書籍のレビュー

【書評】『今日から始まるナラティヴ・セラピー 希望をひらく対人援助』のレビュー|書籍を読んだ感想は「社会構成主義の視点や問題を外在化する視点を与えてくれた」

香川県にお住まいの45歳の男性(サービス系:相談員)が2023年6月頃に読んだ『今日から始まるナラティヴ・セラピー 希望をひらく対人援助』のレビューをご紹介します。

本書の概要や内容をわかりやすく要約し、まとめていますので、書籍を読んで学んだことや感想、評価や口コミが気になる方は参考にしてください。

この本から学べるポイント

  • 社会構成主義の考え方の重要性
  • 問題はその人(相談者)ではなく、問題と人(相談者)を区別する重要性
  • 相手に敬意を持ち、対等な関係で話を聴く重要性

『今日から始まるナラティヴ・セラピー 希望をひらく対人援助』の購入きっかけ

購入した理由は3つあります。

一つ目は、ナラティヴ・セラピーについては名前は知っていましたが、具体的な技法について知りたいと感じたからです。

二つ目は、推奨する本の紹介原稿を依頼され、関心を持っていた技法について調査したかったからです。

いきなり難解な内容だと読むのが途中で止まってしまうと考え、色々な中からタイトルが読みやすそうな本を選んで購入しました。

三つ目は、相談員として自身の知識や技術を向上させたいと願ったからです。

『今日から始まるナラティヴ・セラピー 希望をひらく対人援助』の概要

本のタイトル通り、この本はナラティヴセラピーが社会構成主義(現実や真実は一つではなく、視点や立場によって物事の見え方が変わるという考え方)の影響を受けて生まれた心理療法であることを紹介しています。

ナラティヴとは、一般的には語りや物語と訳されます。

その語りや物語について、例として最初に桃太郎の話を紹介し、物語を読む人や視点、出来事の解釈によって物語が変わることを示しています。

相談者の抱える問題について、その人自体を問題だとするのではなく、相談者と問題を分け、その問題に対して支援者と相談者が共に取り組む姿勢が重要です。

そのためには、支援者が相談者に敬意を払いながら、話を聴く姿勢が大切であると述べられています。

また、単に心理療法の技法の説明に終始するのではなく、その技法の中に支援者が目指すべき姿勢があると、著者は指摘しています。

基本情報

『今日から始まるナラティヴ・セラピー 希望をひらく対人援助』のYouTube(ユーチューブ)

『今日から始まるナラティヴ・セラピー 希望をひらく対人援助』についてYouTube(ユーチューブ)で明解な解説をしている動画を探してみました。

残念ながら、本書を詳細に紹介しているYouTubeチャンネルは見つかりませんでした。

そのため、このブログで要点をまとめて伝えられればと考えています。

『今日から始まるナラティヴ・セラピー 希望をひらく対人援助』から学んだことの要約とまとめ

『今日から始まるナラティヴ・セラピー 希望をひらく対人援助』から学んだポイントは大きく3つです。

私が学んだこと

  • 社会構成主義の考え方の重要性
  • 問題はその人(相談者)が問題ではなく、問題と人(相談者)を分ける考え方の重要性
  • 話し相手に敬意を持ち、対等な関係で話を聴く態度の重要性

心理療法を行っている心理士や精神科医などの心理の専門職だけでなく、現在、何らかの職種として相談業務を行っている方や対人関係や家族関係、問題行動などに困っている方に参考となる本だと思います。

