山口県にお住いの38歳女性(内装業:仕上工)が2023年3月頃に読んだ『子どものトラウマ・セラピー』のレビューをご紹介します。
本書の概要や内容をわかりやすく要約してまとめておりますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になっている方は参考にしてください。
目次
『子どものトラウマ・セラピー』を購入したきっかけ
自分の子供が精神病を患い、また不登校にもなり、子供に関する本を読むことが増えました。
専門家の助けを得ないと解決できないこともありますが、本を読むことで蓄えられる知識もあります。
特に我が子にトラウマがあると考えたわけではありませんが、トラウマを解消するような方法を知ることができるとすれば、とてもすばらしいなと思いました。
そうでないにしても、自分の知らない知識を身に付けられるような期待をこの本のタイトルから感じられ、手に取りました。
『子どものトラウマ・セラピー』の概要
子供がトラウマを持ってしまうことを未然に防ぐ方法が書いてある本です。
感情に訴える、ということでなしに、神経にアプローチしていくという他では聞いたことのない内容が書かれています。
たくさんの症例が挙げられており、説明もわかりやすく、何より語り口が非常に前向きで、自分にもできると思わせてくれます。
すでにおきてしまっていることにもアプローチできるし、これからおきる困難からも子供たちを大人が守っていこうという強いメッセージが込められた本です。
『子どものトラウマ・セラピー』の基本情報
基本情報
- 出版社:国書刊行会
- 著者:ピーター・ラヴィーン/マギー・クライン
- 定価:本体2,800円+税
- 発行年月:2022年08月23日
- ページ数:296ページ
- ISBN:978-4-336-07347-1
- 言語:日本語
- 公式サイト:https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336073471/
『子どものトラウマ・セラピー』の目次
目次
- 第1章 人生におけるトラウマと回復力
- 第2章 感覚への気付きによって回復力を高める――ひたすら練習を繰り返して!
- 第3章 遊び、アート、詩を使って、回復力を取り戻す
- 第4章 状況にあわせた対処法――遊園地の乗り物から動物に噛まれたときまで
- 第5章 年齢と発達段階――健全な育ちを応援することで子どもに自信をつける
- 第6章 性被害――リスクの軽減と早期発見に向けて
- 第7章 別れ、離婚、そして死――悲嘆のプロセスを子どもが乗り越えられるように支える
- 第8章 地域にゲリラ戦を起こそう――子どもを恐怖から守るためのほんものの戦い
『子どものトラウマ・セラピー』のYouTube(ユーチューブ)
『子どものトラウマ・セラピー』についてYouTube(ユーチューブ)でわかりやすく解説してくれている動画がないか調べてみました。
残念ながら本書を紹介しているYouTubeチャンネルはなかったため、本ブログにて要点をまとめてお伝えできればと思います。
『子どものトラウマ・セラピー』から学んだことの要約とまとめ
『子どものトラウマ・セラピー』から私が学んだポイントは大きく3つの内容です。
私が学んだこと
- 自分自身の感覚に気が付くこと
- 圧倒された子供への対処法
- 遊びやアートを取り入れたアプローチ
子供が圧倒されるような体験をしたときにそれがトラウマになってしまわないためのケアの仕方が書いてある本です。
転落や怪我、医療行為や虐待や性被害など、子供を取り巻く様々な問題をたくさんの例を挙げながら説明がしてあります。
感情ではなく神経に訴えかけるため、まずは大人が自分の身体の変化に目を向けるというところから始まり、その方法もわかりやすく丁寧に書いてあります。
どうやったらケアできるのか順を追って丁寧に書いてあるので、すでにトラウマを抱えている子供にも、これから困難に出会ってしまう子供にも手を差し伸べるきっかけをくれる本です。
自分自身の感覚に気が付くこと
自分の感情を言葉にするということは身近でも、身体の感覚というものはあまり身近ではありませんでした。
この本にある、ゆっくりと身体の感覚に気付くエクササイズはとても新鮮でした。
イライラしたときに、身体のどこに痛みや重さを感じるか、またそれはどんな大きさでどんな形か、そういったことに意識を向ける練習をします。
また、それが自然に収まっていくことを体験し、そのときどう感じるか。
そのようなエクササイズを体験することで元々持っている自然治癒力を学びました。
圧倒された子供への対処法
転落や事故現場を目撃したり、子供が圧倒される体験をすると、身体が強張ったり震えたりします。
それを無理に抑えようとするとその力が放出されないままに留まってしまい、また同じような体験をしたときにまた感覚が蘇ってしまうようです。
圧倒されたときに、しっかりゆっくりと時間を取り、子供が自然に力を放出させ回復に向かう助けをするべきなのだということを学びました。
その方法がいくつかの例とともに丁寧に紹介してあり、とても参考になります。
遊びやアートを取り入れたアプローチ
子供はうまく言葉にできない想いを抱えていることがよくあります。
そんなときに、アートはとても助けになります。
絵を描いてもらったり、粘土細工を作ってもらい、その作品を注意深く観察することで子供の取り残された感情を探ることができます。
また、身体を動かす遊びを通して、溜まっている力を安全に放出することもできるようです。
それに役立つ遊びの方法もいくつもわかりやすく紹介してあります。
災害時にたくさんの子供たちと一緒にできる遊びも紹介されています。
『子どものトラウマ・セラピー』の感想
この本を読んで、普段気にすることのなかった自分の身体の感覚に心を向けるということ体験しました。
感情を一旦横に置いてまず身体の回復を待つ、というお話は目からウロコでした。
この力によって、感情のコントロールにも自信が持てるようになりました。
また、圧倒されている子供に出会ったならきっと助けてあげられるという自信も付きました。
自分の中の取り残されていた痛みにもアプローチしていく方法も学べたし、本当に出会えてよかったと思う一冊です。
『子どものトラウマ・セラピー』の評価や口コミ
他の方が『子どものトラウマ・セラピー』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。
職場読書会『子どものトラウマセラピー』ピーター・ラヴィーン、マギー・クライン著 読了。セラピスト向けと言うより子どもの父母や一般の人向けに書かれた本らしい。トラウマは出来事によって起きるのではなく爬虫類脳で生じる生理的反応の中断であり、心理的なものですらなく身体的なものであると。
— ただのköttur-lover22🐱 (@kottur_lover22) February 27, 2023
今度は「子どものトラウマ・セラピー」を読み始めました。
私としては「身体に閉じ込められたトラウマ」より読みやすいし理解しやすそうな気がする🌱
ひとまず「子どもの〜」を読んでみて、「身体に〜」の方はまた改めて読み返そう📖— flower 💐 (@flower_1000c) February 28, 2023
色んな人におすすめしては絶版になって悲しんでいた「子どものトラウマ・セラピー」が新訳になって再販されていた!うれしい〜。
コドモと接するすべての方へ、オススメいたします。https://t.co/7QB51JE19R— ボディーワーカー小笠原和葉@マスクを取ったら深呼吸 (@kazuha_og) November 11, 2022
みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!
おわりに
毎日の生活の中で感情が強くマイナスに動いたときに、まずは身体の感覚の回復を待とうと思います。
そうすることで感情もうまくコントロールできるという自信が付きました。
また、そういった自信が子供たちの安心にもつながると思います。
たくさんのトラブルにさらされる現代の子供たちに少しでも救いの手を差し伸べられたらと思います。
また、この本の内容が広まり、トラウマを抱える子供が1人でも減るようになればと思います。
たくさんの人にこの本を読んでもらいたいです。