめとし、工藤先生の教えや、学校での取り組みの中から自己変革の道すじを学びました。
キャリア教育の必要性、時間が有限であることを意識する大切さ、感情とうまくつきあうこと、話は聞き手伝わるよう工夫しつとめること、「聞く力」とは話の中から一番大切なことをみつける能動的な作業であるなど、著者がトライ&エラーをされ自身の血肉とされたことを追体験し、本人の強い思いと行動、回りの支えが自己変革につながることを知りました。
発達障がい児の学習面と生活面の工夫
学習面の工夫では、マインドマップを作り、学習の動機を明確にするところから始まり、漢字は盲学校の子ども向けの「ミチムラ式」で覚える、鉛筆や消しゴムなど筆記用具は使いやすいものを厳選する工夫するなとアイデアと情報を知りました。
生活の質を上げる工夫には、積極的に挨拶をする、鏡を見る習慣を身に付ける、心と体を整えるため砂糖やカフェインを控える、手帳を使い自分を自由にするなど様々な工夫がありました。
物も行動も、何を選び未来に繋げていくかがよくわかりました。
『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』の感想
こちらの本に廻り合い、読むことができてよかったです。
心の深いところを丁寧に言葉にされていて、共感とともに、苦しい思いが浄化されるような感覚も感じました。
発達障がい児の心と行動が、当事者の視点で細やかに言葉にされていて、本を書かれた本人に話を聞いているようで、よくわかりました。
発達の凹凸があるないに関わらず、よりよく生きるヒントがたくさん記されていて、例えば、人生の目標のたて方や感情とのつきあい方の具体的な方法は、迷いながら今を生きる様々な人に役立つと思います。
人は家族や周りの人の関わりの中で、生かし生かされていると感じ、先行きを懐中電灯で照らしてくれているように感じました。
『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』の評価や口コミ
他の方が『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
読めば読むほど、自分は理解できてなかったと痛感する。良かれと思ってしていたことが逆効果になっていたという典型。無知だったということ。今まで出会ってきた子達。ごめんね。
死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由 麹町中学校で工藤勇一先生から学んだこと
— R3@教員 (@R322785623) February 19, 2022
「死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由」
本屋で思わず手に取った一冊。
買って良かった~
読んで良かった~
母にも送りました!— K&A's母 (@kasaharasachiko) May 1, 2022
西川幹之佑さん『死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由』。ADHD、ASD、LDを持って生まれた著者がどんな事に困難を抱え、そこからどう成長してきたか。発達凸凹のあるなし関係なく、誰もが生きやすい世界はこういう方が作っていくのかも⁈と希望も持てる本でした。#不登校の親 #発達障害 pic.twitter.com/vOckNANR0U
— いろどりWorks (@senpai0923) March 30, 2022
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
私自身に活かせることは、まずは自分を見つめなおし人生の最上位目標を設定することです。
そして自分の考え方の癖を知り、怒りの段階を意識して感情とうまく付き合えるよう工夫をすることです。
私自身、夫が仕事の時はワンオペ育児に近い状態で視野が狭くなりがちですが、自分が取り入れてみて、子どもや夫にも提案していこうと思います。
また、発達障がい児の気持ちも知ることができ、我が子に対しても、こういうことが言いたいのかなと、もう少し寄り添うことができるのではと思います。
多様性が言われる時代になりましたが、育児や学校の現場ではなかなか情報が行き渡っていなかったり、誤解があったりして当事者や家族は場合によっては孤立してしまいます。
自分なりの知識や言葉を持つことや、情報を発信することが必要だと感じています。