相談者に対し敬意を払い、対等な関係で話を聴く姿勢が支援者や問題を聴く側にとって求められるものであることを知ることができます。

問題を外在化することの重要性も説明しています。

問題そのものと人とを重ね合わせてしまうと、相談者自身が問題だと捉えてしまう傾向があります。

そうではなく、問題と相談者を分け、その問題を相談者と支援者(関係する人)とが共に解決に向かって進むパートナーとして取り組むことの重要性を学ぶことができます。

社会構成主義の考え方の重要性

社会構成主義は、現実や真実が一つではなく、立脚点によって物事の見え方が違ってくるという考え方です。

ナラティヴ・セラピーは社会構成主義に基づいた心理療法であり、そのアプローチ方法です。

その視点は、教育学や文化人類学を含む人間科学の様々な分野に影響を与えています。

本書では、社会構成主義について、一般的に知られる桃太郎のおとぎ話と、芥川龍之介が書いた桃太郎との違いを通じて説明しています。

問題はその人(相談者)が問題ではなく、問題と人(相談者)を分ける考え方の重要性

問題がその人(相談者)自体ではなく、問題と人(相談者)を分けることを、ナラティヴ・セラピーでは「問題の外在化」と言います。

それを理解し、相談者の話を聴くことが重要であると本書は説明しています。

問題そのものと人とを重ね合わせてしまうと、相談者自身が問題だと捉えてしまう傾向があります。

その状態では、相談者と支援者が対立しやすくなります。

それを避けて、問題と相談者を分け、問題の解決を相談者と支援者(関係する人)が一緒に進めることが重要であると本書は説明しています。

話し相手に敬意を持ち、対等な関係で話を聴く態度の重要性

話し相手に敬意を持ち、対等な関係で話を聴くことが重要だというのは、権力関係や上下関係が存在する=相談者が話し難くなると説明しています。

ナラティヴ・セラピーでは、相談者の語る話や物語から、見落としていたり、拾い上げていなかった出来事やストーリーを一緒に見つけ出す作業を行います。

その際、権力者である支援者に相談者が都合の良い話を合わせてしまう可能性があるため、相談者に対する敬意と対等な関係を保ちつつ話を聴くことの重要性を説明しています。

『今日から始まるナラティヴ・セラピー 希望をひらく対人援助』の感想

ナラティヴセラピーについては、言葉だけで聞いたことがありましたが、本書を読み深めることで、その有効性に気づきました。

自身の固定化した視点を解きほぐし、社会構成主義の視点や問題を外在化する視点を与えてくれたと感じます。

これまで何となくそのような視点で取り組んでいたような部分もありましたが、日々の活動の振り返りができたと感じます。

ナラティヴセラピーの他の関連書籍も読んでみたいと思います。

『今日から始まるナラティヴ・セラピー 希望をひらく対人援助』の評価や口コミ

他の方が『今日から始まるナラティヴ・セラピー 希望をひらく対人援助』を読んでどう思われているのか、評価や口コミを調べてみました。

ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。
Amazonの口コミ

ナラティブという道具は面白いですね。一つのセラピー道具として備えておこうと思います。
Amazonの口コミ

問題の原因を人の中に求めない、ただその一点を知っただけでも、非常に価値のある読書だった。正直に言って、ナラティブセラピーで全ての対人の問題を解決できるとは思えないけれど、こんがらがった問題を新たな視点から解きほぐす効果はあると思う。もちろん、それ以外にも、人に寄り添う際の注意点や対処法、対話を続けることの大切さなど、学びになることがたくさんあった。文章からは著者の優しさが滲み出ているように感じ、穏やかな気持ちにもなる。久しぶりに素敵な本に出会えて、とても嬉しい。
Amazonの口コミ

ナラティヴ・セラピーの基本の基本を教えてくれます。見方によって"桃太郎"の話しが変わってくる喩えもわかりやすいですし、価値観や言動の元になる考え方の枠組みとしての"ディスコース"の説明もわかりやすいです。ここからつなげてくれる、ドミナント・ストーリーのオルタナティブ・ストーリーへの転換は、例示を含めて、とてもわかりやすいです。ナラティヴに興味を持って、初めて手にする方には、たいへんわかりやすい良書だと思います。
Amazonの口コミ

「絵に描いたような外在化」が小学生に通用するのかは疑問ですが、「ナラティヴ・セラピー」が不登校の支援に使えそうなのは大きな収穫です。本書は対人援助の専門家向けなのですが、ユーモアを交えながら初心者にもわかりやすく語りかけます。例えば、「人生は語りだ」「言葉が世界だ」といきなり言われも何のことやらも、「私の人生は、いろいろあった」から順に説明されると腑に落ちます。このレビユーを読んでいる時点でもう「始っている」のかもしれません。「今かけているメガネ」をちょぃと外して、「心理療法の今」を覗いてみませんか。
Amazonの口コミ

みなさん本書を読んで学んだことが多いみたいですね!

おわりに

本書を読むきっかけについて述べました。

ナラティヴセラピーについては言葉として認識していましたが、具体的な技法について理解することが求められました。

問題がその人自体ではなく、問題そのものであるという認識は知っているものの、時として見落としてしまうものです。

本書は、自分の固定した視点を和らげる助けをしてくれたり、一度立ち止まって考えることを促してくれました。

人が語る話は、見方により異なる物語、ストーリーになることを認識させてくれました。

相談者が絶望を感じていても、希望を掴むことができ、またそのような物語を生み出すことが可能に思えました。

希望を感じることができるという点で、とても素晴らしい本でした。

次に読みたいと思っている本は『オープンダイアローグがひらく精神医療』です。

対人関係に悩んでいる方や、カウンセラーとして活動している方にとっては必読の書籍です。







   

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